俺のせいで不登校になったクラスの美少女が記憶喪失になって再登校してきた件

タナ

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11話 別人

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「──、先生はまだこの方たちと話があるから、先に教室に帰っててくれ」

 中田先生がそう告げた。俺もそそくさと会議室を後にしよう。

 と、思ったのだが。

 会議室を出た途端、俺の体は反射的にフリーズしてしまった。

 
 平本がいた。


 保健室から出てきたあいつはまるで人形のようだった。肌はぬけるように白く、何を考えているのかわからない妖しい表情は、見る者すべてを虜にしてしまいそうな魅力を持っていた。モデルのような体型に整った顔、胸や尻はまだまだ成長途中だがこれでも結構すご……って俺は何を考えているんだ!?見惚れてる場合じゃねえだろ!!

「あ、あの、すみません」

 あっ。

「えっと……2年1組って何処にあるかわかりませんか?」

 や、やべえ。コミュ症がでてしまう……

「??どうか、しましたか??」

 か、かかか顔があああああ!!!近い!近いって!!

「た、多分、2階の端っこじゃないかなあ?ほ、ほら、音楽室の隣の」

 なんで多分だよ!俺のクラスだろうが!てかなんで疑問系なんだよ!

「あの、端っこって……」
「あ、ああ、東棟のあれね」
「東棟ですか!ありがとうございます!」

 平本が超高速でお辞儀してくる。いい匂いがふわってした。いい匂いがふわってした。大事なことなので2回言いました。

「あ!あと、あなた私と同じクラスですよね?名前はなんて言うんですか?」

 平本が聞いてくる。

「え、え?お、俺は────だけど、」
「──さんですね!覚えておきます!どうもありがとうございます!!」

 また平本が超高速でお辞儀してきた。ラベンダーの香りがした。要するに、いい匂いがふわってした。大事なことなので3回言いました。


 平本がたたたっと駆けていくと、俺は脱力したタコみたいにヘナヘナと崩れ落ちてしまった。

「はあ……」

 大きなため息をつく。そしてつぶやくように嘆いた。

「何だよあれ……口調も性格もまるで別人じゃねえか……」


 -------------------------

 
「先生、あの少年は一体何者なんですか?」

 平本の父親が口を開く。

「そうですね……天才、とか神童という言葉が世界一似合う少年、とでも言ったほうがいいんでしょうか」

 中田先生は困ったように頬をポリポリと掻いた。

「あいつは一度地獄を見てますからねえ。並の精神力じゃあありません。それに、あいつ自身も自分が天才であることを理解していますからね。つくづく恐ろしい子ですよ、彼は」
「と、いうと?」

 平本の父親が理解できないといった様子で中田先生に聞く。

「私もよくはわかりません。私は彼じゃありませんからね。ただ……」

 中田先生は少しためて答えた。

「彼は、本当に平本さんを覚えているんでしょうか?」
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