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もしもクレス島にハロウィンがあったら プロローグ
しおりを挟む今日は10月31日、ハロウィンの日だ。
島の子供達は皆、思い思いの仮装をし、家や店を回る。
「トリック・オア・トリート」
それがハロウィンの合言葉。悪戯されてはたまらないと、大人達は笑顔で子供達にお菓子を配る。それはクレス島の、秋の風物詩であった。
それは今年のハロウィンの、ちょうど一週間前の話。
「うちの猫達も?」
アニエスは驚いて、店を訪れたアース牧場の主、アイザック・アースにそう問い返す。
「ああ。アニエスの所の使い魔猫達も、ハロウィンのイベントに参加するといい。あいつらだって、俺らにしてみれば可愛い島の子供達だからな」
アイザックは、島のハロウィンイベントの主催者だ。
そのアイザックが、今年のハロウィンには使い魔猫達も参加して良いと言う。
お菓子の好きな猫達は、きっと喜ぶだろうとアニエスは破顔した。
「ありがとう! きっと皆喜ぶわ!! さっそく衣装を作らなくっちゃ!!」
「可愛い仮装を期待しているよ。それじゃあ、当日はお菓子の準備もよろしくな」
「ええ! 美味しいお菓子をたっぷり用意するわ。ありがとう、アースさん」
アニエスは笑顔でアイザックを見送る。
そしてにこにこと店番をしながら、一体どんな衣装を作ろうかしらとアイディアを練る。
仮装した猫達は、きっと可愛らしいだろうと思いながら。
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