昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ

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四章

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 大学内の夜は異様な雰囲気がある。昼間と違って明るさが少なく、喧噪もない。世界と隔絶しているわけではないけど、普通の人たちが活動している時間帯との違いを自然と比べてしまうのだ。ちょっとトイレに行くだけで短い廊下が暗闇に包まれていたり、研究室や実験室を通るたびに「不在」「CLOSE」というプレートがかかっていたり、普段の五月蠅さが微塵もなくて寂しさが漂っている。

 最初は夜の大学に違和感があったけど、今は独特なこの時間が、実は嫌いじゃない。日常の一部になっている箇所が存分にあるだけじゃなくて、肝試しやキャンプ、他の人たちとは違う場所と時間を過ごしているっていう認識が強いんだろう。先輩によれば「来年からその楽しさは味わえる暇なくなるよ~」とのことだが。戦々恐々としている。

「あ、いたいた~」

 小田先輩がなにやら大荷物を抱えて入ってきた。折りたたみ式のフライパンとへら、まな板。そして食材。ガスコンロをマイペースに並べていく。さながらちょっとしたキャンプだ。

「食べ物買いにいったんじゃないんですか?」

 なにかと忙しいから、大学に泊りこみになるときは簡単な食べ物しか調達しない。調理できる環境ではあるけど、手間暇がもったいないという流れが備わっている。特に最近はアパートにも着替えを置いたり取りに行ったりしかできておらず寝るのも大学っていう生活をしているのでより顕著だ。

「そうだけど、皆に手伝ってもらってるから少しは元気つけてもらいたいなぁ~って」

 えへへ、と笑う先輩はもう女神か菩薩。おもわず手を合わせて拝みたくなる。まぁこの状況は先輩の手伝いも半分以上兼ねているけど、その恩恵は多分にあるし、この笑顔だけで救われる。

「なにか手伝えることあります?」
「あ、いいよいいよ。勉強してて」
「そうですか。じゃあ健呼んできます」
「あ、今はやめたほうがいいかな」
「? なんでですか?」
「実は私と買い出しから帰ってきたとき他の研究室の人が来るのと遭遇しちゃってね?」

 嫌な予感がする。健に対して早くも同情しかけている。

「百分の一スケールの古民家模型の手伝いするために拉致され・・・・・・・・・連行されていったの」

 百分の一。古民家。それだけで健に心の中で敬礼。古民家っていうのは普通の建物と違って複雑だから模型でも作るのがめんどうくさい。というか先輩言い方ごまかそうとしているけど強引に連れていかれたってことですよね。つまり俺もそこに行ったら手伝わされる。ここは大人しく待ってたほうがいい。

「あいつ無駄に手先が器用ですからね~」
「そうそう。家具とか階段とか細かいのも得意だしね」
 
 会話しながらも、先輩はとんとんとんと食材を切り分けていく。

「夏休みが終わったらちょっとは楽になります? 研究室」
「どうかな~。研究の大まかな道筋を固められて、そこから直線で進んでいくってかんじだから実験は増えるんじゃないかな~。設計の人は大学にこもる機会が増えるらしいし」

 鍋で茹でた鶏肉を冷水でしめて、きれいに裂いていく。ボールに移したら、どうやらタレ作りらしい。嗅いだだけでスパイシーなものだし食欲を刺激される。

「でね? 瞬くんたちの当番表とシフト表を作ろうって話になってるの」
「と、え? なんですって?」
「昔学校でよくあったでしょ? 掃除当番とか給食当番とか。ほら、円形になっててクルクルクル回せるやつ」
「あ~、ありましたね」
「それの、研究室版を作ろうって。シフト表と合わせて作ってみようって。そうすれば他の人たちにもわかりやすいでしょ? 名付けて研究室当番表っ」

 たしかに便利だ。今まではバイトとか実験、課題等々の予定があって中々人手を確保できなかったり、手伝ってkれるであろう後輩をあてにしていたのに別の研究室に、ということが何度もあった。そうなれば先輩たちはもっとスムーズにできるだろう。

 けど、それは先輩たちの都合。

「それってもちろん俺たちの意見反映してもらえますよね?」
「瞬くんお味噌汁は赤派? それとも白だし派?」

 おもっっっくそスルーされた。聞こえなかったのかな。

「せめて他の皆も話を――」
「瞬くんお米研いできてセットしてきてくれる?」

 あ、わざとだ。聞こえてる。満面の笑みで釜IN米を渡されてなすすべない。

「いただきまーす」

 先輩に倣って手を合わせて食事をする。メニューは棒々鶏でピリッとした辛さがほどよく、白飯と相性が抜群。どんどん箸が進む。野菜と肉を同時に摂取できるし、漬け物と味噌汁も。最近は軽食系しか口にしていなかったから久々に人らしいものを食べたってしみじみとする。

「どう? お味は」
「バッチグーです。これならいつでもお嫁さんになれます」
「あははは~。それは言いすぎだよ~」

 もちろん、嘘ではない。先輩のご飯はおいしい。今日だけでなく以前から先輩の料理を口にする機会はあった。けど、れみの料理をこの頃食べ慣れている俺としては、れみのとどうしても比べてしまう。どっちも比べるべくもなくおいしい。それは事実なんだ。けど、だからだろうか。れみの食事が懐かしい、食べたいと願ってしまう。

 俺が忙しくなったのと同時に、れみが来なくなった。〈しばらく兄さんのところへは来れません〉と連絡が来たけど、なにかあったんだろうか。このチャンスに会わなくなる方向で進めたいのに、ままならない。こっちから連絡したくて携帯を取り出してしまって、を何度かしてしまってる。


「じゃあ彼女さんと比べたらどう?」

 心を読まれたようなタイミングと質問で、ぎくりとする。

「美味しいですよ。どっちも。忖度なく」
「ええ~? それ彼女さんにも同じ事言える~?」
「それは言いますよ」
「ううん、無理だよ~きっと」
「どうしてですか」
「だって瞬くんすでに尻に敷かれてるでしょ? 前会ったきりだけど、なんとなくそんな気がしたし。れみちゃんにタジタジになってたり喧嘩になったりしてもおもってること言えないんじゃないかな~って。それに長井くんからもそんな話聞いてるんだよ?」

 す、鋭い。当たらずとも遠からず。

「あ、あと聞こうとしてたことがあったんだっ」

 ぱん、と手を小さく音を叩いておもいだしたって仕草。子供っぽさと先輩の姉らしさを両立していて吹き出しそうになる。

「瞬くんあの子のどこが好きなの~?」
「いきなりなんですか!?」
「ええ~? だって気になるじゃない~。仲のいい後輩くんの恋愛事情とか~」

 出た。女子さながらの恋愛トーク。男子もそうだけど、女子はこういう話題が大好物。人の恋バナできゃあきゃあ盛り上がっているのを何度も体験している。そういうのは独特すぎて、ノリについていけない。

「いいじゃない私と君の仲じゃない~。教えてよ~。瞬くんって今まで恋人できたことなかったじゃない~? だから余計気になるの~。お姉ちゃんがアドバイスしてあげるよ~?」

 女心的なアドバイス? それとも恋人的目線なアドバイス? どっちにしても参考にならない。

「大丈夫ですよ。それより冷めちゃうから食べましょ」
「ぶうぅ~。それに瞬くんとれみちゃんの関係、ちょっとおかしいな~ってかんじたから余計お姉ちゃん余計気になるんだよ~」
「え、おかしいってどこがですか?」

 運びかけた箸からぽろっときゅうりがこぼれ落ちる。そのまま止まっている俺に先輩が指でお行儀が悪い! とまさに姉という表情で示して慌てて動きを再開。

「ん~。なんだか二人のやりとりとか距離感とか、恋人ってかんじがしなかったの」
「・・・・・・・・・例えばどんなとこですか?」
「接し方とか話し方とか。恋人同士みたいなお互いラブラブラブ! ってところが一切なくて。人前だから我慢してるのかな~っておもってたけど。私が弟と妹がいるからかな? 兄と妹って形がしっくりきて。既視感があったからあれ? って」

 鋭い。背筋をつたう冷や汗から体勢を正してしまう。先輩に気づかれないようにしたいけど、緊張状態が続く。

「・・・・・・・・・へぇ~。普段からあんなかんじですよ俺たち。付き合いたてだから恋人の距離感が掴めなかったんじゃないですか」
「それに、れみちゃんのこと話すとき、あんまり嬉しそうじゃないし」
「人に自分の恋人のこと話すの得意じゃないんで」
「けど、長井くんから聞いた話でも、そうかんじたよ? 長井くんは不思議がってないけど」

 あのやろう・・・・・・・・・。あいつの分の飯食らい尽くしてやろうか。

「本当になにもないの? 悩みとかれみちゃんのこととか」

 俺と正面から向き合う先輩からは興味津々という興奮が消えている。俺の態度から深刻な悩みがあるとか、勘ぐっているのか。ぶちまけてしまいそうになる。先輩の姉さながらの空気。年上のしっかり者。包容力があって、甘えたくなる。今まで何度も妄想したけど、これほど我慢できないくなったのは初めてだ。


 れみとの本当の関係。会わないほうがいい。けど会い続けたいという相反する感情のジレンマ。それから解放されるのではないか。けど、先輩に相談して良いのか。

「わかった。じゃあこうしよう。ゲームで決めるっ」
「え?」

 胸をはってえっへん、とばかりのどや顔の先輩にどういうことだ? と俺は怪訝がる。

「だからゲームだよゲーム。他の研究室の子が持ってきてるの知ってるでしょ?」

 他の研究室にゲーム機材とプロジェクターがあるから、暇なときとか余裕のある研究室はそうやって遊んでいる。というか先輩たちが留守のときは後輩たち皆で遊んだりDVD見たりしてる。それとどう繋がるんだろうか。

「私が勝ったら、瞬くんは全部話す。それでどう? 面白そうじゃない?」
 
 先輩に負けたら、打ち明ける。俺が勝ったら話さない。話さざるをえない状況を提わざわざ案してくれたのだろうか。そうでもしないと話さないなにかがあるとおもっているのか。

「なにがいい? キノコと甲羅とバナナのカート? ブラザースがスマッシュで大乱闘するやつ? 戦国時代の武将が無双するやつ?」

 あ、違う。この人遊びたいだけだ。俺がなにか隠してるってことで提案したんじゃない。だってソフトのラインナップが先輩の苦手なものばかりだし。うきうきしてるし、単純に遊びたいだけ。なんだよ、と脱力する。

「遊ぶ余裕あります?」
「いいじゃない~。だって瞬くんも私もストレス溜まってるでしょ~? たまには発散しないと~。でも一時間だけね~」
「せめて先輩の罰ゲーム決めてからやりましょ」
「ええ~」
「じゃあ先輩の残機が減るごとに服を三枚脱いでいくっていうのは?」
「私だけちょっとおかしくない!? 瞬くん長井くんみたいだよ!? セクハラだから、めっ!」
「ちぇ、じゃあ残機が減っていくごとに爪を剥ぐ。全部爪が無くなったら皮膚を削いでいく」
「最後私死んじゃうじゃない!」
「大丈夫です。右側の部分は残します。左側だけです」
「全然大丈夫じゃないよ~! 人体模型みたいになっちゃうよぅ~!」
「もしそうなったら然るべき機関に依頼するんで大丈夫です」
「それ多分医療機関だよね? 本気なの?」
「先輩を加工してもらいます。そしてこの大学の保健室か生物学の教授に標本として渡します」
「お姉ちゃんいやだよそんな猟奇的対象になるの!」
「そうすれば先輩はこの大学に残り続けて学生を見守り続けることができます。大丈夫」
「いやだよそんな生き地獄~! 地縛霊と同じじゃない~! じゃあ瞬くんの罰ゲームも変えるよ!? 先輩皆の顔にクリームをおもいきりぶつけるって内容に変えるよ!?」
「やめてください殺す気ですか!」
「それか熱々のおでんを食べるかカラシ入りのシュークリームを食べ続けるってのに変えるよ!?」
「コントか!」
「しかもそれ動画に撮ってSNSに拡散するよ!」
「炎上しますよ!

 それかられみのことそっちのけで、罰ゲームの内容について議論。コントローラーを握るときには『れみに電話とメールで愛しているとあと、大学の女子全員に告白しまくってれみのことを全部話す(動画撮影)』か『研究室にいるときは黒のストッキングかニーハイを身につけて健にビンタをして語尾にわんわんと付けて一週間過ごす』に決まった。

 おかしい、れみのことはどうした、とツッコむ精神状態にならないのは最近忙しかったのと深夜のテンションにならなかったからだろう。それに、なににも悩まされないで気分転換がしたかったのもあるだろう。

「負けられない戦いが・・・・・・・・・!」
「そこにある・・・・・・・・・!」
 
 とにもかくにも、火蓋が切って落とされた。
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