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連載
第百三十三話 幸せのパンケーキ
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グレンの体が光ると巨大化し、その背に鳥の様な白い羽を携えた本来の姿が顕現した。神々しいまでにキラキラと光を纏った姿はグレンが神獣であることを物語っている。
アーニャ、エゴン、ワシリーの三人はそのあまりの崇高な姿に息を呑み、気がつくと自然と跪いていた。
私はグレンの背中に乗り、彼らの様子を目にすると直ぐに出発する旨を伝え、ガイストの森へ向かう。
ハッとして顔を上げた三人はそれぞれの馬に跨り、私を背に乗せたグレンの後に続いた。
クランリー農場の敷地内で草を食む牛たちの長閑な風景を駆け抜け、門を抜けるとお馴染みの草原が広がっている。
アーニャ達が後ろにちゃんと着いてくるのを確認するとスピードを上げ、森の中にある懐かしい我が家を目指した。
森の中に足を踏み入れると風に揺れる枝葉の間から時折陽の光が差し、キラキラと輝いて見えた。
あら? 前からこんなにキラキラしていたかしら?
私は深緑の木の葉に囲まれた周辺に目を凝らした。
良く見るとあちらこちらに丸い光が飛び交っていた。
え? もしかしてあれは!!
「グレン、光がたくさん見えるわ。私の認識が間違っていなければ精霊……だと思うんだけど」
『いかにも。元々はこの森には精霊が多くいたが、精霊樹の力が届かなくなり次第に眠りについていたのだ。目覚めた精霊が精霊姫の魔力に引き寄せられたのだな。今まではベアトリーチェの記憶と共に精霊姫の魔力は眠っていたからな』
「そうなの? でも最初にここに来たとき私の家の裏にある泉にも精霊がいたわよね」
『精霊姫の気配を感じて一瞬だけ眠りから目覚めたのだろう。その泉の底と精霊樹の傍の泉が繋がっておるからこの森には精霊が多いのだ』
グレンの言葉に私は、陽の光を受け虹色に反射する羽から光の粒子を撒き散らす精霊達を目で追いながらその美しさに涙が出そうになった。
すると精霊が次第に私の周りに集まってきた。光の中に透明な羽を持つ可愛らしい人の形をした精霊達が私を囲む。掌に乗るほど小さくて嬉しそうに私を見ている。
まるでファンタジー!!
前世の私の記憶が心の中で感動の声をあげた。
「これは……すごいですね」
「まるでクラレシアのようだ」
「確かこの森はガイストの森と言ったな……なるほど」
そうだ、クラレシアの民達は精霊を感じる事ができる。彼らにも精霊達が見えるのだろう。
赤い屋根の家の前に辿り着くと、それ程離れていたわけではないのにホッとしてしまった。前世でも旅行から帰ってきて感じたことがある。「やっぱり我が家が一番落ち着く」と。それと同じような気持ちだろう。
家の周辺にも精霊達が集っているのが見える。
「アーニャ、ワシリー、エゴン、ここが私が今住んでいる家よ。下が店舗で上が住居になっているの」
グレンの背中を降り、三人が私の横で立ち止まるのを確認すると彼らに言って家の中に案内する。
無言で私とグレンの後に続く三人は見落としがないようにしっかりと周りを確認している様だ。
「カリン様、ここでお店を開店する予定なんですね」
「そうよ。色々と進めてはいるんだけど、クラレシアの民達のことも考える必要があるしオープンはもう少し先になりそうね」
「カリン様、我々も手伝います。何でも言って下さい」
私の顔が残念そうに見えたのか、ワシリーは力強い瞳を向ける。
「ありがとう、でもその前に私が作った料理をご馳走するわ。好きな席に座って待っていてくれるかしら?」
「「「カリン様の料理…………」」」
私の言葉に三人は感動したように瞳をうるうるさせて震えている。
そんなに大げさなものは出せないんだけどな。
ついつい苦笑いしてしまう私。
クラレシアの三人の足下で期待の瞳を向ける白い猫が目に入った。
期待に瞳を輝かせている。
以前と同じ反応にさっきまでの崇高さを感じることは出来ない。
はいはい、グレンの分ももちろんちゃんと準備するわよ。
私はクスリと笑いながら愛らしい白猫に目で合図した。
三人がゆっくりと席に着くのを確認すると久しぶりに厨房内に足を踏み入れた。
さて、何を作ろうか?
時間停止付食品庫には以前作った料理が残っているけど、折角だから彼らの前で料理をしている所を見せるのも良いのかも知れない。
ベアトリーチェだった頃は一度も料理をしたことがなかったからね。何てったって王女だったし。
いや、今更だけどこうしてカリンの目線から王女だったことを思い出すと凄くない? 前世では王女様と言えば夢の中の様に遠い存在だったもの。
メニューを考える筈が他の事に思考が反れてしまった。そのせいですっかりカウンター越しにいる者の存在を忘れてしまっていた。
何だか強い視線を感じて、調理台の上に材料を並べていく手を止めた。アーニャ、ワシリー、エゴンが興味深そうにこちらをジッと見ていた。
「ベア……カリン様。何をお作りになるんですか? よろしかったら私もお手伝いしましょうか?」
「え?」
アーニャの言葉に私はベアトリーチェの記憶を引き出す。私の侍女兼護衛だったアーニャが料理をするイメージが沸かない。
というか、多分アーニャは包丁を持ったこともないのではないだろうか?
そう思うとアーニャと料理が結びつかなかった。
「えっとぉ……大丈夫よ。前世の私はプロの料理人だったんだから」
私は笑顔で告げたが、アーニャは眉尻を下げて残念そうな顔をした。
「アーニャには後で色々頼みたいこともあるから、料理は私にまかせて欲しいの」
何とか宥めるとアーニャは「分かりました」と言って店内にあるテーブル席に着いた。
あまり時間のかからない物を作ろう。
そう結論づけてパンケーキを作ることにした。しかもフワフワの。
小麦粉、卵、牛乳、砂糖を混ぜてしっかりと泡立てたメレンゲを切るように馴染ませる。
温めて置いたフライパンに油を引き、生地を流し込み中まで火が通るまで焼く。
出来上がったパンケーキに生クリームと小さく切った果実をトッピング。
果実は神の庭で収穫した物を使う。以前は、あまりにも強すぎる効能にビビって使うのを躊躇していたが、今回はふんだんに使うことにした。
きっと食べれば疲労回復に効果があるだろう。アーニャ、ワシリー、エゴンには大分苦労をかけてしまったから労いの気持ちを込めて作った。
「はい、パンケーキっていう料理なの」
私が彩りよく盛りつけたパンケーキを三人の前に配ると、彼らは目を見開き凝視した。フォークで小さく切り、一口口に入れると金縛りにあったように固まっている。この世界の人はみんな同じような反応をするらしい。
「ああ、カリン様。このふわふわ感、瑞々しく甘酸っぱい果実、そしてフワフワでクリーミーな白いソース。この料理を食べた瞬間、幸せ感が広がります」
アーニャが自分の頬を両手で挟み、うっとりした表情で感想を述べた。
「なんだ、この初めて食べる食感、それに瑞々しい果実。まさに絶品!」
ワシリーが感嘆の声をあげる。
「カリン様、美味しすぎます。カリン様が料理の天才だったとは!」
どこかで聞いた事があるセリフを吐くエゴン。
みんなパンケーキが気に入ったようだ。幸せそうに食べる彼らを見ているだけで嬉しくなる。
カウンターテーブルではグレンが当たり前の様にパンケーキを頬張っているのはいつもの事だ。
アーニャがその様子を微笑ましげに見ているのを見てアーニャが動物好きだったことを思い出した。
私がおかわりを尋ねると三人は遠慮がちにお皿を差し出した。私の料理が受け入れて貰えて嬉しい。
「それで、カリン様はこのお店でこのパンケーキと言う料理を提供するのですか?」
二皿目から考え込みながら食べ続けていたアーニャが私に尋ねた。
「ええ、そのつもりよ。他にもメニューを色々考えているの。またご馳走するわ」
私はアーニャの問いを肯定した。
「カリン様の料理がこんなに美味しいとは! 私にも何か手伝えることはありませんか? 何でも構いません!」
「本当に絶品です! こんな美味い料理を初めて食べました。私にもお店をオープンする準備を是非手伝わせて下さい」
パンケーキを食べ終わって感動したエゴンとワシリーは身を乗り出すようにして言った。
「ありがとう。是非お願いしたいわ。実はベアトリーチェの記憶が戻ったときから考えていたことがあるの。もちろん貴方たちの協力も必要だけど、クラレシアの民達にも協力してもらうことになると思うわ」
私は三人にそう言って微笑んだ。
パンケーキを食べた三人は、「疲労が回復して力が漲った気がする」と零していた。神の庭の果実を食べたせいかもしれないが、私はその言葉を受け流したのだった。
アーニャ、エゴン、ワシリーの三人はそのあまりの崇高な姿に息を呑み、気がつくと自然と跪いていた。
私はグレンの背中に乗り、彼らの様子を目にすると直ぐに出発する旨を伝え、ガイストの森へ向かう。
ハッとして顔を上げた三人はそれぞれの馬に跨り、私を背に乗せたグレンの後に続いた。
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アーニャ達が後ろにちゃんと着いてくるのを確認するとスピードを上げ、森の中にある懐かしい我が家を目指した。
森の中に足を踏み入れると風に揺れる枝葉の間から時折陽の光が差し、キラキラと輝いて見えた。
あら? 前からこんなにキラキラしていたかしら?
私は深緑の木の葉に囲まれた周辺に目を凝らした。
良く見るとあちらこちらに丸い光が飛び交っていた。
え? もしかしてあれは!!
「グレン、光がたくさん見えるわ。私の認識が間違っていなければ精霊……だと思うんだけど」
『いかにも。元々はこの森には精霊が多くいたが、精霊樹の力が届かなくなり次第に眠りについていたのだ。目覚めた精霊が精霊姫の魔力に引き寄せられたのだな。今まではベアトリーチェの記憶と共に精霊姫の魔力は眠っていたからな』
「そうなの? でも最初にここに来たとき私の家の裏にある泉にも精霊がいたわよね」
『精霊姫の気配を感じて一瞬だけ眠りから目覚めたのだろう。その泉の底と精霊樹の傍の泉が繋がっておるからこの森には精霊が多いのだ』
グレンの言葉に私は、陽の光を受け虹色に反射する羽から光の粒子を撒き散らす精霊達を目で追いながらその美しさに涙が出そうになった。
すると精霊が次第に私の周りに集まってきた。光の中に透明な羽を持つ可愛らしい人の形をした精霊達が私を囲む。掌に乗るほど小さくて嬉しそうに私を見ている。
まるでファンタジー!!
前世の私の記憶が心の中で感動の声をあげた。
「これは……すごいですね」
「まるでクラレシアのようだ」
「確かこの森はガイストの森と言ったな……なるほど」
そうだ、クラレシアの民達は精霊を感じる事ができる。彼らにも精霊達が見えるのだろう。
赤い屋根の家の前に辿り着くと、それ程離れていたわけではないのにホッとしてしまった。前世でも旅行から帰ってきて感じたことがある。「やっぱり我が家が一番落ち着く」と。それと同じような気持ちだろう。
家の周辺にも精霊達が集っているのが見える。
「アーニャ、ワシリー、エゴン、ここが私が今住んでいる家よ。下が店舗で上が住居になっているの」
グレンの背中を降り、三人が私の横で立ち止まるのを確認すると彼らに言って家の中に案内する。
無言で私とグレンの後に続く三人は見落としがないようにしっかりと周りを確認している様だ。
「カリン様、ここでお店を開店する予定なんですね」
「そうよ。色々と進めてはいるんだけど、クラレシアの民達のことも考える必要があるしオープンはもう少し先になりそうね」
「カリン様、我々も手伝います。何でも言って下さい」
私の顔が残念そうに見えたのか、ワシリーは力強い瞳を向ける。
「ありがとう、でもその前に私が作った料理をご馳走するわ。好きな席に座って待っていてくれるかしら?」
「「「カリン様の料理…………」」」
私の言葉に三人は感動したように瞳をうるうるさせて震えている。
そんなに大げさなものは出せないんだけどな。
ついつい苦笑いしてしまう私。
クラレシアの三人の足下で期待の瞳を向ける白い猫が目に入った。
期待に瞳を輝かせている。
以前と同じ反応にさっきまでの崇高さを感じることは出来ない。
はいはい、グレンの分ももちろんちゃんと準備するわよ。
私はクスリと笑いながら愛らしい白猫に目で合図した。
三人がゆっくりと席に着くのを確認すると久しぶりに厨房内に足を踏み入れた。
さて、何を作ろうか?
時間停止付食品庫には以前作った料理が残っているけど、折角だから彼らの前で料理をしている所を見せるのも良いのかも知れない。
ベアトリーチェだった頃は一度も料理をしたことがなかったからね。何てったって王女だったし。
いや、今更だけどこうしてカリンの目線から王女だったことを思い出すと凄くない? 前世では王女様と言えば夢の中の様に遠い存在だったもの。
メニューを考える筈が他の事に思考が反れてしまった。そのせいですっかりカウンター越しにいる者の存在を忘れてしまっていた。
何だか強い視線を感じて、調理台の上に材料を並べていく手を止めた。アーニャ、ワシリー、エゴンが興味深そうにこちらをジッと見ていた。
「ベア……カリン様。何をお作りになるんですか? よろしかったら私もお手伝いしましょうか?」
「え?」
アーニャの言葉に私はベアトリーチェの記憶を引き出す。私の侍女兼護衛だったアーニャが料理をするイメージが沸かない。
というか、多分アーニャは包丁を持ったこともないのではないだろうか?
そう思うとアーニャと料理が結びつかなかった。
「えっとぉ……大丈夫よ。前世の私はプロの料理人だったんだから」
私は笑顔で告げたが、アーニャは眉尻を下げて残念そうな顔をした。
「アーニャには後で色々頼みたいこともあるから、料理は私にまかせて欲しいの」
何とか宥めるとアーニャは「分かりました」と言って店内にあるテーブル席に着いた。
あまり時間のかからない物を作ろう。
そう結論づけてパンケーキを作ることにした。しかもフワフワの。
小麦粉、卵、牛乳、砂糖を混ぜてしっかりと泡立てたメレンゲを切るように馴染ませる。
温めて置いたフライパンに油を引き、生地を流し込み中まで火が通るまで焼く。
出来上がったパンケーキに生クリームと小さく切った果実をトッピング。
果実は神の庭で収穫した物を使う。以前は、あまりにも強すぎる効能にビビって使うのを躊躇していたが、今回はふんだんに使うことにした。
きっと食べれば疲労回復に効果があるだろう。アーニャ、ワシリー、エゴンには大分苦労をかけてしまったから労いの気持ちを込めて作った。
「はい、パンケーキっていう料理なの」
私が彩りよく盛りつけたパンケーキを三人の前に配ると、彼らは目を見開き凝視した。フォークで小さく切り、一口口に入れると金縛りにあったように固まっている。この世界の人はみんな同じような反応をするらしい。
「ああ、カリン様。このふわふわ感、瑞々しく甘酸っぱい果実、そしてフワフワでクリーミーな白いソース。この料理を食べた瞬間、幸せ感が広がります」
アーニャが自分の頬を両手で挟み、うっとりした表情で感想を述べた。
「なんだ、この初めて食べる食感、それに瑞々しい果実。まさに絶品!」
ワシリーが感嘆の声をあげる。
「カリン様、美味しすぎます。カリン様が料理の天才だったとは!」
どこかで聞いた事があるセリフを吐くエゴン。
みんなパンケーキが気に入ったようだ。幸せそうに食べる彼らを見ているだけで嬉しくなる。
カウンターテーブルではグレンが当たり前の様にパンケーキを頬張っているのはいつもの事だ。
アーニャがその様子を微笑ましげに見ているのを見てアーニャが動物好きだったことを思い出した。
私がおかわりを尋ねると三人は遠慮がちにお皿を差し出した。私の料理が受け入れて貰えて嬉しい。
「それで、カリン様はこのお店でこのパンケーキと言う料理を提供するのですか?」
二皿目から考え込みながら食べ続けていたアーニャが私に尋ねた。
「ええ、そのつもりよ。他にもメニューを色々考えているの。またご馳走するわ」
私はアーニャの問いを肯定した。
「カリン様の料理がこんなに美味しいとは! 私にも何か手伝えることはありませんか? 何でも構いません!」
「本当に絶品です! こんな美味い料理を初めて食べました。私にもお店をオープンする準備を是非手伝わせて下さい」
パンケーキを食べ終わって感動したエゴンとワシリーは身を乗り出すようにして言った。
「ありがとう。是非お願いしたいわ。実はベアトリーチェの記憶が戻ったときから考えていたことがあるの。もちろん貴方たちの協力も必要だけど、クラレシアの民達にも協力してもらうことになると思うわ」
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