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先輩の家政婦さんはトラブルメイカー!?

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「何、あんた…今まで店屋物を取ったことないの?」

 「ありませんよ!」

 「馬鹿だねぇ~…
ここのご主人は金が有り余ってるんだから、そのくらいのこと、なんとも思わないよ。
とりあえず、家事さえしっかりやってれば、金の遣い道には何も言わないんだよ。」

 私は呆れてしまった。
そりゃあ、確かに史郎さんはお金持ちかもしれないけど…
だけど、だからっていって、好き勝手に遣うことなんて出来ないよ。
あくまでも、ここにあるのは史郎さんのお金なんだから。



 「さて、と。
じゃあ、部屋を一回り、見せてもらおうかな。
どのくらいちゃんとしてるのか、見せてもらうわよ。」

そう言って、手島さんは立ち上がった。
 私は、気分が悪くて、ついていく気にはなれなくて、台所で片付けをしていた。



そうだ、さっき私が食べたうな丼のお金、ちゃんと生活費の封筒に入れておこう。
あ…手島さんの分はどうしたら良いんだろう?
 私が出さなきゃいけない理由はないけど…でも、生活費から出すのもなんかいやだ。
だって、こんなの生活費とは呼べないもの。



 (……えーい、清水の舞台から飛び降りたつもりで、私がおごってやる!!)



しばらく考えて、私は今日のお昼代をポケットマネーから出すことにした。
 特上うな重は3600円もする。
なんであんな人に、そんな高いものをおごらなきゃいけないんだ!
すっごく腹が立つ。
すでに、ケーキもおごってるのに…
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