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4.お茶会
しおりを挟むジェスティンと会わないまま十日が過ぎた。
仕事が忙しいと手紙が来ていたようだが、私は読んでいない。
部屋に篭っていても、私が何も言わないので、家族も聞いてこない。
ただ伏せっているのも心配だったのか、母にお茶会にでも行きなさいと言われた。
母のビオレッタは知り合いが多く、その中でもマルガリーテ・レイブン伯爵夫人のお茶会は人気がある。
一度母と伺ったことがあるが、庭園も見事で、マルガリーテ夫人のお心遣いも素敵だった記憶がある。
「きっとクラリスの好きなお茶とスイーツだから、気分転換に行ってらっしゃい。」
そこまで言うならと、護衛のカーリーと出掛けた。
マルガリーテ夫人にご挨拶をし、友人のメリンダ・ヴェルニ伯爵令嬢と近況報告し合って、楽しい時間を過ごしていた。
特にマルガリーテ夫人おすすめのレモングラスのハーブティは、ひと口飲んで爽快感もあり癒されたし、焼き菓子は蜂蜜の風味がいい感じだった。
お茶会もそろそろ終わりに差し掛かった頃、一人の女性が遅れて来た。
お茶会に遅刻というのは、主催者に大変失礼にも関わらず、へらへらとマルガリーテ夫人に言い訳をしていた。
私が関わる人ではないなと思い、そのままメリンダと話していたが、急に先ほどの女性が近寄って自己紹介してきた。
「アリー・アクストンと申します。歳が近いと思うので、仲良くしていただけたら嬉しいです。」
ブラウンの髪にブルーの瞳。
この女性がジェスティンの元恋人か。
そうだ、伯爵夫人ならお茶会やパーティで遭遇する可能性があったのだと、今更ながら気付いて愕然とした。
私は、アリーから漂う香りに、急にジェスティンからもらったブルーローズの香水を思い出して、吐き気がしてきた。
「申し訳ありませんが、体調が優れないので失礼します。」
カーリーに付き添われて帰宅し、そのまま寝込んでしまった。
アリーが私をジェスティンの婚約者と知って話し掛けてきたかは分からないが、もう二度と会いたくない。
あのブルーのドレス、私より大柄なアリーに似合いそうだ。
ジェスティンに会えず、何も聞けないまま、私の体調は日に日に悪くなっていった。
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