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第一章 ハリボテの英雄
1話 魂の灯火
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さて、どうしたものか。
というのも、現在僕の体は別人になっているのだ。
全くもって意味がわからないと思うが、それは僕自身も同様だ。
ある日目覚めると、見知らぬ天井、見知らぬベッド、おまけに窓ガラスを見ると驚くべきことに金髪でキレ目の美形になっていたのだ。
僕はこの上なく動揺した。夢か現かはたまたドッキリか、いや自分で言ってはなんだけどドッキリの線は薄いだろう。
恐らく夢だ、そう自分を言い聞かしなっとせざるを得なかった。しかしここまで現実感のある夢というのも真新しい感覚だ。これが明晰夢というやつだろうか?
カツッ カツッ カツッ
遠くから微かに足音が聞こえる。恐らくこの部屋に備え付けられている豪勢なドアの先には広く音がよく響く廊下があるのかもしれない。
コンコンコンコン
ノックの音が四回。以前高校のマナー講習で礼儀が必要な場合や初対面の相手にはノックを四回すると聞いた。はたしてこの夢世界のなかでもそれは通じるのだろうか。
「レイラム様!!私ですマリー・サンドレッドです!入りますよ!」
マリーと名乗る恐らく若い女性と思われる声の持ち主は焦った声で入室の意を示した。
威勢よく入ってきた彼女の目には涙があふれていた。
「まさか…本当に息を吹き返したなんて…」
恐らく感動の再開、もしこれがドラマやアニメならさぞお誂え向きで壮大な音楽で盛り上げてくれるのだろうが今僕にはそんな余裕も、涙腺を緩める思い出話も、視聴者をどっと驚かす名言も持ち合わせてはいない。
持ち合わせているのは、数多の困惑と、一握りの好奇心だけである。
よし、こいつを使ってできる限り情報を聞き出そう。夢とは言え油断は禁物である。今までの人生でそうしてきたように。
「マリー君、久しぶりだね!!最近起こったことの記憶がぽっかり抜けていてね!!良ければ最近起こったことを教えてくれないか?」
気さくながら紳士的ないわゆる無難な態度で質問をする。
「あの…そんなに話して大丈夫でしょうか?どこか痛んだりするところは無いですか?」
この世界の僕はとても尊敬されているようだな。非常に妬ましい。
「ああ、大丈夫さ、僕の体はすこぶる元気だよ」
「それなら、良かったです。意識が戻ったと聞いて飛んで来た甲斐がありました。」
彼女の一言に一少しばかり疑問を抱いた。彼女の発言からすると意識が戻ったことを確認した人が一人いて、必ず僕と接触しているはずなのだ。
まあそんなことは深くは考えてはいけない。なぜなら夢なのだから。
「ガルガトアンで行われた戦争に出たところまではおぼえてますか?」
これまた覚えにく固有名詞に物騒な戦争なんて単語が出てきたぞ。この世界の僕は一体どのような人物なんだ。
「ああ、なんとなく覚えているよ、でも記憶に間違いがあっては困るから説明をしてほしいな。」
少しの沈黙が流れた後彼女は話し始めた。
結論から言うと固有名詞のオンパレードで困惑しているのを悟られないようにするだけでも大変だった。
要約すると、僕の名前はレイラム・シュトラールという名で代理魔術戦争というものがあり僕はそこのキーマンであったらしい。そして予期せぬ敵の乱入で時間を稼ぐべく命を落としたという。
なんともキザな名前で死に方までキザな男なんだと思ってしまった。ちなみに僕の名前は阿須井 玲という。
流れ良く自己紹介を済ませたところで。自分自身のことについて振り返ってみる。
一体僕は何をしていたんだろう。記憶の隅をつついてみる。
僕は高校2年生の夏、僕は部活にはげんでいた。ある日、電車に乗っていると整備不良か、はたまたいたずらなのか脱線事故により命を落としたのだった。
え??????????????????????????????????????????????????
頭では理解できていた、ただ理解したくなかった。
「命の灯を消すな。」
なんだよ!!頭に聞きなれた聞きなれない声が聞こえる。そう、今の僕の体の声だ。
ああ、頭が割れる。
僕はベッドを飛び出して、勢いよくドアを開け、今にもぶっ倒れそうな足取りではあるが確かに力強い足で走る。
長い廊下を抜け角を2回曲がる。特にあてなどないただただ現実から目を背けたいだけだった。
「レイラム様!!待ってください!!」
「俺のことはほっといてくれ!!!」
怒号を飛ばす。
再び長い廊下を抜け角を左に二回曲がる。今はただ現実から逃げ出したいのだ。
息が切れるまで走り続けふとそばを見上げるそこには、いわゆるテラスのような場所があり、外を見る。
途端にここが夢でないこと、そして元居た世界ではないということを悟る。
そこはあまりにも現実離れした風景であり、鮮明に映り込んでくるその景色は現実であることを確信させた。
いわゆる中世ヨーロッパのような雰囲気でありながら、文化レベルは非常に高そうであった。
よく見てみると、大きなトカゲ、つまりドラゴンのような生き物が馬車を引いている。この場合竜車と表現したらよいだろうか。
つまるところ、ファンタジーの世界である。
生前流行りに疎かった僕でも理解は非常にたやすかった。
僕は今、異世界転生をした。
というのも、現在僕の体は別人になっているのだ。
全くもって意味がわからないと思うが、それは僕自身も同様だ。
ある日目覚めると、見知らぬ天井、見知らぬベッド、おまけに窓ガラスを見ると驚くべきことに金髪でキレ目の美形になっていたのだ。
僕はこの上なく動揺した。夢か現かはたまたドッキリか、いや自分で言ってはなんだけどドッキリの線は薄いだろう。
恐らく夢だ、そう自分を言い聞かしなっとせざるを得なかった。しかしここまで現実感のある夢というのも真新しい感覚だ。これが明晰夢というやつだろうか?
カツッ カツッ カツッ
遠くから微かに足音が聞こえる。恐らくこの部屋に備え付けられている豪勢なドアの先には広く音がよく響く廊下があるのかもしれない。
コンコンコンコン
ノックの音が四回。以前高校のマナー講習で礼儀が必要な場合や初対面の相手にはノックを四回すると聞いた。はたしてこの夢世界のなかでもそれは通じるのだろうか。
「レイラム様!!私ですマリー・サンドレッドです!入りますよ!」
マリーと名乗る恐らく若い女性と思われる声の持ち主は焦った声で入室の意を示した。
威勢よく入ってきた彼女の目には涙があふれていた。
「まさか…本当に息を吹き返したなんて…」
恐らく感動の再開、もしこれがドラマやアニメならさぞお誂え向きで壮大な音楽で盛り上げてくれるのだろうが今僕にはそんな余裕も、涙腺を緩める思い出話も、視聴者をどっと驚かす名言も持ち合わせてはいない。
持ち合わせているのは、数多の困惑と、一握りの好奇心だけである。
よし、こいつを使ってできる限り情報を聞き出そう。夢とは言え油断は禁物である。今までの人生でそうしてきたように。
「マリー君、久しぶりだね!!最近起こったことの記憶がぽっかり抜けていてね!!良ければ最近起こったことを教えてくれないか?」
気さくながら紳士的ないわゆる無難な態度で質問をする。
「あの…そんなに話して大丈夫でしょうか?どこか痛んだりするところは無いですか?」
この世界の僕はとても尊敬されているようだな。非常に妬ましい。
「ああ、大丈夫さ、僕の体はすこぶる元気だよ」
「それなら、良かったです。意識が戻ったと聞いて飛んで来た甲斐がありました。」
彼女の一言に一少しばかり疑問を抱いた。彼女の発言からすると意識が戻ったことを確認した人が一人いて、必ず僕と接触しているはずなのだ。
まあそんなことは深くは考えてはいけない。なぜなら夢なのだから。
「ガルガトアンで行われた戦争に出たところまではおぼえてますか?」
これまた覚えにく固有名詞に物騒な戦争なんて単語が出てきたぞ。この世界の僕は一体どのような人物なんだ。
「ああ、なんとなく覚えているよ、でも記憶に間違いがあっては困るから説明をしてほしいな。」
少しの沈黙が流れた後彼女は話し始めた。
結論から言うと固有名詞のオンパレードで困惑しているのを悟られないようにするだけでも大変だった。
要約すると、僕の名前はレイラム・シュトラールという名で代理魔術戦争というものがあり僕はそこのキーマンであったらしい。そして予期せぬ敵の乱入で時間を稼ぐべく命を落としたという。
なんともキザな名前で死に方までキザな男なんだと思ってしまった。ちなみに僕の名前は阿須井 玲という。
流れ良く自己紹介を済ませたところで。自分自身のことについて振り返ってみる。
一体僕は何をしていたんだろう。記憶の隅をつついてみる。
僕は高校2年生の夏、僕は部活にはげんでいた。ある日、電車に乗っていると整備不良か、はたまたいたずらなのか脱線事故により命を落としたのだった。
え??????????????????????????????????????????????????
頭では理解できていた、ただ理解したくなかった。
「命の灯を消すな。」
なんだよ!!頭に聞きなれた聞きなれない声が聞こえる。そう、今の僕の体の声だ。
ああ、頭が割れる。
僕はベッドを飛び出して、勢いよくドアを開け、今にもぶっ倒れそうな足取りではあるが確かに力強い足で走る。
長い廊下を抜け角を2回曲がる。特にあてなどないただただ現実から目を背けたいだけだった。
「レイラム様!!待ってください!!」
「俺のことはほっといてくれ!!!」
怒号を飛ばす。
再び長い廊下を抜け角を左に二回曲がる。今はただ現実から逃げ出したいのだ。
息が切れるまで走り続けふとそばを見上げるそこには、いわゆるテラスのような場所があり、外を見る。
途端にここが夢でないこと、そして元居た世界ではないということを悟る。
そこはあまりにも現実離れした風景であり、鮮明に映り込んでくるその景色は現実であることを確信させた。
いわゆる中世ヨーロッパのような雰囲気でありながら、文化レベルは非常に高そうであった。
よく見てみると、大きなトカゲ、つまりドラゴンのような生き物が馬車を引いている。この場合竜車と表現したらよいだろうか。
つまるところ、ファンタジーの世界である。
生前流行りに疎かった僕でも理解は非常にたやすかった。
僕は今、異世界転生をした。
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