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初めてのデビュタントと隣国の王女様

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私とトムとメイの目の前に目を見張る光景が写し出されました。

3人でお茶会のお庭に続く廊下を時間を気にしながら進んで行きます。


一応招待されたとは言え王女様からの招待なので遅れて行くのは勿論論外ですが時間にピッタリなのも失礼なので早すぎず遅すぎの時間を狙ってお庭に着いたのですが、誰一人いません。

その前にお茶会のセッティングもされておりません。

あら?私場所を間違えたのかしら?

「なんですか、これは」

珍しくメイが非難の声をあげてます。

トムも唖然としています。

「トム今日はこの場所でお茶会と聞いたけど王宮の庭で他にお茶会をすると言うことは聞いてる?」

「いえ、そんな話はありません。
そもそも王宮でお茶会を開けるのは王妃様だけですよ。ルーチェ様
今回ラージグア王女様は特別に許可をもらってお庭でやるのですから」

あっ!そうですね。

今この王宮に王族の女性は王妃様だけでした。

王女様も王族の方なので…

しかし困りましたね。

もしかして王女様は急な訪問などがあり私とのお茶が出来なくなってしまったのかもしれませんね。

私は仕方なく

「トム、メイ戻りましょうか」

と、声をかけた所に

誰かがこちらにやってきます。 

見たところによると侍女の方みたいですね。

「ルーチェ様ラージグア王女の侍女の方です。」

トムが耳打ちをしてくれます。

そのまま侍女の方は私の方に来て

「ルーチェ様でいらっしゃいますか?」

「はい、そうです」

侍女の方は上から下に私を見ていきます。

何か変でしたかね?

「ラージグア様は多忙のため本日のお茶会の準備が出来ません。
なのでルーチェ様準備をしてお待ち下さい」

私は良くわからなかったのでもう一度聞いてみました。

「どういう意味ですか?
お茶会は中止ではないのでしょうか?」

「違います。
ラージグア様はお茶会の準備をルーチェ様にやって欲しいといことです。」

「えっ?私が今から準備をするのですか?」

「はい、そうです。
30分後にいらっしゃいます」

「?!」

「それではよろしくお願いいたします」

そう言うと、侍女の方は颯爽と行かれてしまいました。

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