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EP1_4章
4章_15 大公と将軍
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勝負は決したと誰もが思ったその時、
高い金属音が辺りに響く。
地面に転がると思われたその左腕は、
大公エオメルの剣を受け止めていたのだ。
「その左腕、義手の籠手か。」
大公エオメルの問いに、
ロキシェル将軍は鼻で笑って見せた。
「また、腕を落とそうと言うのなら、
今度は右腕にしてくれなければ。
これでも私が解らないとは、寂しいな!」
まるで、思い出せと言っているようなロキシェル将軍の言葉に、
大公エオメルは眉を潜めた。
そして、止まない剣撃の中で、
彼は一人の人間に思い当たった。
「もしや、その銀の髪、そしてその左腕。おまえは・・・!!」
ふいに、大公エオメルの口から多量の血が流れ出る。
せき込む大公エオメルに、ロキシェルは鋭く攻め続けた。
「病に伏しているというのは本当だったようだな!
無責任に忘れ去った過去と共に、今此処で死んでゆけ!」
大公に向けて振り下ろされたその一撃は、
大公の右胸の辺りを深々と切り裂いた。
流出る血の黒光りが、
星明かりの大地を黒に染める。
大公はよろめきながらもロキシェル将軍の剣撃に応えるが、
大量の失血で剣を振る力みるみる鈍っていく。
ロキシェル将軍が最後の一撃と踏み込んだその時、
突如現れた光の剣士によって阻まれる。
「もう、やめて!お願い、ペルセウス、お父様を守って!」
兵の制止を振り切って躍り出たメリッサの言葉に、
光の剣士、ペルセウスの胸にある星が輝きを増す。
ペルセウスは力強く剣を弾くと、
返す刀でロキシェル将軍に迫った。
高い金属音が辺りに響く。
地面に転がると思われたその左腕は、
大公エオメルの剣を受け止めていたのだ。
「その左腕、義手の籠手か。」
大公エオメルの問いに、
ロキシェル将軍は鼻で笑って見せた。
「また、腕を落とそうと言うのなら、
今度は右腕にしてくれなければ。
これでも私が解らないとは、寂しいな!」
まるで、思い出せと言っているようなロキシェル将軍の言葉に、
大公エオメルは眉を潜めた。
そして、止まない剣撃の中で、
彼は一人の人間に思い当たった。
「もしや、その銀の髪、そしてその左腕。おまえは・・・!!」
ふいに、大公エオメルの口から多量の血が流れ出る。
せき込む大公エオメルに、ロキシェルは鋭く攻め続けた。
「病に伏しているというのは本当だったようだな!
無責任に忘れ去った過去と共に、今此処で死んでゆけ!」
大公に向けて振り下ろされたその一撃は、
大公の右胸の辺りを深々と切り裂いた。
流出る血の黒光りが、
星明かりの大地を黒に染める。
大公はよろめきながらもロキシェル将軍の剣撃に応えるが、
大量の失血で剣を振る力みるみる鈍っていく。
ロキシェル将軍が最後の一撃と踏み込んだその時、
突如現れた光の剣士によって阻まれる。
「もう、やめて!お願い、ペルセウス、お父様を守って!」
兵の制止を振り切って躍り出たメリッサの言葉に、
光の剣士、ペルセウスの胸にある星が輝きを増す。
ペルセウスは力強く剣を弾くと、
返す刀でロキシェル将軍に迫った。
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