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ランドットにて
アシュレイの出会い 2
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「外国の? ああ、アルダシールさんですか?」
ユリウスはあっさりと答えた。
アシュレイも驚いたが、マクシムとキャヴスの表情には緊張が走る。
アシュレイは食いついた。
「そう、その人よ! 彼は今どこにいるか知ってる?」
アルダシールがいる。しかも、本名を晒して堂々と滞在している。
ユリウスの反応では、アルダシールの素性には気付いていない。
一先ずは安堵が先行する。
追いかけるようにフツフツと怒りが湧いた。
「いつからここへ? その、誰かと……エステル様と一緒にいたり、する?」
「昨晩、到着されて、エステルの家にいますよ。今日の競い合いに参加すると言って……」
やっぱり! あいつめーー! と叫びそうになるのをマクシムが制した。
口を押さえるほどの無礼はしない。
肩を引かれたので、喉元まで出かかった声が引っ込む。
「先ほども仰っていましたが、競い合いとは、何です? アルダシールさ……さんが、参加されるのですか」
制してくれて良かったと思う。いきなり叫び出せば、警戒を招く。
そうなれば情報収集に支障が出る。
「競い合いは……エステルさんの夫を決める、ラーク住民の儀式です」
一瞬、ユリウスは、ぱちぱちと目を瞬き、説明してくれた。
「夫を、決める? 競い合って決めるの? 家族の合意ではなく?」
アシュレイとマクシム、それにキャヴス、3人の声が重なる。
ユリウスの視線は一呼吸の間に落ち、また持ち直す。
どうにも浮かない様子だ。
こちらの世界の上流社会では、政略結婚が基本だ。
それでも政略結婚の根底には思惑や打算が働いている。
本人の意思と乖離している点は同じだが、誰の得にもならない点は異質だ。
マクシムが「知っていたのか?」と、キャヴスに視線を投げる。
「いいや、初耳ですっ。そんな風習は聞いた記憶がありません」
ミスを指摘されたと焦ったのか、キャヴスは真っ赤になって否定した。
では、とユリウスを見やれば、彼も首を振る。
「滅多にない儀式なので、知らなくて当然ですよ。普通は両親が許せばそれでおしまいです。当人が乗り気でなければ周囲が斡旋する場合もありますけど……エステルは特別だから」
そこまで説明して、ユリウスはまた目を落とした。
説明してくれている時と、顔を伏せる時との表情のギャップが結構ある。
「その……、”特別”な理由って? とっても気になるんだけど、聞いてもいいかしら?」
どことなく痛まし気で、尋ねても良いのかどうか。
迷いながらも、アシュレイは質問した。
「もちろん。エステルには星読みの力があるんです」
「星読みって、どんな力?」
遠慮していたはずが、速攻で聞き返してしまった。
「ご存じの通り、星は遥か下界を見下ろす、万物の道標、全てを知っている。その星々の知識を読み解く能力を、エステルは持っているんです。能力は世襲されないので、一代限りになります。ですが本人とその伴侶は絶大な発言力を持つため、最も優れた者を選ぶために競い合いが行われるんですよ」
落ち込んでいたかと思えば、説明の最後はニコッと笑顔で締めくくってくれた。
ユリウスはあっさりと答えた。
アシュレイも驚いたが、マクシムとキャヴスの表情には緊張が走る。
アシュレイは食いついた。
「そう、その人よ! 彼は今どこにいるか知ってる?」
アルダシールがいる。しかも、本名を晒して堂々と滞在している。
ユリウスの反応では、アルダシールの素性には気付いていない。
一先ずは安堵が先行する。
追いかけるようにフツフツと怒りが湧いた。
「いつからここへ? その、誰かと……エステル様と一緒にいたり、する?」
「昨晩、到着されて、エステルの家にいますよ。今日の競い合いに参加すると言って……」
やっぱり! あいつめーー! と叫びそうになるのをマクシムが制した。
口を押さえるほどの無礼はしない。
肩を引かれたので、喉元まで出かかった声が引っ込む。
「先ほども仰っていましたが、競い合いとは、何です? アルダシールさ……さんが、参加されるのですか」
制してくれて良かったと思う。いきなり叫び出せば、警戒を招く。
そうなれば情報収集に支障が出る。
「競い合いは……エステルさんの夫を決める、ラーク住民の儀式です」
一瞬、ユリウスは、ぱちぱちと目を瞬き、説明してくれた。
「夫を、決める? 競い合って決めるの? 家族の合意ではなく?」
アシュレイとマクシム、それにキャヴス、3人の声が重なる。
ユリウスの視線は一呼吸の間に落ち、また持ち直す。
どうにも浮かない様子だ。
こちらの世界の上流社会では、政略結婚が基本だ。
それでも政略結婚の根底には思惑や打算が働いている。
本人の意思と乖離している点は同じだが、誰の得にもならない点は異質だ。
マクシムが「知っていたのか?」と、キャヴスに視線を投げる。
「いいや、初耳ですっ。そんな風習は聞いた記憶がありません」
ミスを指摘されたと焦ったのか、キャヴスは真っ赤になって否定した。
では、とユリウスを見やれば、彼も首を振る。
「滅多にない儀式なので、知らなくて当然ですよ。普通は両親が許せばそれでおしまいです。当人が乗り気でなければ周囲が斡旋する場合もありますけど……エステルは特別だから」
そこまで説明して、ユリウスはまた目を落とした。
説明してくれている時と、顔を伏せる時との表情のギャップが結構ある。
「その……、”特別”な理由って? とっても気になるんだけど、聞いてもいいかしら?」
どことなく痛まし気で、尋ねても良いのかどうか。
迷いながらも、アシュレイは質問した。
「もちろん。エステルには星読みの力があるんです」
「星読みって、どんな力?」
遠慮していたはずが、速攻で聞き返してしまった。
「ご存じの通り、星は遥か下界を見下ろす、万物の道標、全てを知っている。その星々の知識を読み解く能力を、エステルは持っているんです。能力は世襲されないので、一代限りになります。ですが本人とその伴侶は絶大な発言力を持つため、最も優れた者を選ぶために競い合いが行われるんですよ」
落ち込んでいたかと思えば、説明の最後はニコッと笑顔で締めくくってくれた。
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