弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第38話:超大国たちの反応2③

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 ~ユリダス皇国の場合~

 これまた時を同じくして、ユリダス皇国。
 "皇帝の間"では、幼いラヴィニアがキアラの報告を受けていた。
 報告が滞りなく終わり一旦連絡を切ると、隣で聞いていたバルトラスが笑顔を向ける。

「ちゃんと一人でも報告が聞けるようになったの。もうワシがいなくてもよさそうじゃな」
「まだ……心配……」

 いつも祖父のバルトラスと一緒に行動するのが常だったが、ネオンが同い年と聞いてから、できるだけ自律しようと頑張っているのだ。
 報告を聞いたバルトラスは、ほぅっとため息をつきながら話す。
  
「それにしても、飛び地でかのような事態が起きておるとはのぅ。キアラたちには相当の苦労をさせてしまった……」
「うん……。キアラが……元気で良かった……」

 バルトラスもまた、瘴気があそこまで高密度だとは思わなかった。
 辺縁部は密度が薄く、中心部に行くにつれ濃くなっていたようだ。
 "捨てられ飛び地"は荒れた土地だが広大であり、なおかつライバル国の目線もあるので、大規模な事前調査ができなかった。

「いやはや、神器の入手には時間がかかりそうじゃ。まぁ、ちゃんと使うときは許可を取れということじゃな。言われてみれば当たり前のことじゃ」
「ネオンに……信頼してもらわないと……」

 神器を制裁なく使うには、ネオンの許可が必要。
 単純ながら、この場合は大きな障害であった。
 バルトラスとラヴィニアは同じ結論を下す。

「そうじゃな。キアラにも領地開拓に協力するよう伝えておこう。ネオン少年が皇国を気に入ってくれたら、これ以上ないほど嬉しいところじゃよ……ふぅぅっ!」
「お爺様……! 大丈夫……!?」

 突然、バルトラスは胸を押さえて呻く。
 彼は心臓が悪かった。
 キアラの調合した貴重な薬により延命できているが、それも長くは続かないだろうことを実感している。
 大事な祖父が苦しんでいる光景を見て、ラヴィニアは胸が痛む。
 幼心に死期が近いことを察していた。

(このまま、お爺様は死んじゃうの……?)

 そんなの絶対にイヤだ。
 ラヴィニアが心の中でそう強く決心したとき、ぽっと小さな明かりが灯った。

「お爺様……一つだけ……病気を治す方法がある」
「なん……じゃと……?」
「ネオンに……薬貰うの……」

 キアラが治せない瘴気病も治せる薬ならば、祖父の病気も治せるはずだ。
 そう強く思えた。

(ネオン……お願い……! お爺様を助けて……!)

 ラヴィニアはすぐさまキアラとの連絡を回復し、エリクサーを入手するよう頼んだ。
 ……一縷の希望を込めて。


 ◆◆◆

 元首たちはみな、<神恵のエリクサー>の入手を同時に命じる。
 それぞれの健康問題を密かに解消し、ライバル国より一歩リードするために……。
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