弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第43話:超大国たちの反応3③

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 ~ユリダス皇国の場合~


 これまた時を同じくして、ユリダス皇国。
 皇帝のバルトラスは心臓の痛みに耐えかね、寝室で横になるばかりであった。
 周りではたくさんの医術師や薬師が懸命に治療を進めるが、容態は悪化の一途を辿る。
 時が経つにつれ彼らにできる行動は減り、祈るしかなかった。
 ずしりとした暗くて重い空気が室内を支配する中、タタタッ……と廊下を走る音が聞こえる。
 音が止まったとき、扉がカチャッと開き少女が顔を出した。
 
「薬……届いた!」
「「ラヴィニア様!」」

 ベッドに走る彼女を、医術師も薬師も祈るように見る。
 バルトラスの病気はキアラの調合した薬でも治せず、もう手の打ちようがない。
 飛び地で領主を務めるというネオンが、文字通り最後の希望であった。
 顔のすぐ横に来た孫娘を見て、バルトラスは消え入るように呟く。

「……ワシはもうダメかもしれんの……」
「やだ! お爺様は絶対に生きるの! 急いでこれ飲んで! 絶対、絶対病気治るから!」
「むごっ……」

 ラヴィニアは半ば無理やりエリクサーを飲ませる。
 自分のペースなどおかまいなしに注がれることの方が苦しかったが、全部飲み終わった瞬間、バルトラスは確かな異変を感じ取った。
 
「胸が……心臓が……楽じゃ! 心臓の鼓動も落ち着いておるし、何より苦しゅうないぞ!」
「「! それは真ですか、皇帝陛下! 直ちに診察を……!」」

 医術師や薬師が心臓の状態を確認するが、至って健康そのものだ。
 バルトラスの命を蝕んでいた病は、もうどこにもない。
 完治が確認され、室内は大歓声が沸く。

「「治った……皇帝陛下の病気が治ったぞー!」」

 バンザーイ!と各々が叫ぶ中、バルトラスとラヴィニアは強く抱き合う。

「薬を貰おうと言ってくれてありがとうの、ラヴィニア」
「お爺様……元気になってよかった……!」
「ネオン少年にも感謝の気持ちを伝えに行こうの」
「私も……絶対に行く……!」

(ありがとう、ネオン……。ネオンのおかげで……お爺様元気になった……)

 ラヴィニアの頬を、熱い涙が伝う。

 ◆◆◆


 国家元首たちとその娘は、みなネオンに感謝し、それぞれのスパイにも感謝と労いの言葉をかける。
 ネオンは最早、一介の領主から"命を救ってくれた恩人"に何段階もランクアップした。
 また、国家元首たちは病気が完治したことで、「ライバル国より一歩リードした!」とも喜んだ。
 実際のところはみんな一緒に治っているのでリードも何もないのだが、彼らは知る由もない。
 結局、ネオンは自分の知らないところで三大超大国の国家元首たちの命を救い、結果として多大な恩を売ってしまうのであった。
 各国家元首たちは感謝の意を示すため、命を救ってくれたお礼の品の手配を始め、”捨てられ飛び地”に向かう準備も進める。
 深い感謝を伝え、自国への勧誘をするために……。
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