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第84話:称賛
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ネオンたちの勝利が決まってから少しして、一行はデビルピアの調査を始めた。
どこから来たのか、それが主な調べる対象だ。
特に、帝王グリゴリー、大総統ガライアン、皇帝バルトラスの三人がしきりに意見を交わす。
「早急に、デビルピアが再度招来した理由を明らかにせねばならん。ネオン少年がいない場所に襲来したら、世界が崩壊するぞ」
「今回はネオン少年がいてくれたから撃退できたが、いつもそうとは限らない。ネオン少年がいないときに襲撃を受けたら、我が連邦も焦土になりかねないでしょう」
「勇者様の封印が解除されたのは間違いないじゃろうて。問題は、どこに封印されていたかじゃな」
彼らが思案を巡らす中、ネオンは"あの可能性"を伝えることにした。
「三大国家元首のみなさま、横から失礼いたします。お伝えしたいことがあるのですが……」
「そんなに怯えないでくれたまえ。朕はネオン少年の味方なのだから」
「君の意見ならいつでも大歓迎だよ」
「ぜひ教えてほしいの」
ネオンが緊張して切り出すと、三大国家元首は優しく受け入れてくれた。
今一度気持ちを落ち着かせ、その場にいる全員が聞こえるように話す。
「デビルピアはおそらく……僕の母国、アルバティス王国から襲来したと思われます」
言い終わった瞬間、一同は息を呑んだ。
そのまま、ネオンはより詳しい話を伝える。
デビルピアの"血の主を殺す"という発言から、父親と双子兄が自分を殺すために封印を解いたのだと確信した……。
話を聞いた一同は、厳しい顔で口を噤む。
誰も何も話そうとしない光景を見て、ネオンは心が痛む。
――みんなに申し訳ないな……。
自分が原因で、こんなに怖く辛い思いをさせてしまったのだ。
ネオンは責任を感じ、謝らずにはいられなかった。
「謝って済む問題ではありませんが……僕の父上と兄上たちが申し訳ありませんでした!」
謝罪の意を述べたが、誰も何も話さない。
やはり、罪が重すぎるか……。
厳しい現実に表情を硬くしていると、両肩に柔らかい手が添われた。
ブリジットだとわかる。
「ネオン様が頭を下げる必要はまったくありません。謝るべきは、王国でのらりくらりと暮らすあの三人です。ネオン様を殺そうとするなんて許せませんね。……やはり、あの場で殺しておくべきでしたか」
顔を上げると、ブリジットが怒りに身を焦がし、美しい赤髪が迸る魔力のオーラで揺れていた。
さらに、怒りに身を震わせているのは、彼女だけではなかった。
領地の全員が強く憤っている。
特に、三大国家元首は溢れる怒りを抑えきれない様子で、ブリジットと同じかそれ以上の魔力の波動が迸った。
「アルバティス王国には制裁を与えたつもりだが、まだ足りなかったようだな。どうしたものか……」
「まさか、こんなに愚かな王と王子がこの世にいるなんてね。愚か者は死んでも治らないとはこのことか」
「それなりに長く生きてきたが、これほど腹が立ったのは初めてじゃよ……。願わくは、この場で八つ裂きにしてやりたいのぉ」
国家元首だけでなく、その娘たちもまた強く怒る。
「世界の宝たるネオン君の命を奪おうとするなんて……許せない。怒りで頭が沸騰しそうよ」
「わたしも同感だわ~。ネオンちゃんに危害を加える人間は~死んでいいの~
「私……アルバティス王と王子たち……殺す……」
スパイ三人もジャンヌもオモチも領民も地底エルフも、みな同じ感情を抱く。
この場にいる全ての者の怒りの矛先は、遠い王国の宮殿で豪遊生活にしがみつくアルバティス王と双子兄に向いていた。
ネオンの代わりに三大超大国がかなり強く怒ってくれるという話にまとまり、各国家元首は王国宛ての文書を合同で作製する。
デビルピアの亡骸の処理なども決まったところで、ブリジットが空気を変えるように提案する。
「……さて、みなさん。私からご提案があります。デビルピアを倒した偉大なるネオン様を、讃える宴を開きませんか? 歴史に刻まれる伝説の始まりを、みなで祝いましょう」
「えっ! そんなことしなくても僕は……」
できれば止めてほしいネオンに対して、領地の全員は大賛成の意を示す。
ブリジットの胸は喜びとやる気に満ち、勢いよく右手を突き上げた。
「それでは、さっそく準備を始めましょうー!」
「「おおおー!」」
満場一致。
というわけで、ネオンを讃える宴の準備が始まった。
どこから来たのか、それが主な調べる対象だ。
特に、帝王グリゴリー、大総統ガライアン、皇帝バルトラスの三人がしきりに意見を交わす。
「早急に、デビルピアが再度招来した理由を明らかにせねばならん。ネオン少年がいない場所に襲来したら、世界が崩壊するぞ」
「今回はネオン少年がいてくれたから撃退できたが、いつもそうとは限らない。ネオン少年がいないときに襲撃を受けたら、我が連邦も焦土になりかねないでしょう」
「勇者様の封印が解除されたのは間違いないじゃろうて。問題は、どこに封印されていたかじゃな」
彼らが思案を巡らす中、ネオンは"あの可能性"を伝えることにした。
「三大国家元首のみなさま、横から失礼いたします。お伝えしたいことがあるのですが……」
「そんなに怯えないでくれたまえ。朕はネオン少年の味方なのだから」
「君の意見ならいつでも大歓迎だよ」
「ぜひ教えてほしいの」
ネオンが緊張して切り出すと、三大国家元首は優しく受け入れてくれた。
今一度気持ちを落ち着かせ、その場にいる全員が聞こえるように話す。
「デビルピアはおそらく……僕の母国、アルバティス王国から襲来したと思われます」
言い終わった瞬間、一同は息を呑んだ。
そのまま、ネオンはより詳しい話を伝える。
デビルピアの"血の主を殺す"という発言から、父親と双子兄が自分を殺すために封印を解いたのだと確信した……。
話を聞いた一同は、厳しい顔で口を噤む。
誰も何も話そうとしない光景を見て、ネオンは心が痛む。
――みんなに申し訳ないな……。
自分が原因で、こんなに怖く辛い思いをさせてしまったのだ。
ネオンは責任を感じ、謝らずにはいられなかった。
「謝って済む問題ではありませんが……僕の父上と兄上たちが申し訳ありませんでした!」
謝罪の意を述べたが、誰も何も話さない。
やはり、罪が重すぎるか……。
厳しい現実に表情を硬くしていると、両肩に柔らかい手が添われた。
ブリジットだとわかる。
「ネオン様が頭を下げる必要はまったくありません。謝るべきは、王国でのらりくらりと暮らすあの三人です。ネオン様を殺そうとするなんて許せませんね。……やはり、あの場で殺しておくべきでしたか」
顔を上げると、ブリジットが怒りに身を焦がし、美しい赤髪が迸る魔力のオーラで揺れていた。
さらに、怒りに身を震わせているのは、彼女だけではなかった。
領地の全員が強く憤っている。
特に、三大国家元首は溢れる怒りを抑えきれない様子で、ブリジットと同じかそれ以上の魔力の波動が迸った。
「アルバティス王国には制裁を与えたつもりだが、まだ足りなかったようだな。どうしたものか……」
「まさか、こんなに愚かな王と王子がこの世にいるなんてね。愚か者は死んでも治らないとはこのことか」
「それなりに長く生きてきたが、これほど腹が立ったのは初めてじゃよ……。願わくは、この場で八つ裂きにしてやりたいのぉ」
国家元首だけでなく、その娘たちもまた強く怒る。
「世界の宝たるネオン君の命を奪おうとするなんて……許せない。怒りで頭が沸騰しそうよ」
「わたしも同感だわ~。ネオンちゃんに危害を加える人間は~死んでいいの~
「私……アルバティス王と王子たち……殺す……」
スパイ三人もジャンヌもオモチも領民も地底エルフも、みな同じ感情を抱く。
この場にいる全ての者の怒りの矛先は、遠い王国の宮殿で豪遊生活にしがみつくアルバティス王と双子兄に向いていた。
ネオンの代わりに三大超大国がかなり強く怒ってくれるという話にまとまり、各国家元首は王国宛ての文書を合同で作製する。
デビルピアの亡骸の処理なども決まったところで、ブリジットが空気を変えるように提案する。
「……さて、みなさん。私からご提案があります。デビルピアを倒した偉大なるネオン様を、讃える宴を開きませんか? 歴史に刻まれる伝説の始まりを、みなで祝いましょう」
「えっ! そんなことしなくても僕は……」
できれば止めてほしいネオンに対して、領地の全員は大賛成の意を示す。
ブリジットの胸は喜びとやる気に満ち、勢いよく右手を突き上げた。
「それでは、さっそく準備を始めましょうー!」
「「おおおー!」」
満場一致。
というわけで、ネオンを讃える宴の準備が始まった。
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