学校一美人な奴の消しゴム拾ったら大変なことになった。

マガツゆい

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02話

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 「あ、そういえば。」

 と雛立が話を切り替え、パチンと手を叩く。

 「あの子が帰ってくるらしいわよ。」
 「あの子…って、アイツが!?あと2年はかかるんじゃなかったのか!?」
 「うん、それが速まったらしくて、明日には日本につくそうよ。」
  
 と雛立が言うと、「ま、まじか…」と春樹は項垂れた。
 
 「全く、春樹は素直じゃないね。僕らからすればだいぶ羨ましい話なのに。」

 と言うと、

 「激しく同意。春樹は贅沢。」

 と大輝はコクコクと頷いた。

 「いや、容姿はいいんだよ容姿は。」
 「「「いや、それが贅沢(だろ・でしょ)。」」」

 と弁解をしようとした春樹を僕ら3人はバッサリと切り捨てるとそれぞれ家の方向へと別れ、その日は終わった。

 翌日、僕はいつも通りみんなとの集合場所であるコンビニの前で買ったホットスナックを齧りつつ、みんなを待っていると春樹と陽太が2人で歩いてこっちにきていた。

 「あ、2人ともおはよう。」
 「おう、おはよう。」
 「おはよう…まだ殺されてなくてよかった。」

 と2人が挨拶を返してき…って

 「ちょっとまって、まだ殺されてないってどういうこと!?」

 と聞くと、

 「…なんか今すごいことになっている。」

 と大輝が言った。

 「すごいことって?」
 「話が複雑化したり分岐したりしていて、春樹にも意見を仰いだ。」
 「え?大輝で捌ききれないって…何があったのさ。」

 大輝は学校で情報屋と言われるほど学校内の情報を持っており、いわばスペシャリストですら人の手を借りたい状況に僕はよっぽどのことが起こったのだと身構えた。

 「俺も一応目を通したんだがな、確かに話が分かれすぎていて複雑化してはいたが、本筋…というか結末?が一緒だったのは救いだったな。」
 
 と春樹が言うと大輝もこくりと頷いた。

 「へぇ~、ちなみに聞くけど、その結末ってなんなの?」

 「は?お前まさかとは思うが把握してないのか?」

 「内容的に数人電凸していてもおかしくない。」

 2人が驚いたように言ったが僕は悪びれる様子もなく、

 「昨日は忙しかったからね。スマホはほとんど触ってないんだ。」

 と言うと

 「ああ、お前の忙しいは本当に忙しいからなぁ…」

 「生活の為だから致し方ない。」

 と2人とも理解を示してくれた。

 「それで?その本筋は?」

 と聞いていると、

 「あれ?あんた、把握してなかったの?」

 と雛立がやってきた。

 「その様子だと燎も知ってるみたいだし、燎に聞いてくれ。大輝、行くぞ。」

 「了解。秋葉、公正委員会にだけは気をつけろよ。」

 と言うと2人はそそくさと言ってしまった。僕ら2人はとりあえず学校へと歩き出す。

 「えっと一応確認だけど、本っ当に知らないの?」

 「え?う、うん。」

 頷き、首肯すると、雛立はハァ~っとため息をつくと、

 「秋葉。あんたは今、琴葉ちゃんをオトして付き合い始めたってことになってるのよ。本っ当に知らなかったの?」

 と教えてくれた。…ふむふむなるほど…僕とあの秦さんがねぇ……

 「はあぁぁぁぁ!?」
 「ちょっ…急に大声出さないでよ、びっくりするでしょ!」
 「いやいやいや。これは声が出るでしょ。だって琴葉って秦さんのことでしょ!?なんでそんなうわさがたった1日で駆け巡るの!?一体全体どういうことだよ!」

 だから大輝はあの時まだ殺されてなかったとかそんなことをぬかしていたのか。
 ちなみにうちの学校は大体の男子が秦さんを狙っているが、彼女自身がその手の話をことごとく断っているため暗黙のルールとして彼女作るのを禁止というのが男子の中に浸透しており、それを取り締まるため”公正委員会“なんていう噂だけで本当じゃなくても即処刑のやばい委員会が非公式で存在している。この噂は学校中に広がっているため、確実に処されるだろう。しかも相手が相手だ。
 仮に雛立とだったらまだ誤魔化しがきくし、処刑方法も学年男子全員との鬼畜鬼ごっこ(捕まったらその人の課題を1週間受け持つ罰ゲーム付き)ぐらいで済んだかもしれないが今回は噂の人物が秦さんなので、処刑方法も青天井でどんどんと鬼畜に磨きがかかってくるだろう。

 「なあ、雛立。僕生きて帰れると思う?」
 「知らないわよ。ご愁傷様としか言えないし、私にどうしろっての?」
 「何かフォローするとか…」
 「今のあの人達なら二股だの言って本当にバーサーカーになるかもしれないよ。」
 「あっ、やっぱり今のナシ!これ以上自分を追い詰めたくない!」

 と叫び僕は頭を抱えた。これから一体、僕はどうなってしまうのだろうか……無事に明日の朝日を見られるといいなぁ…
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