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第2章 勇者大戦
魔王が侵略する町
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紅い波は人々を追い込むように町の中心であるこの奴隷館から発生し、逃げ惑う人々の恐怖の対象となる。
子供を抱き恐怖に怯えて座り込む女性などは分体のスライムの手により町の外へと運び、戦いを挑んでくる冒険者などはミスリルの糸で拘束していく。
大体の人間もどきは俺の声により恐怖に襲われ町の外へと出て行くのだが、やはり兵士や冒険者などは立ち向かってくるようだ。
この老婆を手に入れたい俺としては、老婆との契約である町の人々を殺さない事を守ろうとしているのだが、俺の中にある『憤怒』はどうやらそんな生易しい行動が気に入らないようで、俺の中で暴れ回っている。
「少しは我慢しろ、俺にはしなければならない事があるからお前を使っているだけなんだ。言うことすら聞けないなら他の奴の所にでも行けばいい」
俺の中で暴れている『憤怒』は俺の言葉に反応するとその動きを止め、俺の中での動きが小さくなる。
「圭介さん! 一体何をしてるんですか? 」
「ケイスケ、何でも手伝うけど何をすれば良い? 」
異変に気付いた青崎とアヤハが、この奴隷館に飛び込むように入って来る。
どうやら青崎はこの町の状態に納得がいかないようで俺に対してかなり怒っているようだ。
逆にアヤハは嬉しそうに自分の役目を求めて来る……あまり人間相手の戦いはさせたくないし、逃げ遅れた人間もどきの避難でもさせていくとするか。
「青崎……俺はこの町を占拠する事に決めた。理由はそこにいる婆さんを仲間にする為だな。婆さんとの契約上、俺はこの町にいる人間を殺す事が出来ない……そこで、青崎とアヤハには逃げ遅れた人間達を町の外へと逃がしてくれ」
俺の説明に青崎は戸惑いながらも理解してくれたのか頷いてくれる。
しかし、アヤハは老婆と苦痛で蹲っている少年から目を離さない。
「ケイスケ。この子はケイスケに対して悪意を持っている。このままにしておけない」
冷たい目で老婆と少年を見ているアヤハを軽く抱いてやると、びくりとしたものの動かなくなったアヤハの耳元で俺は囁く。
「安心しろ。この程度の力しか持たないガキなんぞ俺の敵じゃない。それより俺の目的の為にこの老婆の力が必要なんだ」
何故か真っ赤になるアヤハとふてくされ始めた青崎に俺は戸惑いながらも、2人に外の人間達の事を任すと老婆とティルトに視線を戻し、これからの事について話す事にする。
「安心しろ。今の所誰も殺してはいない……攻撃してきた者でもだ。もう暫くすればこの町から人間共はいなくなるだろう。さて、そうなってからの事だが、あんたには人材の育成を任せたい。主に亜人への教育となるだろうが問題あるか? 」
辺りの人々の悲鳴が消えていく中で、老婆はティルトの様子を案じながらもどうやら俺の提案に戸惑っているようだ。
「亜人を教育って……あんた、この町を乗っ取った後この町を亜人達の町にするつもりなのかい ⁈ 」
ティルトも信じられないような表情でこちらを見ているが俺の言葉の意味が分かったのか痛みに苦しみながらも俺の方へと這ってくる。
「本当に……亜人の為の町を作るつもりなのか? 」
「こら、無理をするんじゃないよ!あんたも魔法を早く解いておくれ! 」
焦る老婆の言葉は確かに俺の耳へと届いてはいたが、それよりも俺の見る目が変わったティルトの言葉の方が今の俺にとって興味をそそる。
「さっきまで俺を殺そうとしていた奴とは思えない言葉だな……そうだ。俺はここに魔王として国を作るつもりだ。俺はこの世界の仕組みを憎んでいる……その上、人間共にかなり手酷い目にあわされたからな。別に全ての人間が悪いとは思わないが、俺にとっては憎悪の対象だな」
未だおさまらない怒りはきっと『憤怒』のものだけでは無いだろう。
周りの人間の奴隷達はそんな俺を見て恐怖しているが俺の前に来ようとしているティルトはそんな俺を見てどこか喜んでいるような表情だ。
「亜人の為だと言うのなら俺も力になる! 俺も亜人のためなら何でも出来る……だから、俺を仲間にしてくれ! 」
俺と同じ憎悪に満ちた目を見て、それが真実だと感じた俺は闇魔法を解く。
闇魔法の(ペイン)から自由になったティルトは俺の前にまで来て跪くと、その場でその心に押し込めていた憎悪の原因を勝手に話始める。
「俺は獣人族の村で生まれた人間だ……普通、獣人族同士の間から人間は生まれるはずが無いのに俺が生まれた所為で母親と俺は獣人族の村から追放された……ただ、それは仕方がないと納得している。母親が不義を働いてない事は村の全員が知っていたし、父親も一緒に出て行くと泣き叫んでいたそうだから……だけどその母親を捕まえて奴隷とした挙句、過労死する迄使い潰した商人や、母親を事ある毎に慰み者にした奴らの事は絶対に許さない! 奴等からこの奴隷館に売られ、マァサ様に会えた事は1番の幸運だったけど、それでも俺は母親にされた事を忘れる事は出来ない! 」
「ティルト……あんた、そんなにまで思いつめていたのかい」
ティルトの心の叫びとマァサの驚きの声に、今の俺にはどうしようもなく心が震えてしまうのであった……
次回配信は来週となります。
子供を抱き恐怖に怯えて座り込む女性などは分体のスライムの手により町の外へと運び、戦いを挑んでくる冒険者などはミスリルの糸で拘束していく。
大体の人間もどきは俺の声により恐怖に襲われ町の外へと出て行くのだが、やはり兵士や冒険者などは立ち向かってくるようだ。
この老婆を手に入れたい俺としては、老婆との契約である町の人々を殺さない事を守ろうとしているのだが、俺の中にある『憤怒』はどうやらそんな生易しい行動が気に入らないようで、俺の中で暴れ回っている。
「少しは我慢しろ、俺にはしなければならない事があるからお前を使っているだけなんだ。言うことすら聞けないなら他の奴の所にでも行けばいい」
俺の中で暴れている『憤怒』は俺の言葉に反応するとその動きを止め、俺の中での動きが小さくなる。
「圭介さん! 一体何をしてるんですか? 」
「ケイスケ、何でも手伝うけど何をすれば良い? 」
異変に気付いた青崎とアヤハが、この奴隷館に飛び込むように入って来る。
どうやら青崎はこの町の状態に納得がいかないようで俺に対してかなり怒っているようだ。
逆にアヤハは嬉しそうに自分の役目を求めて来る……あまり人間相手の戦いはさせたくないし、逃げ遅れた人間もどきの避難でもさせていくとするか。
「青崎……俺はこの町を占拠する事に決めた。理由はそこにいる婆さんを仲間にする為だな。婆さんとの契約上、俺はこの町にいる人間を殺す事が出来ない……そこで、青崎とアヤハには逃げ遅れた人間達を町の外へと逃がしてくれ」
俺の説明に青崎は戸惑いながらも理解してくれたのか頷いてくれる。
しかし、アヤハは老婆と苦痛で蹲っている少年から目を離さない。
「ケイスケ。この子はケイスケに対して悪意を持っている。このままにしておけない」
冷たい目で老婆と少年を見ているアヤハを軽く抱いてやると、びくりとしたものの動かなくなったアヤハの耳元で俺は囁く。
「安心しろ。この程度の力しか持たないガキなんぞ俺の敵じゃない。それより俺の目的の為にこの老婆の力が必要なんだ」
何故か真っ赤になるアヤハとふてくされ始めた青崎に俺は戸惑いながらも、2人に外の人間達の事を任すと老婆とティルトに視線を戻し、これからの事について話す事にする。
「安心しろ。今の所誰も殺してはいない……攻撃してきた者でもだ。もう暫くすればこの町から人間共はいなくなるだろう。さて、そうなってからの事だが、あんたには人材の育成を任せたい。主に亜人への教育となるだろうが問題あるか? 」
辺りの人々の悲鳴が消えていく中で、老婆はティルトの様子を案じながらもどうやら俺の提案に戸惑っているようだ。
「亜人を教育って……あんた、この町を乗っ取った後この町を亜人達の町にするつもりなのかい ⁈ 」
ティルトも信じられないような表情でこちらを見ているが俺の言葉の意味が分かったのか痛みに苦しみながらも俺の方へと這ってくる。
「本当に……亜人の為の町を作るつもりなのか? 」
「こら、無理をするんじゃないよ!あんたも魔法を早く解いておくれ! 」
焦る老婆の言葉は確かに俺の耳へと届いてはいたが、それよりも俺の見る目が変わったティルトの言葉の方が今の俺にとって興味をそそる。
「さっきまで俺を殺そうとしていた奴とは思えない言葉だな……そうだ。俺はここに魔王として国を作るつもりだ。俺はこの世界の仕組みを憎んでいる……その上、人間共にかなり手酷い目にあわされたからな。別に全ての人間が悪いとは思わないが、俺にとっては憎悪の対象だな」
未だおさまらない怒りはきっと『憤怒』のものだけでは無いだろう。
周りの人間の奴隷達はそんな俺を見て恐怖しているが俺の前に来ようとしているティルトはそんな俺を見てどこか喜んでいるような表情だ。
「亜人の為だと言うのなら俺も力になる! 俺も亜人のためなら何でも出来る……だから、俺を仲間にしてくれ! 」
俺と同じ憎悪に満ちた目を見て、それが真実だと感じた俺は闇魔法を解く。
闇魔法の(ペイン)から自由になったティルトは俺の前にまで来て跪くと、その場でその心に押し込めていた憎悪の原因を勝手に話始める。
「俺は獣人族の村で生まれた人間だ……普通、獣人族同士の間から人間は生まれるはずが無いのに俺が生まれた所為で母親と俺は獣人族の村から追放された……ただ、それは仕方がないと納得している。母親が不義を働いてない事は村の全員が知っていたし、父親も一緒に出て行くと泣き叫んでいたそうだから……だけどその母親を捕まえて奴隷とした挙句、過労死する迄使い潰した商人や、母親を事ある毎に慰み者にした奴らの事は絶対に許さない! 奴等からこの奴隷館に売られ、マァサ様に会えた事は1番の幸運だったけど、それでも俺は母親にされた事を忘れる事は出来ない! 」
「ティルト……あんた、そんなにまで思いつめていたのかい」
ティルトの心の叫びとマァサの驚きの声に、今の俺にはどうしようもなく心が震えてしまうのであった……
次回配信は来週となります。
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