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呪いの縁結び
信じたくない!
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──次の日、花菜はにこにこしながら登校した。
「花菜ちゃん朝から笑顔だね。なにかいいことあったの?」
「ううんなんにもないよー」
友美に聞かれても答えをはぐらかした。
昨日アキトと相合い傘で家まで送ってもらった……なんて言えない。
自分でも夢じゃないかと思うくらいなのだから。
(頼りしている、かぁ。ふふ頑張らないと)
幸せいっぱいで教室に入るといきなり何人かの女子が駆け寄ってきた。
「花菜ちゃん知ってた!?」
「いつの間にかそういうことになったの?」
「信じたくない~」
三人とも休み時間になるたびアキトに話しかけていた子たちだ。目元をぬぐったり天を仰いだり。それぞれショックを隠せない。
しかし花菜にとってはちんぷんかんぷん。
「ごめん、なにがなんだか分からないだけど……?」
「だから黒住くんと莉乃ちゃんが付き合ってるってこと!」
(アキトくんと莉乃ちゃんが?)
それこそ寝耳に水だ。
「見て! あそこで楽しそうにおしゃべりしてるでしょ! 朝も一緒に登校してきたんだから!」
五年一組のバルコニーで楽しそうに会話している男女がいる。
「うそ……」
莉乃とアキトだ。
話の内容までは聞こえないが、莉乃がなに言うとアキトが笑顔で応え、莉乃も口元を覆って笑っている。とても親しげな様子だ。
アキトがあそこまで明るく笑う姿は見たことがない。
(どうして……?)
目の前がまっくらになる。
昨日は苦手だといっていたのに。
(信じたくないよ)
胸が痛い。
じわっと涙が込み上げてきた。
『ハナ、振り返らずに聞け。アキトが大変なことになった』
ずしっと肩が重くなった。赤ニャンだ。
花菜は周りに気づかれないようコソコソと話しかける。
「赤ニャン? 一体なにがあったの?」
『アキトが呪われた』
「呪っ……!」
つい声が大きくなってしまい慌てて口を押さえた。
みんな莉乃とアキトに夢中でだれにも気づかれなかったようだ。
花菜は詳しい話を聞くため教室の隅まで走った。
「呪われたってどういうこと? 『おんみょうじ』なのに?」
『おんみょうじ』は悪いものを祓うのが仕事だ。
もし自分に悪いものが降りかかってきたら色んな道具で避けることができると言っていた。
たとえるならお医者さん自身が風邪をひいたら自分の症状にあった薬が分かるように、その道の専門家なのだ。
『そうだな、ふつうの鬼が相手だったらアキトが身に着けている『守り石』が守ってくれるし、魔除けの札や呪詛返しの方法も知ってるから問題ない。だが今回は相手が悪い。そのせいでオレ様もアキトの側にいられないんだ』
「どういうこと? そんなに強い相手なの?」
『おまえなら見えるかもしれない。意識をとぎすましてアキトの手のあたりを観察してみろ。そうしたら……やべっ!』
赤ニャンがふっと消える。
ガラッとバルコニーの扉が開いてアキトと莉乃が戻ってきた。
「あ、森崎さんだ。いこうアキトくん」
花菜に気づいた莉乃がアキトをうながして近づいてくる。その手はきつく結ばれていた。
ずきん。
胸を刺されたみたいに痛い。
「おはよう森崎さん。ひどい顔ね」
「そんなことないよ、入山さん……アキトくん」
どうして、という思いでアキトを見るが無反応だ。
焦点の合わない冷たい眼差し。こんな目は知らない。
「りのたち付き合うことになったの。ね、アキトくん」
「ああ。りのは世界一可愛いから」
アキトはそんなこと言わない。
呪われておかしくなっているんだ。
でも、そうと分かっていても胸が引き裂かれるようだ。
「ねぇアキトくん、りのと森崎さんどっちが好き?」
「りのに決まってる。森崎と比べる必要もない」
花菜とは呼んでくれない。
どうしてこんなことになってしまったのか。
(もしアキトくんが呪われたならわたしが助けないと)
花菜は赤ニャンに言われたとおりアキトの手元に目をこらした。
きつく結ばれた手を見ているだけで涙が出そうになるけれど、必死にまぶたをこする。
朝日の中にちらっと光るものが見えた。
(──糸? 赤い糸だ)
それはとても細くてしっかり集中していないと見えないくらい儚いものだが、つないだ手を中心に赤い糸が巻きついている。莉乃の小首からはじまって、アキトの手首、肩、首、胴体、太もも、足首まで……なんだか痛々しい。
これが呪いの元凶なのだろうか。
「あ、服にゴミついてるよ」
花菜はとっさにウソをついてアキトの糸に手を伸ばした。引っ張ればとれるかも知れないと考えたのだ。
しかし。
「いたっ!」
赤い糸に触れた瞬間、指先に強い痛みが走った。
思わずよろめいてしまうほどの激痛だ。
『あなた、見えているのね。』
女性の声がする。
赤い糸がウネウネと動いていた。
『二人の恋路を邪魔するなら許さないわ、お嬢ちゃん──』
赤い糸がシュルリと伸びてアキトの口元に巻きついた。
「森崎」
赤い糸に操られてぱくぱくと口が動く。
「オレ、りのと付き合うことになった。もう今日からは馴れ馴れしく話しかけないでくれ」
胸を貫くような冷たい言葉。
赤い糸のせいだと分かっていてもアキトの口から告げられるとショックが大きい。
予鈴が鳴った。
「あ、りの教室に戻るね」
立ち去ろうとする莉乃の手をアキトが握りしめる。
「さみしいな。同じクラスだったら良かったのに」
「んーもう、甘えん坊さんなんだから。休み時間になったらまた来るから。ね?」
「約束。忘れるなよ」
「もちろん」
名残惜しそうに見つめあう二人をクラスメイトたちはポカンと眺めている。
ふと「よく見るとお似合いかも」とだれかが呟いた。先ほどまであんなに悲しんでいた女の子だ。
(どうして急に態度が変わったの?)
ふしぎに思っていると、
「たしかに」
「くやしいけど相手が莉乃ちゃんじゃ勝ち目ないよ~」
残りの二人も同意しはじめた。
おかしいのは三人だけじゃない、
「ひゅーひゅー」
「カップル誕生おめでとうー」
「お幸せに!」
友美や他のクライメイトたちも莉乃とアキトの交際に好意的だ。
『やばいな、ガキたちが感化されてる』
ふたたび耳元で赤ニャンの声がした。
「感化ってなに?」
『その場の雰囲気ってやつだな。どこからどう見てもおかしい状況なのに、強い力に影響されて「こういうのもアリかもしれない」って思い込んでいるのさ。たぶんだれも二人の関係をおかしいと思わなくなるだろう』
強い力。
「それ、あの声の人だよね? 一体だれなの、アキトも赤ニャンも敵わない相手って」
そのとき教室内で歓声が上がった。
アキトが莉乃をぎゅっと抱きしめているではないか。
(そんな……)
あまりのショックで意識が遠のきそうになった。
『うふふ、うふふふふ……ああなんて幸せそうなの。ずっと、ずぅっと、一緒よ。永遠に』
女性の声が楽しそうに響き渡る中、赤ニャンが押し殺した声でささやく。
『相手は神だ。しかもとびきり厄介な縁結びの神──名は、イザナミノミコト』
「花菜ちゃん朝から笑顔だね。なにかいいことあったの?」
「ううんなんにもないよー」
友美に聞かれても答えをはぐらかした。
昨日アキトと相合い傘で家まで送ってもらった……なんて言えない。
自分でも夢じゃないかと思うくらいなのだから。
(頼りしている、かぁ。ふふ頑張らないと)
幸せいっぱいで教室に入るといきなり何人かの女子が駆け寄ってきた。
「花菜ちゃん知ってた!?」
「いつの間にかそういうことになったの?」
「信じたくない~」
三人とも休み時間になるたびアキトに話しかけていた子たちだ。目元をぬぐったり天を仰いだり。それぞれショックを隠せない。
しかし花菜にとってはちんぷんかんぷん。
「ごめん、なにがなんだか分からないだけど……?」
「だから黒住くんと莉乃ちゃんが付き合ってるってこと!」
(アキトくんと莉乃ちゃんが?)
それこそ寝耳に水だ。
「見て! あそこで楽しそうにおしゃべりしてるでしょ! 朝も一緒に登校してきたんだから!」
五年一組のバルコニーで楽しそうに会話している男女がいる。
「うそ……」
莉乃とアキトだ。
話の内容までは聞こえないが、莉乃がなに言うとアキトが笑顔で応え、莉乃も口元を覆って笑っている。とても親しげな様子だ。
アキトがあそこまで明るく笑う姿は見たことがない。
(どうして……?)
目の前がまっくらになる。
昨日は苦手だといっていたのに。
(信じたくないよ)
胸が痛い。
じわっと涙が込み上げてきた。
『ハナ、振り返らずに聞け。アキトが大変なことになった』
ずしっと肩が重くなった。赤ニャンだ。
花菜は周りに気づかれないようコソコソと話しかける。
「赤ニャン? 一体なにがあったの?」
『アキトが呪われた』
「呪っ……!」
つい声が大きくなってしまい慌てて口を押さえた。
みんな莉乃とアキトに夢中でだれにも気づかれなかったようだ。
花菜は詳しい話を聞くため教室の隅まで走った。
「呪われたってどういうこと? 『おんみょうじ』なのに?」
『おんみょうじ』は悪いものを祓うのが仕事だ。
もし自分に悪いものが降りかかってきたら色んな道具で避けることができると言っていた。
たとえるならお医者さん自身が風邪をひいたら自分の症状にあった薬が分かるように、その道の専門家なのだ。
『そうだな、ふつうの鬼が相手だったらアキトが身に着けている『守り石』が守ってくれるし、魔除けの札や呪詛返しの方法も知ってるから問題ない。だが今回は相手が悪い。そのせいでオレ様もアキトの側にいられないんだ』
「どういうこと? そんなに強い相手なの?」
『おまえなら見えるかもしれない。意識をとぎすましてアキトの手のあたりを観察してみろ。そうしたら……やべっ!』
赤ニャンがふっと消える。
ガラッとバルコニーの扉が開いてアキトと莉乃が戻ってきた。
「あ、森崎さんだ。いこうアキトくん」
花菜に気づいた莉乃がアキトをうながして近づいてくる。その手はきつく結ばれていた。
ずきん。
胸を刺されたみたいに痛い。
「おはよう森崎さん。ひどい顔ね」
「そんなことないよ、入山さん……アキトくん」
どうして、という思いでアキトを見るが無反応だ。
焦点の合わない冷たい眼差し。こんな目は知らない。
「りのたち付き合うことになったの。ね、アキトくん」
「ああ。りのは世界一可愛いから」
アキトはそんなこと言わない。
呪われておかしくなっているんだ。
でも、そうと分かっていても胸が引き裂かれるようだ。
「ねぇアキトくん、りのと森崎さんどっちが好き?」
「りのに決まってる。森崎と比べる必要もない」
花菜とは呼んでくれない。
どうしてこんなことになってしまったのか。
(もしアキトくんが呪われたならわたしが助けないと)
花菜は赤ニャンに言われたとおりアキトの手元に目をこらした。
きつく結ばれた手を見ているだけで涙が出そうになるけれど、必死にまぶたをこする。
朝日の中にちらっと光るものが見えた。
(──糸? 赤い糸だ)
それはとても細くてしっかり集中していないと見えないくらい儚いものだが、つないだ手を中心に赤い糸が巻きついている。莉乃の小首からはじまって、アキトの手首、肩、首、胴体、太もも、足首まで……なんだか痛々しい。
これが呪いの元凶なのだろうか。
「あ、服にゴミついてるよ」
花菜はとっさにウソをついてアキトの糸に手を伸ばした。引っ張ればとれるかも知れないと考えたのだ。
しかし。
「いたっ!」
赤い糸に触れた瞬間、指先に強い痛みが走った。
思わずよろめいてしまうほどの激痛だ。
『あなた、見えているのね。』
女性の声がする。
赤い糸がウネウネと動いていた。
『二人の恋路を邪魔するなら許さないわ、お嬢ちゃん──』
赤い糸がシュルリと伸びてアキトの口元に巻きついた。
「森崎」
赤い糸に操られてぱくぱくと口が動く。
「オレ、りのと付き合うことになった。もう今日からは馴れ馴れしく話しかけないでくれ」
胸を貫くような冷たい言葉。
赤い糸のせいだと分かっていてもアキトの口から告げられるとショックが大きい。
予鈴が鳴った。
「あ、りの教室に戻るね」
立ち去ろうとする莉乃の手をアキトが握りしめる。
「さみしいな。同じクラスだったら良かったのに」
「んーもう、甘えん坊さんなんだから。休み時間になったらまた来るから。ね?」
「約束。忘れるなよ」
「もちろん」
名残惜しそうに見つめあう二人をクラスメイトたちはポカンと眺めている。
ふと「よく見るとお似合いかも」とだれかが呟いた。先ほどまであんなに悲しんでいた女の子だ。
(どうして急に態度が変わったの?)
ふしぎに思っていると、
「たしかに」
「くやしいけど相手が莉乃ちゃんじゃ勝ち目ないよ~」
残りの二人も同意しはじめた。
おかしいのは三人だけじゃない、
「ひゅーひゅー」
「カップル誕生おめでとうー」
「お幸せに!」
友美や他のクライメイトたちも莉乃とアキトの交際に好意的だ。
『やばいな、ガキたちが感化されてる』
ふたたび耳元で赤ニャンの声がした。
「感化ってなに?」
『その場の雰囲気ってやつだな。どこからどう見てもおかしい状況なのに、強い力に影響されて「こういうのもアリかもしれない」って思い込んでいるのさ。たぶんだれも二人の関係をおかしいと思わなくなるだろう』
強い力。
「それ、あの声の人だよね? 一体だれなの、アキトも赤ニャンも敵わない相手って」
そのとき教室内で歓声が上がった。
アキトが莉乃をぎゅっと抱きしめているではないか。
(そんな……)
あまりのショックで意識が遠のきそうになった。
『うふふ、うふふふふ……ああなんて幸せそうなの。ずっと、ずぅっと、一緒よ。永遠に』
女性の声が楽しそうに響き渡る中、赤ニャンが押し殺した声でささやく。
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