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第25話:お話

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 ディアボロ様がお帰りになったのは日が暮れてからだった。
 どうやら、皇帝様への報告が長引いてしまったらしい。
 帰ってくると、すぐに私のところへ来てくれた。

「ただいま、キュリティ。予定より遅れてしまった」
「お帰りなさい、ディアボロ様。騎士隊の人たちは大丈夫でしたか?」
「ああ、心配いらない。念のため、数日様子を見てから任務に復帰するそうだ。彼らはすぐにでも任務に行きたいと言っていたがな」
「そうでしたか……良かったです」

 心配いらないと聞いてホッとした。
 彼らはみな大きな怪我を負っていた。
 オールドさんが治してくれたわけだけど、やっぱり心配だったのだ。
 
「皇帝陛下に事の顛末を報告すると、君とオールドにとても感謝していた。大事な騎士隊を救ってくれてありがとう、とのことだ。解呪がもう少し遅かったら手遅れになっていたかもしれん。解呪師は王宮に集まっていることが多いからな」
「いえ、ディアボロ様が早く見つけてきてくれたおかげだと思います。発見が遅かったら、それこそ手遅れになってしまいますから」
「まったく……君は謙遜家だな」

 ディアボロ様はフッと笑っている。
 謙遜と言われたけれど、本当にそう思っていた。
 傷の手当てをしたのだってオールドさんだ。
 私はやらなければならないことをしただけ……。

「では、私はそろそろ失礼する。キュリティ、ここ数日お疲れだったな。ゆっくり休んでくれ」
「いえ、ディアボロ様こそお疲れ様でした」

 ディアボロ様がお部屋から出て行く。
 ベッドに横たわり、ふぅ……と一息吐いた。
 正直に言うと、騎士隊の闇魔法を解呪したときは少し怖かった。
 魔族の余韻が残っているようだったのだ。
 それでも、頑張って良かった。
 騎士隊の笑顔を見たら、心の中でそう強く思えたのだ。
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