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第2章 勇者大戦
クマの地球への思いと俺の思い
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アヤハをテントに入れ、俺とクマは焚き火の前で語り合う。
ゼラはテントの前でトバルと警戒中だ。
アヤハも話を聞きたがっていたが夜も深くなり子供は寝る時間だ。
「私、青崎 涼子と言います。」
クマはポツリポツリと自分がこの世界に来る直前の事から話し始めた。
「高校に幼馴染と登校中に、変な光の渦に飲み込まれそうになったんです。そしたら幼馴染が私を逃がそうとして突き飛ばしてくれたんだけど、結局はその渦に飲み込まれてしまって…」
そこでクマは上を向いて涙を流す。
多分だがその幼馴染の行動により彼女は勇者召喚の魔法陣の効果から外れたのだろう。
彼女もそれを薄々感じているのか表情が暗い。
「目が覚めたら私はこの姿になっていました。この…神の祝福?という効果によって私はこの姿に変化する事が出来る様になったんです。この姿だと魔物にも負けませんでしたし、食べ物が少なくても生きていけることが分かりました。でも…人恋しいんです。」
彼女は言葉を区切り俺の方を見る。
悪かったな、こんな奴が遭遇者になるなんて。
「村の近くにまで行ったことはあるんです。でも人が私を見るとどうしても逃げてしまって…喋ると余計に逃げちゃうんです。会話すら出来ない日々が続き、もう生きていく理由も考えられなくなってどうしようかと思っていた時に貴方達を見つけたんです。」
「それは尚更悪かったな。俺みたいな人間に当たるなんて、人に会いにいく前に何故姿を人間に戻さなかったんだ?そうすれば安全に会えたかも知れないのに」
俺の素っ気ない言葉に青崎は少しはにかんでこちらを見ながら話す。
「貴方とあの獣人の子がとても仲の良いように見えて、他の村とかでは獣人の人達はみんな人間に迫害されてましたから」
そう答える彼女は寂しそうに見える。
日本で会っていたら間違いなく助けたくなる状況だ。しかし、
「ここが日本なら俺もあんたを助けたかも知れない。だが、俺は犯罪者であんたは多分獣人と間違えられている。本当なら国際冒険者ギルドに行かせるのが一番だったんだろうが、よりにもよってあそこは俺達地球人の敵かも知れないからな」
焚き火を見ながら俺はあの日起こった事を思い出す。
エレイア姫の能力は既に勇者を超えていた。
あそこまで完成された力があれば量産されることにより勇者など要らなくなるだろう。
大体姫を改造した事が勇者には何も情報がなかったのだ。
それを考えれば残った勇者に対する処遇もある程度なら分かる。
きっと俺のように…
「すいません。そういえば貴方のお名前を聞いていませんでした。良ければお名前を教えてくれますか?」
青崎がふと、思い出したかのように俺に名前を聞いてくる。
既に国際手配されている俺は隠すことも無いので名前を教える。
「俺の名は桂 圭介だ。桂でも圭介でも好きな方でいい。俺はあんたを青崎と呼ばせてもらう。」
俺がそういうと青崎は驚いた様子でこちらを見ている。
何に驚いているか分からないがかなりショックを受けているようだった。
「け、圭介さんなの?」
青崎は俺の名を確認するように話しかけてくるがそれは初めて会った人間に対する呼び方ではない。
もっと親しげな、古い付き合いのあるような呼び方だ。
「済まないな。何処かで会ったことでもあるのか?俺は記憶も曖昧になってきていてな。正直失った記憶がある事は自覚してはいるんだ。」
今の俺は名前と一般知識程度の記憶しかない。
住んでいた町のことは分かるが近所の人の事など覚えていない。
死んだ両親の顔や思い出は残っているが肝心の名前は思い出せない。
天魔の魂を入れられた辺りからであろうか、あの辺りから人間として必要な物がぽっかりと失われた気がする。
代わりに凄まじい憎悪と復讐を誓う怒りが俺の精神を占めるようになってきた。
後、どのくらい意識は持つのかは分からない。
しかし、最後まで俺はこの憎しみと怒りは捨てる事がないだろう。
「そ、そんな、何も覚えていないんですか?涼子です。小さい頃、秀雄と一緒に遊んでもらった涼子なんです!」
俺の肩を掴み俺の目を見て、俺に問いかけてくる。
しかし俺には小さい頃の記憶など既に失われている。
しかし、知り合いだったのか。
なら、地球に戻してやりたいな。俺にはもう何も残っていない所なのだから…
「悪いが覚えていない。秀雄とやらが幼馴染なら勇者として俺の前に立つかも知れんな。」
俺の言葉が予想外だったのか驚いた表情でこちらを見ている。
俺の肩に付いた傷跡を見て冷静になったのか申し訳なさそうな表情だが、俺を説得する気が見て取れる。
だから俺は彼女に選択をさせてやる。
「お前が秀雄とやらを止めれるなら俺は何もしない。だが、秀雄が俺に相対するなら悪いが、秀雄は地球に帰らず、俺の手で死ぬ事になるだろう。秀雄に会うまでにどれを選ぶか考えておけ。俺はお前らが殺そうとするなら容赦はしない。」
俺の言葉に青崎は焚き火の火を見つめながら無言で夜明けが来るのを待つのであった。
ゼラはテントの前でトバルと警戒中だ。
アヤハも話を聞きたがっていたが夜も深くなり子供は寝る時間だ。
「私、青崎 涼子と言います。」
クマはポツリポツリと自分がこの世界に来る直前の事から話し始めた。
「高校に幼馴染と登校中に、変な光の渦に飲み込まれそうになったんです。そしたら幼馴染が私を逃がそうとして突き飛ばしてくれたんだけど、結局はその渦に飲み込まれてしまって…」
そこでクマは上を向いて涙を流す。
多分だがその幼馴染の行動により彼女は勇者召喚の魔法陣の効果から外れたのだろう。
彼女もそれを薄々感じているのか表情が暗い。
「目が覚めたら私はこの姿になっていました。この…神の祝福?という効果によって私はこの姿に変化する事が出来る様になったんです。この姿だと魔物にも負けませんでしたし、食べ物が少なくても生きていけることが分かりました。でも…人恋しいんです。」
彼女は言葉を区切り俺の方を見る。
悪かったな、こんな奴が遭遇者になるなんて。
「村の近くにまで行ったことはあるんです。でも人が私を見るとどうしても逃げてしまって…喋ると余計に逃げちゃうんです。会話すら出来ない日々が続き、もう生きていく理由も考えられなくなってどうしようかと思っていた時に貴方達を見つけたんです。」
「それは尚更悪かったな。俺みたいな人間に当たるなんて、人に会いにいく前に何故姿を人間に戻さなかったんだ?そうすれば安全に会えたかも知れないのに」
俺の素っ気ない言葉に青崎は少しはにかんでこちらを見ながら話す。
「貴方とあの獣人の子がとても仲の良いように見えて、他の村とかでは獣人の人達はみんな人間に迫害されてましたから」
そう答える彼女は寂しそうに見える。
日本で会っていたら間違いなく助けたくなる状況だ。しかし、
「ここが日本なら俺もあんたを助けたかも知れない。だが、俺は犯罪者であんたは多分獣人と間違えられている。本当なら国際冒険者ギルドに行かせるのが一番だったんだろうが、よりにもよってあそこは俺達地球人の敵かも知れないからな」
焚き火を見ながら俺はあの日起こった事を思い出す。
エレイア姫の能力は既に勇者を超えていた。
あそこまで完成された力があれば量産されることにより勇者など要らなくなるだろう。
大体姫を改造した事が勇者には何も情報がなかったのだ。
それを考えれば残った勇者に対する処遇もある程度なら分かる。
きっと俺のように…
「すいません。そういえば貴方のお名前を聞いていませんでした。良ければお名前を教えてくれますか?」
青崎がふと、思い出したかのように俺に名前を聞いてくる。
既に国際手配されている俺は隠すことも無いので名前を教える。
「俺の名は桂 圭介だ。桂でも圭介でも好きな方でいい。俺はあんたを青崎と呼ばせてもらう。」
俺がそういうと青崎は驚いた様子でこちらを見ている。
何に驚いているか分からないがかなりショックを受けているようだった。
「け、圭介さんなの?」
青崎は俺の名を確認するように話しかけてくるがそれは初めて会った人間に対する呼び方ではない。
もっと親しげな、古い付き合いのあるような呼び方だ。
「済まないな。何処かで会ったことでもあるのか?俺は記憶も曖昧になってきていてな。正直失った記憶がある事は自覚してはいるんだ。」
今の俺は名前と一般知識程度の記憶しかない。
住んでいた町のことは分かるが近所の人の事など覚えていない。
死んだ両親の顔や思い出は残っているが肝心の名前は思い出せない。
天魔の魂を入れられた辺りからであろうか、あの辺りから人間として必要な物がぽっかりと失われた気がする。
代わりに凄まじい憎悪と復讐を誓う怒りが俺の精神を占めるようになってきた。
後、どのくらい意識は持つのかは分からない。
しかし、最後まで俺はこの憎しみと怒りは捨てる事がないだろう。
「そ、そんな、何も覚えていないんですか?涼子です。小さい頃、秀雄と一緒に遊んでもらった涼子なんです!」
俺の肩を掴み俺の目を見て、俺に問いかけてくる。
しかし俺には小さい頃の記憶など既に失われている。
しかし、知り合いだったのか。
なら、地球に戻してやりたいな。俺にはもう何も残っていない所なのだから…
「悪いが覚えていない。秀雄とやらが幼馴染なら勇者として俺の前に立つかも知れんな。」
俺の言葉が予想外だったのか驚いた表情でこちらを見ている。
俺の肩に付いた傷跡を見て冷静になったのか申し訳なさそうな表情だが、俺を説得する気が見て取れる。
だから俺は彼女に選択をさせてやる。
「お前が秀雄とやらを止めれるなら俺は何もしない。だが、秀雄が俺に相対するなら悪いが、秀雄は地球に帰らず、俺の手で死ぬ事になるだろう。秀雄に会うまでにどれを選ぶか考えておけ。俺はお前らが殺そうとするなら容赦はしない。」
俺の言葉に青崎は焚き火の火を見つめながら無言で夜明けが来るのを待つのであった。
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