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03話
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秋葉が自身のこれからに絶望している頃、一足先に学校にたどり着いた春樹と大輝は…
「…なんか、物凄い殺気を感じるんだが?」
「…激しく同意。」
普段と変わらないはずの学校の校舎からおおよそ学校から発せられる気配ではないものが立ち込めている。あまりの殺気に普段うるさいほどに鳴いているカラスもダンマリとして気持ち早めに学校から離れている。
とりあえず気を取り直して2人は教室に入る。すると、
「おい、秋葉はどうした!?」
「いつも一緒にいるじゃねえか!奴はどこだ!?」
「八坂ァ、匿ったりしてねぇだろうなぁ!」
あっという間に囲まれた。
「お、お前ら落ち着け!もう少ししたらアイツもくる!訳あったアイツは今日寝坊して遅れて来てんだ!」
「いつもの時間に行っても奴はいなかったっ…!」
と俺らの弁解が通じったのか、俺ら2人を囲んでいた野郎どもは蜘蛛の子散らすように消えていった。やれやれと2人で顔を見合わせると、自分の机に荷物を置く。
「これは…相当やばいな。」
「人間の1人、2人なら余裕で呪殺せるレベル。」
と俺と陽太はガタガタと身を震わせていた。
「琴葉ちゃん、琴葉ちゃん。聞いたよ~、隣の席の比那山君と付き合い始めたんだって~。ねぇねぇ、なんて告られたの?」
と友達の工藤梢が聞いてくる。
「え…ち、ちょっと待って……は?」
と私は一瞬にして思考が宇宙まですっ飛んでいった。
「ヒナヤマクントツキアイハジメタンダッテ~」この一言が日本語のはずなのにどうしても理解できなかった。
「い、今何て?」
と恐る恐る梢に聞いてみる。
「え?比那山君と付き合い始めたんじゃなかったの?」
と小動物のように小首を傾げた梢に情報源を聞くが、
「へ?どこから聞いたかって…う~…誰だったっけ?」
どうやら忘れてしまったらしい。
「もう、しっかりしてよ!」
「ごめん、ごめん。で?どっちが告ったの?なんて言われたの?」
とぐいぐいと聞きながら近づいてくる梢を片手で押し戻しながら、
「そんな事実はないよ。そんなデマどっから流れてきたのよ…はーなーれーてー!」
というと。
「え?違うの?みんな知ってるからもう既成事実みたいになってるよ?」
「知らないわよ!…というか既成事実ってことはだいぶ前から噂レベルであったんじゃないの?」
「んーん、なんかね~男子が話を400°ぐらいひん曲げてガソリンに火をつけたレベルの速さで拡散されてって、その先々でまた話が曲がっていってこうなった感じやね。」
と既成事実の成り行きを説明してくれる。
「…なんかすごいことになってるね…」
「そうやね。まあデマってわかったらすぐにこの事態もおさまるでしょ。」
という梢の楽観的な意見に
「それもそうね。」
と妙に納得した私は梢と共に校門をくぐった。
「…なんか、物凄い殺気を感じるんだが?」
「…激しく同意。」
普段と変わらないはずの学校の校舎からおおよそ学校から発せられる気配ではないものが立ち込めている。あまりの殺気に普段うるさいほどに鳴いているカラスもダンマリとして気持ち早めに学校から離れている。
とりあえず気を取り直して2人は教室に入る。すると、
「おい、秋葉はどうした!?」
「いつも一緒にいるじゃねえか!奴はどこだ!?」
「八坂ァ、匿ったりしてねぇだろうなぁ!」
あっという間に囲まれた。
「お、お前ら落ち着け!もう少ししたらアイツもくる!訳あったアイツは今日寝坊して遅れて来てんだ!」
「いつもの時間に行っても奴はいなかったっ…!」
と俺らの弁解が通じったのか、俺ら2人を囲んでいた野郎どもは蜘蛛の子散らすように消えていった。やれやれと2人で顔を見合わせると、自分の机に荷物を置く。
「これは…相当やばいな。」
「人間の1人、2人なら余裕で呪殺せるレベル。」
と俺と陽太はガタガタと身を震わせていた。
「琴葉ちゃん、琴葉ちゃん。聞いたよ~、隣の席の比那山君と付き合い始めたんだって~。ねぇねぇ、なんて告られたの?」
と友達の工藤梢が聞いてくる。
「え…ち、ちょっと待って……は?」
と私は一瞬にして思考が宇宙まですっ飛んでいった。
「ヒナヤマクントツキアイハジメタンダッテ~」この一言が日本語のはずなのにどうしても理解できなかった。
「い、今何て?」
と恐る恐る梢に聞いてみる。
「え?比那山君と付き合い始めたんじゃなかったの?」
と小動物のように小首を傾げた梢に情報源を聞くが、
「へ?どこから聞いたかって…う~…誰だったっけ?」
どうやら忘れてしまったらしい。
「もう、しっかりしてよ!」
「ごめん、ごめん。で?どっちが告ったの?なんて言われたの?」
とぐいぐいと聞きながら近づいてくる梢を片手で押し戻しながら、
「そんな事実はないよ。そんなデマどっから流れてきたのよ…はーなーれーてー!」
というと。
「え?違うの?みんな知ってるからもう既成事実みたいになってるよ?」
「知らないわよ!…というか既成事実ってことはだいぶ前から噂レベルであったんじゃないの?」
「んーん、なんかね~男子が話を400°ぐらいひん曲げてガソリンに火をつけたレベルの速さで拡散されてって、その先々でまた話が曲がっていってこうなった感じやね。」
と既成事実の成り行きを説明してくれる。
「…なんかすごいことになってるね…」
「そうやね。まあデマってわかったらすぐにこの事態もおさまるでしょ。」
という梢の楽観的な意見に
「それもそうね。」
と妙に納得した私は梢と共に校門をくぐった。
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