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学園編~1年~
55話 残念な生き物たち
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えーと、今日の試合は予定より少し押して第二回戦2試合残しで終わった。
なんか疲れた。HPは減ってないのに魔力を使ったり回復したりしたからだろうか。
明日は上の学年の人たちの番だけど、疲れたし今日は早くねよ。
そう決断し食堂に向かった。
武道会中は食堂のおばちゃんたちが何かと本気をだして、なんだかメニューが豪華になる。その理由はみんなに頑張ってほしいがための愛情なのか、お偉いさんたちも食堂で食べるからなのか・・・。真相を知るものは誰もいない・・・。
まあともかく、普段は月に一回しかないバイキングが毎日行われるようになったり、俺のトラウマ、パーティー風のミルフィーユだのマカロンだのがたくさん出る。
中には王族専属のシェフが来ていて、一口食べてはそこからはもう止まらない。次々と口に料理が運ばれていく。え?なんで王族専属だってわかったって?そんなの白いコック帽を被っていて、胸にアルファ王国の国旗のバッチを付けてるからだ。こんなの常識だぜ?( -`ω-)✧ドヤッ。まあ俺もさっき知ったんだけど。
武道会は他の学校の生徒も来るから、食事は貴族たちのパーティーのようになる。
ハングル家は貴族の間では権威の高い方なので美少女たちの甘い誘惑が半端ない。食事くらい静かにさせてほしいものだ。
と、腹8分目くらいまで食べたので部屋に戻って珍しく早く寝ようとした矢先、無駄に・・・無駄に言っちゃだめか。とにかくひらひらとしているピンクのドレスを着た人形のようなかわいらしい女の子が話しかけてきた。
なんか武勇伝的なことや自分の父親の話を自慢げに話しているが、この通り俺は全く聞いていない。
今日は疲れたしもう寝たいんだけど・・・。
しかしこの少女。なかなか諦めない。『もう今日は疲れたから部屋に帰っていいですか。』と聞いたら、ちょっと待ってと何回も言ってなかなか返してくれない。
・・・まさか!あの『疲れたし早くねよ。』のせいか!
くそ。変なところでフラグを立ててしまうなんて・・・。
その後、延々と武勇伝やら自慢やら別にどうでもいい話を聞かされた。
★★★★★★
ここは・・・。
眠っていたはずの俺の意識は見覚えのある真っ暗な空間に飛ばされていた。
真っ暗な空間の正面には先ほどのひらひらドレスを着た貴族の少女が映っていた。
そしてまた親の声より聞いた声を延々と聞かされる。
耳を遮断して何も聞こえないようにしようとしたがそれができなかったため、これが夢であることを悟った。
すると、後ろから「やあ。」と声をかけられた。
ビクッとして後ろを振り向くとそれはもうかわいらしいロリがいた。
ロリと言っても今の俺よりも身長は高く、150cmくらいの胸のふくらみがあまりない、ロリコンが喜びそうなロリっ子だった。
そしてこの異様な雰囲気からあの全知全能の神だということを悟った。悟りまくるな、俺。
「あー。お前そんな趣味があったのか・・・。まあ、否定はしないが。全知全能の神とも呼ばれるお方がどうかと思うぞ・・・。」
と、哀れみも含まれた声音でゼウスに話しかける。
「別にそんな趣味なんかないよ。でもなぜか龍神とかの女神がこの格好してると喜ぶんだよ。」
なぜか少し照れ臭そうにゼウスが言う。龍神とか気になる単語が出てきたし。
「それで?今日は何の用だ?お前が直々に来るってことはなんか重要な何かがあるんだろ?」
前に奴が来た時もそうだった。スキルがいくつかはく奪されたしな。
「うん。まあ、またスキルをはく奪するだけなんだけど。君、心当たりあるでしょ?」
手を顎に当てて今までも回想をする。う~ん。なんかあるか?
「君は理解してないようだけど、例えばベルゲンド!アイツ結構強いんだよ?えっと、ドラゴンと同じくらい。それを死闘の『し』の字もなかったしさ~。なんか俺TUEEEもいいんだけどさ~。そんなの勇者だけで十分なわけ。みんなつまんないつまんないって言ってるよ。」
なぜかため息をついて、諦めたような顔をするゼウス。いや、知らんし。俺に何を期待していると言うんだ。
「ほら周りの子がかわいいんだからさ、ラブコメとかやってくれない?リアル悪役令嬢も面白いけど、なんかうぶな二人の異世界ラブコメも面白いからさ。例えばクレスちゃんとかさ!」
なんだこいつ。俺は肉体的年齢はまだ6歳だぞ。何がうぶな二人だ。周りの奴全員うぶだろ!
と、心の中でツッコむとニコリと満面の笑みで笑う。
「ま、いいや。とりあえず、いくつかスキルはもらっておくから。起きた時にでも確認しといてよ。じゃあね、また来るよ。」
夢に落ちているのに、地面が溶けるように落ちていく。
そしてまた目が自然と閉じて・・・いく・・・。
★★★★★★
(アマテラス視点)
テルさんの夢から帰ってきた全知全能の神、ゼウス。
彼は神界の支配者とともに『最強チート絶対無敵』という言葉も生ぬるいどころか冷たいというまさに神。彼と戦うなどと考えてはいけない。彼と戦った———、いや彼と戦うなど無理な話だ。まずは手をたたくだけで塵すら残らず永遠に消え去る。
というか、すべての生き物、神、などなど彼に管理されているため無理無理無理無理。そういえば彼の管理から外れた愚天使がいたんでしたっけ。まあ、興味ないけど。
光のカーテンに包まれた部屋には昔ながらのブラウン管テレビとちゃぶ台と抹茶の入った湯のみ。床は畳でできていて、私は畳に座り、ずーっと抹茶をすする。甘いものが食べたくなったのでさらに置かれた桜餅を食べる。
そしてひと段落したところで、ゼウスに「『神解析』と『神鑑定』だけはく奪しちゃっていいんですか?」と質問する。もっとスキルならチートなものがあったはずなのだが・・・。
すると、彼は
「こっちの方がきっと面白くなるだろうからね。」と子供っぽく笑った。
そして、「君も知っているだろう?人間は面白いんだ。いや、人間だけじゃない。君も言っていた愚天使や悪魔、魔族、精霊すべての可能性がある奴らが面白いんだ。僕たちは娯楽に飢えてるんだ。」
全くこの人は・・・。いや神は・・・。
人間を娯楽のために生んだということ・・・?
考えれば考えるほどこの方はわかんないな。
そして再び深緑の抹茶をすすった。
なんか疲れた。HPは減ってないのに魔力を使ったり回復したりしたからだろうか。
明日は上の学年の人たちの番だけど、疲れたし今日は早くねよ。
そう決断し食堂に向かった。
武道会中は食堂のおばちゃんたちが何かと本気をだして、なんだかメニューが豪華になる。その理由はみんなに頑張ってほしいがための愛情なのか、お偉いさんたちも食堂で食べるからなのか・・・。真相を知るものは誰もいない・・・。
まあともかく、普段は月に一回しかないバイキングが毎日行われるようになったり、俺のトラウマ、パーティー風のミルフィーユだのマカロンだのがたくさん出る。
中には王族専属のシェフが来ていて、一口食べてはそこからはもう止まらない。次々と口に料理が運ばれていく。え?なんで王族専属だってわかったって?そんなの白いコック帽を被っていて、胸にアルファ王国の国旗のバッチを付けてるからだ。こんなの常識だぜ?( -`ω-)✧ドヤッ。まあ俺もさっき知ったんだけど。
武道会は他の学校の生徒も来るから、食事は貴族たちのパーティーのようになる。
ハングル家は貴族の間では権威の高い方なので美少女たちの甘い誘惑が半端ない。食事くらい静かにさせてほしいものだ。
と、腹8分目くらいまで食べたので部屋に戻って珍しく早く寝ようとした矢先、無駄に・・・無駄に言っちゃだめか。とにかくひらひらとしているピンクのドレスを着た人形のようなかわいらしい女の子が話しかけてきた。
なんか武勇伝的なことや自分の父親の話を自慢げに話しているが、この通り俺は全く聞いていない。
今日は疲れたしもう寝たいんだけど・・・。
しかしこの少女。なかなか諦めない。『もう今日は疲れたから部屋に帰っていいですか。』と聞いたら、ちょっと待ってと何回も言ってなかなか返してくれない。
・・・まさか!あの『疲れたし早くねよ。』のせいか!
くそ。変なところでフラグを立ててしまうなんて・・・。
その後、延々と武勇伝やら自慢やら別にどうでもいい話を聞かされた。
★★★★★★
ここは・・・。
眠っていたはずの俺の意識は見覚えのある真っ暗な空間に飛ばされていた。
真っ暗な空間の正面には先ほどのひらひらドレスを着た貴族の少女が映っていた。
そしてまた親の声より聞いた声を延々と聞かされる。
耳を遮断して何も聞こえないようにしようとしたがそれができなかったため、これが夢であることを悟った。
すると、後ろから「やあ。」と声をかけられた。
ビクッとして後ろを振り向くとそれはもうかわいらしいロリがいた。
ロリと言っても今の俺よりも身長は高く、150cmくらいの胸のふくらみがあまりない、ロリコンが喜びそうなロリっ子だった。
そしてこの異様な雰囲気からあの全知全能の神だということを悟った。悟りまくるな、俺。
「あー。お前そんな趣味があったのか・・・。まあ、否定はしないが。全知全能の神とも呼ばれるお方がどうかと思うぞ・・・。」
と、哀れみも含まれた声音でゼウスに話しかける。
「別にそんな趣味なんかないよ。でもなぜか龍神とかの女神がこの格好してると喜ぶんだよ。」
なぜか少し照れ臭そうにゼウスが言う。龍神とか気になる単語が出てきたし。
「それで?今日は何の用だ?お前が直々に来るってことはなんか重要な何かがあるんだろ?」
前に奴が来た時もそうだった。スキルがいくつかはく奪されたしな。
「うん。まあ、またスキルをはく奪するだけなんだけど。君、心当たりあるでしょ?」
手を顎に当てて今までも回想をする。う~ん。なんかあるか?
「君は理解してないようだけど、例えばベルゲンド!アイツ結構強いんだよ?えっと、ドラゴンと同じくらい。それを死闘の『し』の字もなかったしさ~。なんか俺TUEEEもいいんだけどさ~。そんなの勇者だけで十分なわけ。みんなつまんないつまんないって言ってるよ。」
なぜかため息をついて、諦めたような顔をするゼウス。いや、知らんし。俺に何を期待していると言うんだ。
「ほら周りの子がかわいいんだからさ、ラブコメとかやってくれない?リアル悪役令嬢も面白いけど、なんかうぶな二人の異世界ラブコメも面白いからさ。例えばクレスちゃんとかさ!」
なんだこいつ。俺は肉体的年齢はまだ6歳だぞ。何がうぶな二人だ。周りの奴全員うぶだろ!
と、心の中でツッコむとニコリと満面の笑みで笑う。
「ま、いいや。とりあえず、いくつかスキルはもらっておくから。起きた時にでも確認しといてよ。じゃあね、また来るよ。」
夢に落ちているのに、地面が溶けるように落ちていく。
そしてまた目が自然と閉じて・・・いく・・・。
★★★★★★
(アマテラス視点)
テルさんの夢から帰ってきた全知全能の神、ゼウス。
彼は神界の支配者とともに『最強チート絶対無敵』という言葉も生ぬるいどころか冷たいというまさに神。彼と戦うなどと考えてはいけない。彼と戦った———、いや彼と戦うなど無理な話だ。まずは手をたたくだけで塵すら残らず永遠に消え去る。
というか、すべての生き物、神、などなど彼に管理されているため無理無理無理無理。そういえば彼の管理から外れた愚天使がいたんでしたっけ。まあ、興味ないけど。
光のカーテンに包まれた部屋には昔ながらのブラウン管テレビとちゃぶ台と抹茶の入った湯のみ。床は畳でできていて、私は畳に座り、ずーっと抹茶をすする。甘いものが食べたくなったのでさらに置かれた桜餅を食べる。
そしてひと段落したところで、ゼウスに「『神解析』と『神鑑定』だけはく奪しちゃっていいんですか?」と質問する。もっとスキルならチートなものがあったはずなのだが・・・。
すると、彼は
「こっちの方がきっと面白くなるだろうからね。」と子供っぽく笑った。
そして、「君も知っているだろう?人間は面白いんだ。いや、人間だけじゃない。君も言っていた愚天使や悪魔、魔族、精霊すべての可能性がある奴らが面白いんだ。僕たちは娯楽に飢えてるんだ。」
全くこの人は・・・。いや神は・・・。
人間を娯楽のために生んだということ・・・?
考えれば考えるほどこの方はわかんないな。
そして再び深緑の抹茶をすすった。
応援ありがとうございます!
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