弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第28話:気持ち

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「あ、頭を上げとくれ……! 何もあんたが謝る必要はないだろ!」
「いえ、そういうわけにはいきません。ルイザさんが苦しんだのも、全ては僕の責任なんです」

 慌てて話すルイザに対して、ネオンは頭を下げ続ける。

 ――僕のスキルで領民を苦しめてしまうなんて……!

 状況を考えると、ネオンに非はない。
 だが、事前にもっと詳しく説明しておけばよかった……と、ネオンは悔やむばかりだった。 ブリジットは主が硬く拳を震わせ俯くのを見て、ルイザに問う。

「……なぜ、ネオン様の言いつけを破り、神器を勝手に持ち出したのですか? あれだけ気をつけなさいと仰っていたのに……」

 射殺すほどの鋭い瞳で見られ、ルイザは心中で思案する。

(くっ……正直に言うか……? ……いや、ダメだ。まだスパイだと明かすわけにはいかない。任務が……)

 腰の剣に手が伸びるのを見たとき、大慌てで弁明した。

「こ、この辺りの土を耕そうと思ったんだ。ネオンはいつもあたしたちのために頑張ってくれているから、少しでも恩を返したいというか、負担を減らしたかったんだよ」

 たどたどしい答えを聞いた瞬間、ブリジットの視線は一段と厳しくなった。

「こんな深夜にこんな場所を一人で……? ……怪しい」
「まぁまぁ、それだけやる気を持ってくれていたってことだから」

 ギクリ……と微妙に動いたルイザに気づかず、ネオンはブリジットを宥める。

「まったく、ネオン様は優しすぎます」
「そうかなぁ……あの、ルイザさん」
「な、なんだ……?」

 ネオンは真剣な表情に変わると、ルイザに伝えた。

「お気持ちは嬉しいですが、無茶だけはしないでくださいね。開拓を手伝ってほしいとは言いましたが、休むときはしっかり休んでほしいんです。もし、プレッシャーを与えてしまっていたらすみませんでした」
「……いや、あたしの方こそすまなかった」

 雲間から月明かりが差し込み、微笑み合う二人を照らす。

「じゃあ、そろそろお家に帰りましょうか。夜はまだ冷えます。ずっとこんなところにいては風邪をひいてしまいますから」
「ああ、そうだな、帰ろう」
「ネオン様の優しさに心から感謝してくださいね」

 ネオンは鍬を持ったブリジットと歩き出すが、ルイザは一歩を踏み出せなかった。
 月明かりに照らされたその小さな背中を見ながら、彼女は表情が曇る。
 先ほどの弁明は半分嘘で、もう半分は本心だった。
 謝るべきは自分であり、この場で追放されてもおかしくなかっただろう。
 それなのに、逆に謝られてしまった。
 ネオンの優しくて大きな器を持った人柄は、ルイザの心に確かな気持ちを芽生えさせた。

(……あたし、ネオンが好きだ)
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