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9.【SIDE:ティアナ】先代の聖女にやり方を問い詰められる
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婚約者のオスター様を部屋に招き、優雅なひとときを過ごしていたある日のこと。
メイドが慌てた様子で部屋に入って来て、こんなことを言い出しました。
「ティアナ様、また王宮からの招集がかかっています」
「またぁ?」
私は思わず顔をしかめてしまいます。
「勘弁してよ。この間も行ったばっかりじゃない?」
「申し訳ございません」
その様子に、びくりとメイドが肩を震わせました。
私の機嫌を損ねるとただでは済まないということが、屋敷の中に浸透しているのでしょう。
誰もが私の機嫌を伺っている――ちょっぴり機嫌が良くなった私は、呼び出しについて頭を巡らせます。
……まったく。心配性のおじさん達ですね。
面倒くさいと思いつつも、国王陛下からの招集とあれば応じるしかありません。
「その日はあいにく仕事が入っている。付き添いは出来ないが……ティアナ嬢、一人で大丈夫かい?」
「オスター様は心配性ですわ。これぐらい一人で大丈夫ですわ」
そうして数日後。
私は、再び王宮に向かうのでした。
◆◇◆◇◆
王宮にたどり着いた私を迎えたのは、いつになく厳しい顔をした国王陛下でした。
宰相や大臣など、なかなか見かけない顔ぶれまで勢揃いしています。
その中心に、普段は見かけない中年の女性の姿を見つけました。
「その方は、どちら様ですか?」
「はじめまして。先代の聖女であるラフィーネと申します」
そのおばさんは実に行儀よくドレスのふちをちょんとつまみ、礼儀よくお辞儀をしました。
私も慌ててそれに倣います。
「ま、待て。先代と今代の聖女が"はじめまして"とはどういうことだ?」
「別におかしなことではないでしょう。聖女の役割ぐらい、教本で読めば十分理解できます」
訝しげな様子で誰かが呟いたので、私はそう口にしてシャットアウト。
あまり状況は良くないようです。
「それで、先代の聖女様が何の御用ですか?」
「最近、竜の息吹が止まないことに不安を覚えて。是非とも『祈りの儀式』の様子を、見せて欲しいと思ったのですよ」
ラフィーネはにこやかにそう言いましたが、私の能力を疑っているのでしょう。
良くないことに国王陛下も猜疑心に満ちた目を向けてきます。
「先代には先代の、今代には今代のやり方があります。お見せしても、何も得られるものはないかと」
「あら? 歴代の聖女が受け継いできた神聖なやり方を、否定なさるのですか?」
歴代の聖女が受け継いできたやり方?
そんなもの初めて知りました。
ラフィーネは今さら何を、と驚いた顔をしています。
「ちょっと待って? 私がイリスちゃんに伝えたことは、何ひとつ伝わっていないのですか?」
「どうして、そこでお姉さまの名前が出るのですか?」
ムキになって尋ねる私に、ラフィーネも不思議そうな顔をします。
「イリスちゃんは昔から聖女の祈り興味があると言ってて。あの子は守護竜からも愛されていました。だから私は、てっきりイリスちゃんが次世代の聖女になるものかと……」
先代の聖女からの評価に、大臣たちを中心にざわめきが広がります。
私に向けられる不安そうな瞳の数々。
「お姉さまが守護竜に愛されていたなんて、真っ赤な嘘です!」
私はムキになって叫び声を上げてしまいました。
聖女らしからぬ姿に回りの視線はますます険しくなっていきますが、そのことに気づく余裕もそのときの私にはなかったのです。
メイドが慌てた様子で部屋に入って来て、こんなことを言い出しました。
「ティアナ様、また王宮からの招集がかかっています」
「またぁ?」
私は思わず顔をしかめてしまいます。
「勘弁してよ。この間も行ったばっかりじゃない?」
「申し訳ございません」
その様子に、びくりとメイドが肩を震わせました。
私の機嫌を損ねるとただでは済まないということが、屋敷の中に浸透しているのでしょう。
誰もが私の機嫌を伺っている――ちょっぴり機嫌が良くなった私は、呼び出しについて頭を巡らせます。
……まったく。心配性のおじさん達ですね。
面倒くさいと思いつつも、国王陛下からの招集とあれば応じるしかありません。
「その日はあいにく仕事が入っている。付き添いは出来ないが……ティアナ嬢、一人で大丈夫かい?」
「オスター様は心配性ですわ。これぐらい一人で大丈夫ですわ」
そうして数日後。
私は、再び王宮に向かうのでした。
◆◇◆◇◆
王宮にたどり着いた私を迎えたのは、いつになく厳しい顔をした国王陛下でした。
宰相や大臣など、なかなか見かけない顔ぶれまで勢揃いしています。
その中心に、普段は見かけない中年の女性の姿を見つけました。
「その方は、どちら様ですか?」
「はじめまして。先代の聖女であるラフィーネと申します」
そのおばさんは実に行儀よくドレスのふちをちょんとつまみ、礼儀よくお辞儀をしました。
私も慌ててそれに倣います。
「ま、待て。先代と今代の聖女が"はじめまして"とはどういうことだ?」
「別におかしなことではないでしょう。聖女の役割ぐらい、教本で読めば十分理解できます」
訝しげな様子で誰かが呟いたので、私はそう口にしてシャットアウト。
あまり状況は良くないようです。
「それで、先代の聖女様が何の御用ですか?」
「最近、竜の息吹が止まないことに不安を覚えて。是非とも『祈りの儀式』の様子を、見せて欲しいと思ったのですよ」
ラフィーネはにこやかにそう言いましたが、私の能力を疑っているのでしょう。
良くないことに国王陛下も猜疑心に満ちた目を向けてきます。
「先代には先代の、今代には今代のやり方があります。お見せしても、何も得られるものはないかと」
「あら? 歴代の聖女が受け継いできた神聖なやり方を、否定なさるのですか?」
歴代の聖女が受け継いできたやり方?
そんなもの初めて知りました。
ラフィーネは今さら何を、と驚いた顔をしています。
「ちょっと待って? 私がイリスちゃんに伝えたことは、何ひとつ伝わっていないのですか?」
「どうして、そこでお姉さまの名前が出るのですか?」
ムキになって尋ねる私に、ラフィーネも不思議そうな顔をします。
「イリスちゃんは昔から聖女の祈り興味があると言ってて。あの子は守護竜からも愛されていました。だから私は、てっきりイリスちゃんが次世代の聖女になるものかと……」
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私に向けられる不安そうな瞳の数々。
「お姉さまが守護竜に愛されていたなんて、真っ赤な嘘です!」
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