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5.この手を取るか否か
しおりを挟むお茶会から三日後、体調が回復した。
自分でもジェスティンとの関係がこのままではいけないと思い、騎士団近くのカフェに行ってみることにした。
ジェスティンとアリーが一緒に居るかは分からないが、何もしないよりはマシかと思っただけだ。
カーリーと一緒に変装して、カフェでお茶を飲んでいたら、アリーが後ろの席に座った。
そして、その後すぐジェスティンが現れた。
私は二人の会話に聞き耳を立てた。
「この前、お茶会でジェスの婚約者に挨拶したら逃げられたわ。」
アリーは、笑いながら私の話を始めた。
「何をやってるんだ!彼女は関係ないだろ?余計なことをするなよ。」
「関係なくはないじゃない。ジェスと私の関係、知ってるみたいだったし。名乗ったら、真っ青な顔をして護衛に抱えられてたわよ?」
「君はもう結婚したじゃないか!何故、彼女に興味を持つんだ?」
「だって私はまだジェスを愛してるもの。ジェスも同じ気持ちでしょう?」
「いい加減にしてくれ。君はいつもそうだ。勝手に決め付けて、勝手に振る舞う。一時は君を愛していると思ったが、あんなものは愛じゃなかった。もう辟易してるんだ。二度と会いたくない!」
そこまで聞いて、私は立ち上がった。
本当はおっかなびっくりカフェに来ただけで、ここまでは考えていなかったが、真相が明らかになった今、遠慮なくジェスティンを奪い返そうと思った。
クルリと振り向き、帽子を取って、にっこり笑う。
「ジェスティン様、帰りましょう。」
ジェスティンが目を見開き、私を見た。
「クラリス、何で君が…?」
「私と行くの?行かないの?早く決めてください。」
ジェスティンに手を差し出す。
この手を取るなら、私はジェスティンを信じる。
取らないなら、もう諦める。
ジェスティンは迷わず私の手を取った。
「カーリー、この人を送り届けて!私はジェスティン様と帰るから。」
カーリーはニヤリと笑い、アリーの後ろに立った。
さすが私の護衛だ。
「皆まで言うな」みたいな顔をしている。
「ちょっと、待ちなさいよ!ジェス?何で?」
アリーは金切り声を上げて、ジェスティンに呼び掛けた。
完全無視で、私とジェスティンは足早にカフェを後にした。
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