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屋敷へ 4*
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「医者は普通は、薬による治療を勧めるらしいからね。僕は医者じゃないから薬は使えない。ああ、でもこの方法は医師免許がなくてもできる行為だよ。尿道を使ったプレイの範囲内だから」
「プ、プレイなの……?」
陽斗は首を横に振り続けた。
「じゃあ、やめるかい? 何もかもをなかったことにして」
高梨がわずかに首を傾げる。陽斗の出方をうかがう表情で、銀色の瞳を眇めた。
「……でも、やめたら」
光斗はどうなる。それに、自分だって、やめたらもう高梨に会うことはできなくなるだろう。発情も一生しないかもしれない。
それでもいいのか。
思い悩む陽斗の姿を、高梨は黙って見ていた。決して強要はせず、決定権は陽斗にあると言いたげに。
それは考えようによっては、彼の優しさのような気がした。やはりこの人は、心根のところは悪人じゃないのかもしれない。掴み所のない人だけれど、今までの言動から信用に足る人物だということは判断できている。
陽斗はあやふやな気持ちを切り捨て、覚悟を決めて高梨に身を任せることにした。どのみち選択権などないのだ。やると決めたのだから潔く受け入れなければ。
「わかった。ごめん。する」
短く答えて、ドッと背もたれに倒れこんだ。もうどうにでもしてくれといった心境だった。
「潔いね。やっぱり君は男らしいよ」
高梨がニコリと微笑む。そして陽斗の内腿に優しく触れてきた。
「痛いことはしない。絶対に」
安心して、というように撫でてくる。陽斗は目をそらせて頷いた。
「じゃあ、ちょっと待ってて。手を洗ってくるから」
高梨は立ちあがり、奥にあるバスルームへと消えていった。水の流れる音がして、しばらくすると手のひらを拭きながら戻ってくる。もう一度スツールに腰かけて、今度はアルコールで指先まで消毒した。
「力を抜いて。始めるよ」
ギュッと目をとじると、かたわらで金属の棒を扱うカチャカチャという音が聞こえてくる。
「目はとじないで、見ててくれると嬉しいな」
「……そんな、怖いよ」
「君の反応を知りたい。さあ、僕に感じる顔を見せて」
陽斗は渋々、目をあけて自分の下肢に視線を落とした。そこでは高梨が陽斗の柔らかな肉茎を手に持ち、先端を消毒液を染みこませた綿で拭いている。
「ん……ッ……」
感じやすい場所を優しくこすられて、か弱い声が出そうになった。それをこらえて、疑問に思ったことをきいてみる。
「高梨さん、こういうことするの、経験あるの……」
「昨日、プロのところにいって一晩しっかりレクチャーを受けてきた。腕前はプロが保証したから大丈夫だよ」
高梨が顔をあげて微笑む。優秀なレア・アルファの余裕たっぷりの笑みに、けれど不安が減るわけではない。
「君も心配かもしれないから、手順を話しながら処置していくよ。まず、潤滑ゼリーを、尿道口付近に塗布する」
小さなアルミパウチを破り、上向けた陽斗の茎の先にたらしていく。ヒヤリと濡れた感触に囊がキュッと縮んだ。
「怖がらないで、リラックスしてて」
「……ん」
難しい注文に、うるみ始めた瞳で頷く。恐怖をおさえた陽斗の表情に、高梨は口の端をあげて満足そうにした。
そうして鞄からシリコーン製の細長い棒のようなものを手に取る。棒は二十センチほどの長さで、持ち手部分がついていた。直径は三ミリほど。その細い部分に丁寧にゼリーを塗っていく。
これが性器に通されるのかと想像すると、怖さと同時に、不可解な昂揚も生じてくる。
「プ、プレイなの……?」
陽斗は首を横に振り続けた。
「じゃあ、やめるかい? 何もかもをなかったことにして」
高梨がわずかに首を傾げる。陽斗の出方をうかがう表情で、銀色の瞳を眇めた。
「……でも、やめたら」
光斗はどうなる。それに、自分だって、やめたらもう高梨に会うことはできなくなるだろう。発情も一生しないかもしれない。
それでもいいのか。
思い悩む陽斗の姿を、高梨は黙って見ていた。決して強要はせず、決定権は陽斗にあると言いたげに。
それは考えようによっては、彼の優しさのような気がした。やはりこの人は、心根のところは悪人じゃないのかもしれない。掴み所のない人だけれど、今までの言動から信用に足る人物だということは判断できている。
陽斗はあやふやな気持ちを切り捨て、覚悟を決めて高梨に身を任せることにした。どのみち選択権などないのだ。やると決めたのだから潔く受け入れなければ。
「わかった。ごめん。する」
短く答えて、ドッと背もたれに倒れこんだ。もうどうにでもしてくれといった心境だった。
「潔いね。やっぱり君は男らしいよ」
高梨がニコリと微笑む。そして陽斗の内腿に優しく触れてきた。
「痛いことはしない。絶対に」
安心して、というように撫でてくる。陽斗は目をそらせて頷いた。
「じゃあ、ちょっと待ってて。手を洗ってくるから」
高梨は立ちあがり、奥にあるバスルームへと消えていった。水の流れる音がして、しばらくすると手のひらを拭きながら戻ってくる。もう一度スツールに腰かけて、今度はアルコールで指先まで消毒した。
「力を抜いて。始めるよ」
ギュッと目をとじると、かたわらで金属の棒を扱うカチャカチャという音が聞こえてくる。
「目はとじないで、見ててくれると嬉しいな」
「……そんな、怖いよ」
「君の反応を知りたい。さあ、僕に感じる顔を見せて」
陽斗は渋々、目をあけて自分の下肢に視線を落とした。そこでは高梨が陽斗の柔らかな肉茎を手に持ち、先端を消毒液を染みこませた綿で拭いている。
「ん……ッ……」
感じやすい場所を優しくこすられて、か弱い声が出そうになった。それをこらえて、疑問に思ったことをきいてみる。
「高梨さん、こういうことするの、経験あるの……」
「昨日、プロのところにいって一晩しっかりレクチャーを受けてきた。腕前はプロが保証したから大丈夫だよ」
高梨が顔をあげて微笑む。優秀なレア・アルファの余裕たっぷりの笑みに、けれど不安が減るわけではない。
「君も心配かもしれないから、手順を話しながら処置していくよ。まず、潤滑ゼリーを、尿道口付近に塗布する」
小さなアルミパウチを破り、上向けた陽斗の茎の先にたらしていく。ヒヤリと濡れた感触に囊がキュッと縮んだ。
「怖がらないで、リラックスしてて」
「……ん」
難しい注文に、うるみ始めた瞳で頷く。恐怖をおさえた陽斗の表情に、高梨は口の端をあげて満足そうにした。
そうして鞄からシリコーン製の細長い棒のようなものを手に取る。棒は二十センチほどの長さで、持ち手部分がついていた。直径は三ミリほど。その細い部分に丁寧にゼリーを塗っていく。
これが性器に通されるのかと想像すると、怖さと同時に、不可解な昂揚も生じてくる。
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