2 / 4
その2
しおりを挟むチェザーレ中央大学。
この国で最も古い大学のひとつであり、3代目教皇チェザーレ1世が創設した歴史ある大学である。
様々な学部があり、そこの文学部考古学研究室にモリス・ブランドンは所属している。
「ふざけんな!!」
大学内に足を踏み入れた直後、そんな怒号が学内に響きわたる。 レオンとロゼットがその声の方向を見ると、先ほど入ってきた大学正門の前で男が守衛に向かって一方的に怒鳴っていた。
男は20代前後で黒髪は伸ばしっぱなしのためかボサボサで、着ている服もところどころほつれや穴が開いており、5月の半ばにもかかわらず、着ている服は冬もののため見ていて暑苦しさを感じる。
「何で中に入っちゃ駄目なんだよ!!」
「中に入れろって……君さぁ、この間あんなことしておきながらよくそんな台詞言えるねぇ。」
「うるさい!!とにかく中に入れろよ!!」
「いい加減にしろ!!あんまりしつこいと警察に連絡するぞ!!」
警察という言葉と守衛の剣幕に押されたのか、男はくそっ…と呟くと、踵を返しその場から立ち去った。
「うわっ、アイツまた来たのかよ。」
「ホント、懲りないよねぇ。」
ヒソヒソと先ほどのやりとりを見ていた学生達が囁きあう。その中の1人にレオン達は声をかけた。
「すみません。少しお話を伺ってもよろしいでしょうか。」
「ええ……!?アッ、はい。」
ロゼットに声をかけられた学生は少し戸惑いながらも応えてくれた。
「急に声をかけてゴメンね。僕達はこういう者なんだ。」
そう言うと、レオンは胸ポケットに入れている名刺を学生に差しだした。
「実はこの大学の考古学研究室に所属するモリス・ブランドン教授について聞きたいことがあるんだけど、何か知っているかい?」
「弁護官さん!?じゃあ・・・・・・・・・・・・・・・教授アイツを訴えるつもりなんだ!!」
「「……………アイツ??」」
「さっき、正門前で騒いでいたやつですよ。」
そう言われて、レオン達は数分前正門前で起きた出来事を思い出した。
「あの彼は何者なんですか?ここの学生さんではないんですか。」
ロゼットがそう尋ねると、学生は違いますよ。と答えた。
「自分、ブランドン教授の考古学研究室のゼミ生なんですけど。アイツ、数ヶ月前からウチの大学に現れてブランドン教授に付きまとっていたんです。なんか教授の胸倉掴んだり、喚いているのを他の学生たちも見てますよ。おまけに・・・・」
「「おまけに?」」
「アイツ、この前アリーチェ先生・・・・教授の婚約者を後ろから突き飛ばしたんですよ。」
その現場を目撃した学生と守衛によってアリーチェは無事だったが、あの男はその場から逃走した。
「かすり傷で済んだんですけど危なかったんですから。」
「危なかったっていうのはどういう事?」
「だって、アリーチェ先生・・・・・・・」
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
すべてはあなたの為だった~狂愛~
矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。
愛しているのは君だけ…。
大切なのも君だけ…。
『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』
※設定はゆるいです。
※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。
さようなら、あなたとはもうお別れです
四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。
幸せになれると思っていた。
そう夢みていたのだ。
しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる