8 / 18
08-リナリアの回想④
しおりを挟む
次第に病院内でも私と斗真が付き合っていることが知れ渡って来た。人気者の斗真と付き合っている事もあって、やっかむ人もいるかも知れないと思っていたが意外に周りは温かく見守ってくれていた。
私より2年先輩の一人は
「貴方みたいな普通の人でもあんなハイスペックの人と付き合えるなんて勇気がでるわ」
なんて言ってくれた。もしかしたら、ちょっと嫌みも入っていたのかも知れないけど私は素直に応援の言葉だと受け取ることにした。
斗真と付き合い始めてから半年以上経った頃、斗真から思いもよらぬ物を渡された。
「莉奈、これを持っていて欲しい」
そう、斗真から渡されたのは黒いカードキーだった。
恋人同士のアイテムの定番「合い鍵」というヤツだ。
「斗真……」
私は戸惑いながらもそれを受け取った。
「ほら、俺達宿直とかあってすれ違いがちだろ? 本当は一緒に暮らしたいんだけどそれまではいつでも俺のマンションに来て良いから」
「一緒に……? でも……」
最初は斗真の言葉に戸惑ったけど内心は嬉しかった。
同棲にはまだ踏み切れないけど、斗真のマンションに通って慣れた頃には一緒に暮らしたい。そしていつか結婚して夫婦になりたい。
次第にそんな思いが重なっていった。
勤務中は女性の看護師が多く業務を円滑にするためには邪険に出来ないことも理解できたからそれ程気にならなくなって来た。それに、私に向ける眼差しと他の女性に向ける眼差しに違いがあることに気付いてホッとした。
私達の間には次第に信頼関係が生まれ、ずっと私の隣には斗真がいてくれるものと思っていた。
あの時までは…………
それは、私が早番で斗真が遅番の日だった。
今日は斗真の誕生日。ケーキは買ってきたし、サプライズで美味しいものを作ってあげよう。そうね、莉奈様特製のビーフシチューが良いわね。以前作ってあげたときに絶賛していたし、と考えながら買い物を終え斗真のマンションの鍵を開ようとしたら鍵が開いていた。
あら? 斗真ってば鍵をかけ忘れたのかしら?
不思議に思い、玄関の扉を開けると赤いパンプスが綺麗に揃えてあった。
ん? もしかして斗真のお母様とか? でもお母様だとしたら随分若いセンスね。いや、それよりも私斗真のお母様に会ったことないし、私みたいな女が自分の息子のマンションに出入りしていたらどう思われるかしら?
どうしよう。ふしだらな、とか思われたら。でも、斗真だってもうじき30だしいい年した男が女性経験ゼロだなんて流石に思わないわよね。
「斗真ぁ~?」
私が頭の中で色々思考を巡らせていると部屋の奥から甘さを含んだ高い声が聞こえた。
その瞬間胸がざわめいた。
若い女性の声……
いつの間にか私が見つめる先にはエプロン姿の若い女性が立っていた。
私と違って華やかな化粧、緩やかなウェーブのかかった柔らかそうな髪をハーフアップにしていかにも育ちが良さそうだった。
「あら? 貴女が斗真の遊び相手の女性? 私は斗真の婚約者よ。ごめんなさぁい、今日は斗真の誕生日で特別な日なの。ご遠慮してもらえるかしら?」
この女は何を言っているのかしら?
婚約者?
そんなの聞いていない。
特別な日? 斗真の誕生日?
そんなの知っている。だって、だからケーキを買ってプレゼントも用意して、斗真の好きなビーフシチューを作るために来たんだから?
私の手からケーキの箱も買い物袋も離れて足下に落ちた。
気がついたらその場所から逃げ出していた。
どうして? どうして?
私の瞳からは次々と涙が零れた。
やっぱり私は単なる遊び相手で、斗真には婚約者がいて……だったら初めからそう言ってくれれば良かったのに。
自分には婚約者がいるから君とは結婚できないって。
叶わぬ夢を見てしまったじゃない。いつか斗真と結婚して夫婦になって、二人の子供を産んで家族を作るんだろうなって。
それが全て私の独りよがりだったなんて……涙を流しながら街を歩いていると驚いて道行く人が振り返っている。でもそんなことはどうでもいい。
心の中に広がる哀しみは人の目さえも気に止められないほど私の思考能力を奪っていた。
どうやって帰ったか思い出せないほど、虚ろな意識は涙だけを促し朝目覚めた時には目を明けることが出来なかった。
今日は休みで良かった。そう思ったけど休み明けの勤務がとてつもなく憂鬱になった。こんな時、恋人と同じ職場であることは大きなデメリットだと気がついた。
それから私は斗真を出来るだけ避けるようにしていた。斗真の方は私と話したそうにしていたけど私は、メールでもう別れる旨を伝え、電話は着信拒否の設定をした。
きっと斗真から婚約者のことを聞くのが怖かったのかも知れない。私は避けることで何とか自分の気持ちを守ろうとしたのだ。転職したくても直ぐに仕事を辞めるわけにはいかない。
だったら、たくさん残っている有休を使って心を落ち着かせるために旅に出ようと思った。
予定は一週間。同僚に引継ぎをして帰路につくため病院を後にした。
思ったより引継ぎに時間がかかってしまった。もう9時を回っていた。急いで駅に向かった。駅までもう少しと言うところで不意に私は誰かに腕を掴まれた。
振り返ると斗真が何時にもなく真剣な顔で私を見据えていた。
「斗真……なぜ……」
「莉奈……誤解だ! 誤解なんだよ!」
「話して! 言い訳は聞きたくない! どうぞ婚約者とお幸せに!」
「婚約者? 何のことだ?」
「貴方のマンションにいた女よ!」
「違う! あれはっ……」
「危ない! 避けろッ!」
その時、近くで叫び声が聞こえた。
その声に反応したが、何のことか分からなくて気がついたら目の前にヘッドライトの光りが迫ってきていた。斗真が咄嗟に私を庇うように抱きしめたが、その瞬間強い衝撃を受け私の意識は闇の中に吸い込まれたのだった。
私より2年先輩の一人は
「貴方みたいな普通の人でもあんなハイスペックの人と付き合えるなんて勇気がでるわ」
なんて言ってくれた。もしかしたら、ちょっと嫌みも入っていたのかも知れないけど私は素直に応援の言葉だと受け取ることにした。
斗真と付き合い始めてから半年以上経った頃、斗真から思いもよらぬ物を渡された。
「莉奈、これを持っていて欲しい」
そう、斗真から渡されたのは黒いカードキーだった。
恋人同士のアイテムの定番「合い鍵」というヤツだ。
「斗真……」
私は戸惑いながらもそれを受け取った。
「ほら、俺達宿直とかあってすれ違いがちだろ? 本当は一緒に暮らしたいんだけどそれまではいつでも俺のマンションに来て良いから」
「一緒に……? でも……」
最初は斗真の言葉に戸惑ったけど内心は嬉しかった。
同棲にはまだ踏み切れないけど、斗真のマンションに通って慣れた頃には一緒に暮らしたい。そしていつか結婚して夫婦になりたい。
次第にそんな思いが重なっていった。
勤務中は女性の看護師が多く業務を円滑にするためには邪険に出来ないことも理解できたからそれ程気にならなくなって来た。それに、私に向ける眼差しと他の女性に向ける眼差しに違いがあることに気付いてホッとした。
私達の間には次第に信頼関係が生まれ、ずっと私の隣には斗真がいてくれるものと思っていた。
あの時までは…………
それは、私が早番で斗真が遅番の日だった。
今日は斗真の誕生日。ケーキは買ってきたし、サプライズで美味しいものを作ってあげよう。そうね、莉奈様特製のビーフシチューが良いわね。以前作ってあげたときに絶賛していたし、と考えながら買い物を終え斗真のマンションの鍵を開ようとしたら鍵が開いていた。
あら? 斗真ってば鍵をかけ忘れたのかしら?
不思議に思い、玄関の扉を開けると赤いパンプスが綺麗に揃えてあった。
ん? もしかして斗真のお母様とか? でもお母様だとしたら随分若いセンスね。いや、それよりも私斗真のお母様に会ったことないし、私みたいな女が自分の息子のマンションに出入りしていたらどう思われるかしら?
どうしよう。ふしだらな、とか思われたら。でも、斗真だってもうじき30だしいい年した男が女性経験ゼロだなんて流石に思わないわよね。
「斗真ぁ~?」
私が頭の中で色々思考を巡らせていると部屋の奥から甘さを含んだ高い声が聞こえた。
その瞬間胸がざわめいた。
若い女性の声……
いつの間にか私が見つめる先にはエプロン姿の若い女性が立っていた。
私と違って華やかな化粧、緩やかなウェーブのかかった柔らかそうな髪をハーフアップにしていかにも育ちが良さそうだった。
「あら? 貴女が斗真の遊び相手の女性? 私は斗真の婚約者よ。ごめんなさぁい、今日は斗真の誕生日で特別な日なの。ご遠慮してもらえるかしら?」
この女は何を言っているのかしら?
婚約者?
そんなの聞いていない。
特別な日? 斗真の誕生日?
そんなの知っている。だって、だからケーキを買ってプレゼントも用意して、斗真の好きなビーフシチューを作るために来たんだから?
私の手からケーキの箱も買い物袋も離れて足下に落ちた。
気がついたらその場所から逃げ出していた。
どうして? どうして?
私の瞳からは次々と涙が零れた。
やっぱり私は単なる遊び相手で、斗真には婚約者がいて……だったら初めからそう言ってくれれば良かったのに。
自分には婚約者がいるから君とは結婚できないって。
叶わぬ夢を見てしまったじゃない。いつか斗真と結婚して夫婦になって、二人の子供を産んで家族を作るんだろうなって。
それが全て私の独りよがりだったなんて……涙を流しながら街を歩いていると驚いて道行く人が振り返っている。でもそんなことはどうでもいい。
心の中に広がる哀しみは人の目さえも気に止められないほど私の思考能力を奪っていた。
どうやって帰ったか思い出せないほど、虚ろな意識は涙だけを促し朝目覚めた時には目を明けることが出来なかった。
今日は休みで良かった。そう思ったけど休み明けの勤務がとてつもなく憂鬱になった。こんな時、恋人と同じ職場であることは大きなデメリットだと気がついた。
それから私は斗真を出来るだけ避けるようにしていた。斗真の方は私と話したそうにしていたけど私は、メールでもう別れる旨を伝え、電話は着信拒否の設定をした。
きっと斗真から婚約者のことを聞くのが怖かったのかも知れない。私は避けることで何とか自分の気持ちを守ろうとしたのだ。転職したくても直ぐに仕事を辞めるわけにはいかない。
だったら、たくさん残っている有休を使って心を落ち着かせるために旅に出ようと思った。
予定は一週間。同僚に引継ぎをして帰路につくため病院を後にした。
思ったより引継ぎに時間がかかってしまった。もう9時を回っていた。急いで駅に向かった。駅までもう少しと言うところで不意に私は誰かに腕を掴まれた。
振り返ると斗真が何時にもなく真剣な顔で私を見据えていた。
「斗真……なぜ……」
「莉奈……誤解だ! 誤解なんだよ!」
「話して! 言い訳は聞きたくない! どうぞ婚約者とお幸せに!」
「婚約者? 何のことだ?」
「貴方のマンションにいた女よ!」
「違う! あれはっ……」
「危ない! 避けろッ!」
その時、近くで叫び声が聞こえた。
その声に反応したが、何のことか分からなくて気がついたら目の前にヘッドライトの光りが迫ってきていた。斗真が咄嗟に私を庇うように抱きしめたが、その瞬間強い衝撃を受け私の意識は闇の中に吸い込まれたのだった。
431
あなたにおすすめの小説
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる