61 / 93
連載
第百二十四話 記憶の渦【其の四】
しおりを挟む
白銀のガゼボの中央にあるテーブルの上から夥しいほどの黒い霧が溢れてくるとどんどんそこから周辺を覆っていった。
よく見ると精霊達に黒い霧が纏わり付き、光りの粒子となって消滅していくのが見える。
「あっ……何が起こっているの……?」
呆然と立ち尽くすベアトリーチェ。
「こっ、これは!! 何と言うことだ! 精霊達の気配が消えていく?!」
驚きに瞳を見開き固まるアーニャ。
「とっ、兎に角、お城に戻りましょう。ベティ様、こちらへ」
我に返ったアーニャは、ベアトリーチェの肩を抱き二人で城に向かった。
そうする間にも黒い霧は景色を消す勢いで次第に辺りに広がり、空の上で滞っていた。徐々にガラスにススがこびり付いたかのように結界に沿ってその範囲を広げて行く。
黒い雲が空全体を覆うかのように辺りが暗くなり、遠くの方で人々の驚きの声が微かに聞こえた。異変に気付いた民達が次々に外に飛び出したのか街内が騒然となったのだろう。
暫くするとギーンという不快な音と共にクラレシアの国土を守っていた結界が崩れてパラパラと空中に黒い霧を纏いながら霧散していった。
「まっ、まさか! 結界が崩壊したというのか?!」
城に辿り着くと、エントランスに立ち止まりアーニャは呟いた。
「アーニャ……」
不安そうにアーニャの腕に捕まりながらベアトリーチェが呟いた。戸惑うベアトリーチェは今何が起こっているのか理解できていないように見えた。
城内でも彼方此方から騎士達や侍従達が騒ぎ出し何事かと空を見上げている。
私は為す術もなく呆然とその様子を見ている事しかできない。あくまでもこれはベアトリーチェの過去の記憶なのだから……
「アレは何だ!」
「おい! あそこを見てみろ!」
城の塔からの騎士達の叫び声が、ビリビリとした緊張感を増長させた。開け放たれている城門の外を見ると砂埃を背に纏い、多くの兵士達がこの城に向かって駆けてくるのが見えた。
身につけている防具や掲げている国旗を目にしてクラレシアの兵士ではないことは明らかだった。
「ベティ様、早くメディアーナ様の元へ!」
騎士達の叫び声に反応したアーニャはベアトリーチェの背中を押し込み城内に避難した。
「閉門せよ! 急げ!」
「城を守るのだ」
「この城には絶対に突破させてはならない!」
騎士達が口々に声を張り上げているのを後ろで聞きながら、私はベアトリーチェとアーニャの後を追いかけた。
「何事です! 何が起こっているのですか? アーニャ、状況を説明しなさい!」
慌てた様子でエントランスを通り過ぎようとしているアーニャとベアトリーチェの正面に現れたのは、ベアトリーチェにそっくりな美しい女性だった。
彼女がベアトリーチェの母親でこの国の女王メディアーナである事はすぐにわかった。
「メディアーナ様、危険です。お待ち下さい!」
後ろからメディアーナを追いかけるように声をかけたのは短髪でがっしりとした体格の男性騎士。
「エゴン、結界が破壊されたようです。一刻も早く対応を急がねばなりません。それで、アーニャ、状況は?」
メディアーナは追いかけて来た騎士に告げるとアーニャに問うた。
「それが…………結界が破壊されたのはある魔導具が原因である可能性が高いと思われます」
「魔導具……? それは何です?」
「それは……」
メディアーナの問いかけに答えようとしたアーニャは言い淀んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい……私のせいよ……私のせいで……」
思いあまってぽろぽろ涙を零しながら告白するベアトリーチェ。
「ベティ? どういうこと?」
「お……母様……私が……たぶん……私があの魔導具を……発動させてしまったの。私のせいで……」
ベアトリーチェは嗚咽を漏らしながらその場に泣き崩れた。
その様子を見ていた私の心の中は鉛が侵食していくかのように重くなっていった。これ以上見ている事が辛くなり、目を背けたいのに背くことも出来ない。黙ってこの過去に起こった出来事をただ傍観者のように見ていることしか出来なかった。
それは、まるで過去に犯した罪を認めさせるかのように私の中に食い込んでくる。
ああ、ベアトリーチェ。無知であるが故に愚かなベアトリーチェ。人を疑うことを知らず温室の中でぬくぬくと育ったことがベアトリーチェに大きな罪を背負わせた。果たして、これはベアトリーチェが悪いのか、周りの環境が悪いのか。
この先に起こることを私は知っている。いいえ、思い出した。ベアトリーチェの記憶として。
「魔導具? 何のことを言っているの?」
「伯父様に頼まれたの。お父様の双子のお兄様よ。そっくりだったもの。間違いないわ」
「まさか! 何て言うことなの!!」
メディアーナの言葉にベアトリーチェの方が揺れた。
「ごめんなさい、ごめんなさい……私」
涙ながらにベアトリーチェは謝罪の言葉を繰り返した。
その時だった。
沢山の足跡と騎士達の怒声が交差し、喧騒の中エントランスの扉が開かれた。
カッカッと靴音を鳴らし無遠慮に真っ直ぐにメディアーナとベアトリーチェが立つ場所に向かって来るのは数時間程前に森でベアトリーチェと向き合っていたドメル帝国皇帝フェルカド・ベガ・ドメル。
メディアーナとベアトリーチェを守るようにアーニャとエゴンが前に出る。
「久しいな、義妹よ」
「お前に義妹と呼ばれる筋合いなどないわ!」
フェルカドの馴れ馴れしい言葉に顔を顰め、嫌悪感を隠すこともなくメディアーナは低い声を上げた。
「此れは此れは手厳しい。私の実の弟の嫁であるのだから義妹で変わりなかろうに」
「何を戯言を言っている? フォルナックスを殺めたお前はもはや敵でしかない。早急に此処から立ち去れ!」
笑みを湛えながら悪びれることもなく宣うフェルカドにメディアーナは怒りを露わにした。
その間にもエントランスに多数のドメル兵達が雪崩れ込んで来る。
クラレシアの騎士達も城の彼方此方から駆け付け、メディアーナとベアトリーチェを守るように前へ出た。
フェルカドは瞬時に右手を上げてドメル帝国の兵士たちに合図を送ると、彼らは黒い霧を纏った剣を掲げた。
突然の攻撃にも魔力が高いクラレシアの騎士達は結界を施し難なく躱した。
いや、躱したかに見えた。
ドメル兵の剣に纏っていた黒霧は、結界にこびりつき即座に結界ごと霧散して行った。
「「「なっ、何だと!!」」」
驚きに叫び声を上げるクラレシアの騎士達。
刹那、ドメル兵達が振り回す剣によってクラレシアの騎士達が崩れる様に倒れて行った。
結局、その場に立っていられたのは、メディアーナ、ベアトリーチェ、アーニャ、エゴンの4人のみだった。
よく見ると精霊達に黒い霧が纏わり付き、光りの粒子となって消滅していくのが見える。
「あっ……何が起こっているの……?」
呆然と立ち尽くすベアトリーチェ。
「こっ、これは!! 何と言うことだ! 精霊達の気配が消えていく?!」
驚きに瞳を見開き固まるアーニャ。
「とっ、兎に角、お城に戻りましょう。ベティ様、こちらへ」
我に返ったアーニャは、ベアトリーチェの肩を抱き二人で城に向かった。
そうする間にも黒い霧は景色を消す勢いで次第に辺りに広がり、空の上で滞っていた。徐々にガラスにススがこびり付いたかのように結界に沿ってその範囲を広げて行く。
黒い雲が空全体を覆うかのように辺りが暗くなり、遠くの方で人々の驚きの声が微かに聞こえた。異変に気付いた民達が次々に外に飛び出したのか街内が騒然となったのだろう。
暫くするとギーンという不快な音と共にクラレシアの国土を守っていた結界が崩れてパラパラと空中に黒い霧を纏いながら霧散していった。
「まっ、まさか! 結界が崩壊したというのか?!」
城に辿り着くと、エントランスに立ち止まりアーニャは呟いた。
「アーニャ……」
不安そうにアーニャの腕に捕まりながらベアトリーチェが呟いた。戸惑うベアトリーチェは今何が起こっているのか理解できていないように見えた。
城内でも彼方此方から騎士達や侍従達が騒ぎ出し何事かと空を見上げている。
私は為す術もなく呆然とその様子を見ている事しかできない。あくまでもこれはベアトリーチェの過去の記憶なのだから……
「アレは何だ!」
「おい! あそこを見てみろ!」
城の塔からの騎士達の叫び声が、ビリビリとした緊張感を増長させた。開け放たれている城門の外を見ると砂埃を背に纏い、多くの兵士達がこの城に向かって駆けてくるのが見えた。
身につけている防具や掲げている国旗を目にしてクラレシアの兵士ではないことは明らかだった。
「ベティ様、早くメディアーナ様の元へ!」
騎士達の叫び声に反応したアーニャはベアトリーチェの背中を押し込み城内に避難した。
「閉門せよ! 急げ!」
「城を守るのだ」
「この城には絶対に突破させてはならない!」
騎士達が口々に声を張り上げているのを後ろで聞きながら、私はベアトリーチェとアーニャの後を追いかけた。
「何事です! 何が起こっているのですか? アーニャ、状況を説明しなさい!」
慌てた様子でエントランスを通り過ぎようとしているアーニャとベアトリーチェの正面に現れたのは、ベアトリーチェにそっくりな美しい女性だった。
彼女がベアトリーチェの母親でこの国の女王メディアーナである事はすぐにわかった。
「メディアーナ様、危険です。お待ち下さい!」
後ろからメディアーナを追いかけるように声をかけたのは短髪でがっしりとした体格の男性騎士。
「エゴン、結界が破壊されたようです。一刻も早く対応を急がねばなりません。それで、アーニャ、状況は?」
メディアーナは追いかけて来た騎士に告げるとアーニャに問うた。
「それが…………結界が破壊されたのはある魔導具が原因である可能性が高いと思われます」
「魔導具……? それは何です?」
「それは……」
メディアーナの問いかけに答えようとしたアーニャは言い淀んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい……私のせいよ……私のせいで……」
思いあまってぽろぽろ涙を零しながら告白するベアトリーチェ。
「ベティ? どういうこと?」
「お……母様……私が……たぶん……私があの魔導具を……発動させてしまったの。私のせいで……」
ベアトリーチェは嗚咽を漏らしながらその場に泣き崩れた。
その様子を見ていた私の心の中は鉛が侵食していくかのように重くなっていった。これ以上見ている事が辛くなり、目を背けたいのに背くことも出来ない。黙ってこの過去に起こった出来事をただ傍観者のように見ていることしか出来なかった。
それは、まるで過去に犯した罪を認めさせるかのように私の中に食い込んでくる。
ああ、ベアトリーチェ。無知であるが故に愚かなベアトリーチェ。人を疑うことを知らず温室の中でぬくぬくと育ったことがベアトリーチェに大きな罪を背負わせた。果たして、これはベアトリーチェが悪いのか、周りの環境が悪いのか。
この先に起こることを私は知っている。いいえ、思い出した。ベアトリーチェの記憶として。
「魔導具? 何のことを言っているの?」
「伯父様に頼まれたの。お父様の双子のお兄様よ。そっくりだったもの。間違いないわ」
「まさか! 何て言うことなの!!」
メディアーナの言葉にベアトリーチェの方が揺れた。
「ごめんなさい、ごめんなさい……私」
涙ながらにベアトリーチェは謝罪の言葉を繰り返した。
その時だった。
沢山の足跡と騎士達の怒声が交差し、喧騒の中エントランスの扉が開かれた。
カッカッと靴音を鳴らし無遠慮に真っ直ぐにメディアーナとベアトリーチェが立つ場所に向かって来るのは数時間程前に森でベアトリーチェと向き合っていたドメル帝国皇帝フェルカド・ベガ・ドメル。
メディアーナとベアトリーチェを守るようにアーニャとエゴンが前に出る。
「久しいな、義妹よ」
「お前に義妹と呼ばれる筋合いなどないわ!」
フェルカドの馴れ馴れしい言葉に顔を顰め、嫌悪感を隠すこともなくメディアーナは低い声を上げた。
「此れは此れは手厳しい。私の実の弟の嫁であるのだから義妹で変わりなかろうに」
「何を戯言を言っている? フォルナックスを殺めたお前はもはや敵でしかない。早急に此処から立ち去れ!」
笑みを湛えながら悪びれることもなく宣うフェルカドにメディアーナは怒りを露わにした。
その間にもエントランスに多数のドメル兵達が雪崩れ込んで来る。
クラレシアの騎士達も城の彼方此方から駆け付け、メディアーナとベアトリーチェを守るように前へ出た。
フェルカドは瞬時に右手を上げてドメル帝国の兵士たちに合図を送ると、彼らは黒い霧を纏った剣を掲げた。
突然の攻撃にも魔力が高いクラレシアの騎士達は結界を施し難なく躱した。
いや、躱したかに見えた。
ドメル兵の剣に纏っていた黒霧は、結界にこびりつき即座に結界ごと霧散して行った。
「「「なっ、何だと!!」」」
驚きに叫び声を上げるクラレシアの騎士達。
刹那、ドメル兵達が振り回す剣によってクラレシアの騎士達が崩れる様に倒れて行った。
結局、その場に立っていられたのは、メディアーナ、ベアトリーチェ、アーニャ、エゴンの4人のみだった。
509
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。