俺の命は1000円だった。〜壊れた男は異世界で復讐を誓う。

infinitey009

文字の大きさ
32 / 60
第2章 勇者大戦

国境沿いの山を越えて

しおりを挟む
 オルハナ王国を出ようとして既に二十日が立つ。もう少しでエデル連邦というオルハナ王国より西にある小国が集まり作り出した連合国に到着しようとした時思いもかけない事が起こってきた。オルハナ王国とエデル連邦との国境が閉鎖されていたからだ。どうやらオルハナ王国は現在全ての国境を閉鎖しているらしい。目当ては領民の逃亡防止と勇者達の確保である。どうやらユータとマリアは国際冒険者ギルドより指名手配に、俺は全世界からの指名手配犯となっているらしい。俺の似顔絵はまだ無いようだがユータとマリアの似顔絵は既に配布されている。

「どうしたものかな?」

俺は肩のトバルをあやしながらこれからのエデル連邦への経路を考えていた。山を越えて行くのが一番早そうだがアヤハとトバルが山越えの旅についていけるかが問題だ。アヤハは行けると言って聞かないしどうしたものか…

「ケイスケ、森の山菜を採ってきた。森に魔獣はほとんどいない」

アヤハがゼラとの狩を終えてきたようだ。戦果は十分にある。

「ゼラは何時もすまないな」

俺がそう言うとふよふよと喜んでいるようだ。

…なに?夫に尽くすのが良妻の基本だって?俺は結婚した覚えはないんだが…

ゼラが料理を作り、アヤハが周りを警戒する。俺は魔獣の骨とゼラの体液で出来たテントを立てる。このテント見た目はアレだか中はとても快適だ。このテント温度を調整できる為、外の気温高がどれほまど変わろうと中の温度は殆ど変わらないのだ。

今日の晩飯は芋粥と肉の炒め物のようだ。アヤハもトバルもよく食べる。俺は最近あまり食べなくなった。どうやら外気の魔力だけで事足りるらしい。本当に人間離れしてきたようだ。

「明日から山越えを行う。じっくりと行くつもりだが途中で俺達の足になりそうな魔獣がいれば仲間にするつもりだ。明日は早い早めに寝よう」

俺の言葉に皆が頷き寝ることになる。最近はゼラの寝ずの番の所為でアヤハが俺と寝る事が多い。別に問題は無いのだがアヤハが抱きついて来るのはやはり親の死がまだ心に残っているからか…優しくしよう。人間もどきに対する葛藤はまだ治っていないが他の種族に対しては問題なく接することが出来る。

次の日は朝から登山となる。荷物は俺とゼラの亜空間があるため問題は無いが山の天候と魔獣の動きが問題だ。魔力は問題なく制御出来ているのだが何故かこの山に来てから何者かの意識を感じる事がある。問題にならなければいいが…

 うちの殺戮姫は今日もご機嫌のようだ。剣の腕は俺にはもう太刀打ち出来ない状態だ。この一ヶ月弱でアヤハの剣術は既に一流と言っていいほどになっている。俺は魔獣を触る事すら出来ない状態だ。ゼラも喜んで魔獣の死体を格納している。

トバルが急に羽ばたいた⁈今までにない動きの為、アヤハもゼラも動きが変わる。俺はま魔力感知をするが全く反応がない、いやなさ過ぎる⁈

「ゼラ!アヤハ!注意しろ!何かは分からんが既にそいつの術中のようだ。気を抜くな!」

俺はミスリル糸をできるだけ広く放つ。幻惑ならこれで対処出来る筈だ。目を瞑り糸だけで対応する…何かがいる。糸に反応がある…そこだ!

糸が蛇のようにのたうち回り不可視の敵に絡みつく。ミスリルの糸は敵から離れず俺にそいつの情報を送り届けてくれる。

「不可視の虫みたいだ。あまり大きくはない。今から見えるようにしてみる!」

糸に猛毒を流す。ダメージを与えるより色を付ける為に極彩色の毒を使う。毒が敵に流れるとさらにその虫は激しく動き、遂にはその姿を現わす。

「カマキリ型か!多分腹部は柔らかい筈だ。鎌は危険だから気をつけろ」

俺の言葉に頷いてアヤハが敵に向けて疾走する。直線ではなくジグザグに動く為カマキリは動きを捉えられないようだ。その間にアヤハは相手の懐に入り一撃で相手を真っ二つにする。俺はそのカマキリに無数の聖なる槍で串刺しにする。

「こいつらは頭を潰しても動くからな。やるなら潰せ」

俺の言葉の意味が分かったのか斬るよりも叩くように変えたみたいだ。四肢が粉砕され頭を潰される。三体のカマキリがいたが全部アヤハに潰されたようだ。

「よくやったな。もう剣に関しては一流だ。頼りにしている」

俺が本音で話すと顔の表情は変わらないが尻尾がえらい事になっている。本人は気づいていないようなので黙っているか。意外と感情は豊かなようだ。カマキリをゼラが格納すると登山に戻るとする。



…どうやら俺達をずっと見ていた奴が動くようだ。僅かだが魔力の揺れを感じる。ゼラやアヤハも気づいたのか動きが止まる…

「待った!こちらは何もするつもりは無いから!出て行くから殺さないで!」

 どうやら女の声のようだ。しかも若い。気を抜かないように辺りに気を配るが未だに反応はない。

「いいわね?出て行くからね?殺さないでよ?」

強気なのか弱気なのかよく分からないが「そいつ」が茂みから現れる。その姿に俺は絶句してしまう。何故ならその姿は完全に大きなクマだからだ…
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...