弱国の転生王子は三大強国間の飛び地を神器生成スキルで世界最強領地にする~目立ちたくないのに、実は領民は強国のスパイで僕の活躍を国に報告してた

青空あかな

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第82話:そら

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『守る。それは、敵より強いからこそ成り立つ行動だ。……《隕石群の大招来》』

 デビルピアは不敵に笑い、使い魔とともに数十m上に巨大な魔法陣を展開させた。
 間髪入れず、大量の隕石が猛スピードで放たされる。
 宇宙空間を高速で飛び交うデブリを、そのまま召喚する魔法だ。
 一同が構えたとき。
 ネオンは今まで貯め込んだほぼ全ての素材を消費して、領地を領民を、大事な皆を守る神器を生成した。

「〈神器生成〉!」

 彼らの前に現れたのは、世界最大級の巨大なゴーレムだ。


<NA-001 セントリー>
 等級:神話級
 説明:型式番号NA-001。全長18m強の二足歩行型ロボ。ツインアイ。重量30t。ジェネレーター総出力4000kW。全身に領地を守るための強力な武器が装備されている。

 
 視野をネオンと共通しており、コックピットに入らずとも念じるだけで操縦が可能である。 神器生成の光景を見て、周りの人間と同じようにデビルピアも驚く。

(なんだ、あの兵器は!? どこに隠れていた! あんな……あんな馬鹿げた魔力を持った兵器を!)

 デビルピアの目には確実に、自分と同じかそれ以上の存在に感じられた。
 これほどまでに膨大な魔力の集まった兵器が、突然目の前に出現したことにネオンの力の片鱗を見る。
 だが、人間如きが自分より強いはずがないと即座に不安を打ち消した。

「全部撃ち落として!」

 ネオンの命により、セントリーの両腕に収納された100mmガトリング砲が展開。
 高圧縮の魔弾を撃ち出し、全ての隕石を破壊する。
 瞬く間に、人的物的被害が出ない程度の小石と化し、デビルピアはわずかに表情を硬くした。

(あの魔弾は何だ。初めて見る……念のため、安全策を取った方が良いか)

 不可避で不可侵攻撃が防がれた様子を目の当たりにして、デビルピアは計画を変える。

『お前たちは地上に残れ。余は"聖域"から攻撃を仕掛ける』

 使い魔に指示を出し、遥か上空に飛び上がった。
 数千年前と同じように、この地上で自分しか辿り着けない"故郷"を目指して。
 無論、それを見逃すネオンではない。

「追いかけて、セントリー!」

 すぐさまバックパックと脚部のスラスターが起動、デビルピアを追いかける。
 射程距離に入ったことを確認したネオンは、ロックオンを完了させた。

 ――誘導弾発射!

 バックパックの背面が開き、誘導機能のあるミサイルが何発も発射される。

『本体諸共打ち落としてくれるわ! 《輪舞の闇斬》!』

 闇すら切り裂くようなどす黒く、巨大な円刃が何発も襲い掛かった。
 亜音速の攻撃を、誘導弾は自動で躱しデビルピアに直撃する。

(回避機能付きの誘導砲弾!? ……うぐううう!)

 一発一発が地中貫通爆弾と同程度の破壊力。
 デビルピアの硬い体表を貫き、内蔵にまで強いダメージを与えた。
 黒ずんだ血の雨が降る。
 全弾命中したものの、煙が晴れる頃にはデビルピアの身体は傷が塞がっていた。
 ネオンは特に驚愕することもなく、淡々と思う。

 ――なるほど、再生能力があるのか。だけど、対処方法はある。再生を上回るほどの攻撃をすればいいだけ。

 両手のガトリング砲を発射しながら後を追い、デビルピアもまた迫り来るセントリーに攻撃を仕掛ける。

(ふむ、追いかけてくるか。むしろ好都合。"聖域"にまで到達すれば、此奴も活動を停止するはずだ)

 互いに大戦のような猛攻撃をぶつけるデビルピアとセントリー。
 両者は漆黒の闇に包まれた、極寒の空間に辿り着いた。
 前世では映像でしか見たことがない場所に、ネオンは静かに事実を認識する。

 ――……宇宙か。

 セントリーは宇宙の過酷な環境にも耐えられるため、地上と同じように活動できる。
 デビルピアもまた、初めての光景にむしろ驚嘆を感じた。

(よもや、"聖域"にまで追ってくるとは……想像以上だ)
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