お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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065 : 威風堂々

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「きっとここだ。」

吊り橋を渡った先に、小さな家がぽつねんと建っていた。
看板らしきものは全く出ていないが、おそらくここが千里眼・ロアンヌの家だと思った。
リュックが古びた扉をノックした。



「はい。」

出て来たのは意外にも若い娘だった。
私はロアンヌのことを勝手に若くても中年以上だと思っていたのだ。



「あれ?ここは占い師の家じゃないのか?」

どうやらリュックも私と同じように考えていたようだ。



「いかにも、こちらは千里眼・ロアンヌ様の家でございます。
私は弟子のキャサリンです。」

「弟子?なるほど。」

「ロアンヌ様に視ていただきたいのですね?」

「そうだ。」

「わかりました。では、どうぞ、中へ。」

私達は家の中へ通された。



「ロアンヌ様、希望者が参りました。」

大きな革張りの椅子に、老婆がふんぞり返っていた。
まるで、私達を見下すように。



「ふん。」

老婆は私達を見るなり、鼻を鳴らした。
気に食わないのだろうか。



「えっと…俺たちは…」

さすがのリュックも、話しにくいみたいだ。



「少々、お待ちを。」

そう言ってキャサリンは部屋を出ると、酒らしきものを持って、取って返した。



「ロアンヌ様、御酒を。」

「うむ。」

グラスに注がれた酒を、ロアンヌは一気に飲み干した。
グラスが空になると、キャサリンがまた酒をなみなみと注ぎ込む。
そんな行動を何度か繰り返しているうちに、ロアンヌの様子が少しずつ変わって来ていた。







「かんぱーい!」

「さっきから、何回乾杯してんだよ。」

「良いじゃないか。楽しいんだから。」



さっきまでの威厳はどこへやら。
ロアンヌは、ただの気の良い酔っ払いとなっていた。
私達にも酒を勧め、部屋の中はまるで酒場のようになっていた。



「あ~あ、せっかく視てもらいに来たのに、ただの酒盛りになっちまったな。」

「馬鹿もん!わしは、飲まなきゃ視えんのじゃ。
それにしても、おまえさん達は特別変わった奴らじゃな。」



変わった、とは、どういうことだろう?



「何が変わってるんだよ。」

私が気になったことをリュックが訊ねた。
老婆は、肩を揺らして笑う。



「おまえさんが、わしより年寄りじゃということ。
わしにはわかるんじゃ。」

「えっ!?」

まさか、リュックの秘密を知っているというのか?
一瞬で酔いが覚めたような気がした。



「しかも、こっちの男もおかしな者を引き連れておる。」

私とリュックは驚き、顔を見合わせた。

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