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第2章 勇者大戦
国境沿いの山を越えて
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オルハナ王国を出ようとして既に二十日が立つ。もう少しでエデル連邦というオルハナ王国より西にある小国が集まり作り出した連合国に到着しようとした時思いもかけない事が起こってきた。オルハナ王国とエデル連邦との国境が閉鎖されていたからだ。どうやらオルハナ王国は現在全ての国境を閉鎖しているらしい。目当ては領民の逃亡防止と勇者達の確保である。どうやらユータとマリアは国際冒険者ギルドより指名手配に、俺は全世界からの指名手配犯となっているらしい。俺の似顔絵はまだ無いようだがユータとマリアの似顔絵は既に配布されている。
「どうしたものかな?」
俺は肩のトバルをあやしながらこれからのエデル連邦への経路を考えていた。山を越えて行くのが一番早そうだがアヤハとトバルが山越えの旅についていけるかが問題だ。アヤハは行けると言って聞かないしどうしたものか…
「ケイスケ、森の山菜を採ってきた。森に魔獣はほとんどいない」
アヤハがゼラとの狩を終えてきたようだ。戦果は十分にある。
「ゼラは何時もすまないな」
俺がそう言うとふよふよと喜んでいるようだ。
…なに?夫に尽くすのが良妻の基本だって?俺は結婚した覚えはないんだが…
ゼラが料理を作り、アヤハが周りを警戒する。俺は魔獣の骨とゼラの体液で出来たテントを立てる。このテント見た目はアレだか中はとても快適だ。このテント温度を調整できる為、外の気温高がどれほまど変わろうと中の温度は殆ど変わらないのだ。
今日の晩飯は芋粥と肉の炒め物のようだ。アヤハもトバルもよく食べる。俺は最近あまり食べなくなった。どうやら外気の魔力だけで事足りるらしい。本当に人間離れしてきたようだ。
「明日から山越えを行う。じっくりと行くつもりだが途中で俺達の足になりそうな魔獣がいれば仲間にするつもりだ。明日は早い早めに寝よう」
俺の言葉に皆が頷き寝ることになる。最近はゼラの寝ずの番の所為でアヤハが俺と寝る事が多い。別に問題は無いのだがアヤハが抱きついて来るのはやはり親の死がまだ心に残っているからか…優しくしよう。人間もどきに対する葛藤はまだ治っていないが他の種族に対しては問題なく接することが出来る。
次の日は朝から登山となる。荷物は俺とゼラの亜空間があるため問題は無いが山の天候と魔獣の動きが問題だ。魔力は問題なく制御出来ているのだが何故かこの山に来てから何者かの意識を感じる事がある。問題にならなければいいが…
うちの殺戮姫は今日もご機嫌のようだ。剣の腕は俺にはもう太刀打ち出来ない状態だ。この一ヶ月弱でアヤハの剣術は既に一流と言っていいほどになっている。俺は魔獣を触る事すら出来ない状態だ。ゼラも喜んで魔獣の死体を格納している。
トバルが急に羽ばたいた⁈今までにない動きの為、アヤハもゼラも動きが変わる。俺はま魔力感知をするが全く反応がない、いやなさ過ぎる⁈
「ゼラ!アヤハ!注意しろ!何かは分からんが既にそいつの術中のようだ。気を抜くな!」
俺はミスリル糸をできるだけ広く放つ。幻惑ならこれで対処出来る筈だ。目を瞑り糸だけで対応する…何かがいる。糸に反応がある…そこだ!
糸が蛇のようにのたうち回り不可視の敵に絡みつく。ミスリルの糸は敵から離れず俺にそいつの情報を送り届けてくれる。
「不可視の虫みたいだ。あまり大きくはない。今から見えるようにしてみる!」
糸に猛毒を流す。ダメージを与えるより色を付ける為に極彩色の毒を使う。毒が敵に流れるとさらにその虫は激しく動き、遂にはその姿を現わす。
「カマキリ型か!多分腹部は柔らかい筈だ。鎌は危険だから気をつけろ」
俺の言葉に頷いてアヤハが敵に向けて疾走する。直線ではなくジグザグに動く為カマキリは動きを捉えられないようだ。その間にアヤハは相手の懐に入り一撃で相手を真っ二つにする。俺はそのカマキリに無数の聖なる槍で串刺しにする。
「こいつらは頭を潰しても動くからな。やるなら潰せ」
俺の言葉の意味が分かったのか斬るよりも叩くように変えたみたいだ。四肢が粉砕され頭を潰される。三体のカマキリがいたが全部アヤハに潰されたようだ。
「よくやったな。もう剣に関しては一流だ。頼りにしている」
俺が本音で話すと顔の表情は変わらないが尻尾がえらい事になっている。本人は気づいていないようなので黙っているか。意外と感情は豊かなようだ。カマキリをゼラが格納すると登山に戻るとする。
…どうやら俺達をずっと見ていた奴が動くようだ。僅かだが魔力の揺れを感じる。ゼラやアヤハも気づいたのか動きが止まる…
「待った!こちらは何もするつもりは無いから!出て行くから殺さないで!」
どうやら女の声のようだ。しかも若い。気を抜かないように辺りに気を配るが未だに反応はない。
「いいわね?出て行くからね?殺さないでよ?」
強気なのか弱気なのかよく分からないが「そいつ」が茂みから現れる。その姿に俺は絶句してしまう。何故ならその姿は完全に大きなクマだからだ…
「どうしたものかな?」
俺は肩のトバルをあやしながらこれからのエデル連邦への経路を考えていた。山を越えて行くのが一番早そうだがアヤハとトバルが山越えの旅についていけるかが問題だ。アヤハは行けると言って聞かないしどうしたものか…
「ケイスケ、森の山菜を採ってきた。森に魔獣はほとんどいない」
アヤハがゼラとの狩を終えてきたようだ。戦果は十分にある。
「ゼラは何時もすまないな」
俺がそう言うとふよふよと喜んでいるようだ。
…なに?夫に尽くすのが良妻の基本だって?俺は結婚した覚えはないんだが…
ゼラが料理を作り、アヤハが周りを警戒する。俺は魔獣の骨とゼラの体液で出来たテントを立てる。このテント見た目はアレだか中はとても快適だ。このテント温度を調整できる為、外の気温高がどれほまど変わろうと中の温度は殆ど変わらないのだ。
今日の晩飯は芋粥と肉の炒め物のようだ。アヤハもトバルもよく食べる。俺は最近あまり食べなくなった。どうやら外気の魔力だけで事足りるらしい。本当に人間離れしてきたようだ。
「明日から山越えを行う。じっくりと行くつもりだが途中で俺達の足になりそうな魔獣がいれば仲間にするつもりだ。明日は早い早めに寝よう」
俺の言葉に皆が頷き寝ることになる。最近はゼラの寝ずの番の所為でアヤハが俺と寝る事が多い。別に問題は無いのだがアヤハが抱きついて来るのはやはり親の死がまだ心に残っているからか…優しくしよう。人間もどきに対する葛藤はまだ治っていないが他の種族に対しては問題なく接することが出来る。
次の日は朝から登山となる。荷物は俺とゼラの亜空間があるため問題は無いが山の天候と魔獣の動きが問題だ。魔力は問題なく制御出来ているのだが何故かこの山に来てから何者かの意識を感じる事がある。問題にならなければいいが…
うちの殺戮姫は今日もご機嫌のようだ。剣の腕は俺にはもう太刀打ち出来ない状態だ。この一ヶ月弱でアヤハの剣術は既に一流と言っていいほどになっている。俺は魔獣を触る事すら出来ない状態だ。ゼラも喜んで魔獣の死体を格納している。
トバルが急に羽ばたいた⁈今までにない動きの為、アヤハもゼラも動きが変わる。俺はま魔力感知をするが全く反応がない、いやなさ過ぎる⁈
「ゼラ!アヤハ!注意しろ!何かは分からんが既にそいつの術中のようだ。気を抜くな!」
俺はミスリル糸をできるだけ広く放つ。幻惑ならこれで対処出来る筈だ。目を瞑り糸だけで対応する…何かがいる。糸に反応がある…そこだ!
糸が蛇のようにのたうち回り不可視の敵に絡みつく。ミスリルの糸は敵から離れず俺にそいつの情報を送り届けてくれる。
「不可視の虫みたいだ。あまり大きくはない。今から見えるようにしてみる!」
糸に猛毒を流す。ダメージを与えるより色を付ける為に極彩色の毒を使う。毒が敵に流れるとさらにその虫は激しく動き、遂にはその姿を現わす。
「カマキリ型か!多分腹部は柔らかい筈だ。鎌は危険だから気をつけろ」
俺の言葉に頷いてアヤハが敵に向けて疾走する。直線ではなくジグザグに動く為カマキリは動きを捉えられないようだ。その間にアヤハは相手の懐に入り一撃で相手を真っ二つにする。俺はそのカマキリに無数の聖なる槍で串刺しにする。
「こいつらは頭を潰しても動くからな。やるなら潰せ」
俺の言葉の意味が分かったのか斬るよりも叩くように変えたみたいだ。四肢が粉砕され頭を潰される。三体のカマキリがいたが全部アヤハに潰されたようだ。
「よくやったな。もう剣に関しては一流だ。頼りにしている」
俺が本音で話すと顔の表情は変わらないが尻尾がえらい事になっている。本人は気づいていないようなので黙っているか。意外と感情は豊かなようだ。カマキリをゼラが格納すると登山に戻るとする。
…どうやら俺達をずっと見ていた奴が動くようだ。僅かだが魔力の揺れを感じる。ゼラやアヤハも気づいたのか動きが止まる…
「待った!こちらは何もするつもりは無いから!出て行くから殺さないで!」
どうやら女の声のようだ。しかも若い。気を抜かないように辺りに気を配るが未だに反応はない。
「いいわね?出て行くからね?殺さないでよ?」
強気なのか弱気なのかよく分からないが「そいつ」が茂みから現れる。その姿に俺は絶句してしまう。何故ならその姿は完全に大きなクマだからだ…
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