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14.王宮に守護竜様と向かう事になりました
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昨夜の騒ぎの翌日。
私はラフィーネから、再度、通信を受け取りました。
「はあ。ダメーナ子爵家の取り潰しですか……」
彼女が言うには、今回の騒動の責任を追求され、ダメーナ子爵家がお家取り潰しの憂き目に遭っているとのことでした。
『ダメーナ子爵家の行いを明らかにするため。こんなこと頼める立場ではないんだけど、イリスちゃんにも何があったのか証言して欲しいんです』
そんなラフィーネの言葉。
正直なところ、もう関わりたくもないという気持ちもありました。
それでも自分は、この件に無関係という訳ではないでしょう。
私は王宮に向かうことを決意しました。
「アルペジオ様。私、王宮に行ってきます」
「いきなり、どういうことだ?」
彼に問われ、私はラフィーネから王宮に来るようにと言われたことを伝えます。
「そのような場所――イリス嬢だけを行かせてなるものか」
アルペジオは付いてくると言って聞きませんでした。
そうして私は、守護竜と共に王宮に戻ることになったのです。
◆◇◆◇◆
王宮の謁見の間には、国王陛下と宰相、そして大臣たちが勢ぞろいしていました。
そんな状況で、両親が居心地悪そうに小さくなっていました。
機嫌が悪そうな妹も一緒なようです。
「私の祈りは、たしかに守護竜に届くものでした。そんな言いがかりを付けられるなんて、はなはだ不愉快です」
「もうじき全て分かるわよ」
ティアナのそばには、ラフィーネが居ました。
なにやら言い争っているようです。
「お姉さま、その男は誰ですか? このような場に無関係の方を呼ぶなんて、随分と常識外れなことをなさるのですね」
やがてティアナがこちらに気づき、意地悪く微笑みながら、そんなことを言います。
ラフィーネが止めようとするも、間に合わない――そんな最悪の早業でした。
「ティアナ、口を慎みなさい。この方は守護竜の人化した姿。ある意味、誰よりもこの場に相応しい方よ」
「な、なにをそんな馬鹿なこと……!」
ティアナは何やら反論しようとしていましたが、
「――ッ!」
アルペジオがひと睨みすると、声を失ったように黙り込みました。
竜の威圧――その覇気を受けて、なお逆らえる者など居ません。
アルペジオ様はつかつかと城の窓を開けると――
「竜の息吹!」
空に吸い込まれていく力強い光。
それは人々を怯えさせてきた竜の怒り――竜の息吹にほかなりませんでした。
「まだ我が守護竜であることに、疑問を挟むものは居るか?」
アルペジオはそう言いながら、あたりを見渡します。
「あ、アルペジオ様! 強引すぎます!」
「すまない。だかあの女を前にすると、冷静で居られなくてな。これもイリス嬢を守るためだ……」
咎めるような私に、アルペジオは申し訳なさそうに答えました。
守護竜が人化して、王宮を訪れたらしい。
しかもどうやら、生贄として送り込んだ人間と友好関係を築いているらしい。
信じられないものを見るような目が、私たちに向けられました。
「これより聖女ティアナから話を聞き、何が起きたかをすべて公正に判断させてもらおう」
やがて気を取り直したように、国王陛下がそう宣言しました。
私はラフィーネから、再度、通信を受け取りました。
「はあ。ダメーナ子爵家の取り潰しですか……」
彼女が言うには、今回の騒動の責任を追求され、ダメーナ子爵家がお家取り潰しの憂き目に遭っているとのことでした。
『ダメーナ子爵家の行いを明らかにするため。こんなこと頼める立場ではないんだけど、イリスちゃんにも何があったのか証言して欲しいんです』
そんなラフィーネの言葉。
正直なところ、もう関わりたくもないという気持ちもありました。
それでも自分は、この件に無関係という訳ではないでしょう。
私は王宮に向かうことを決意しました。
「アルペジオ様。私、王宮に行ってきます」
「いきなり、どういうことだ?」
彼に問われ、私はラフィーネから王宮に来るようにと言われたことを伝えます。
「そのような場所――イリス嬢だけを行かせてなるものか」
アルペジオは付いてくると言って聞きませんでした。
そうして私は、守護竜と共に王宮に戻ることになったのです。
◆◇◆◇◆
王宮の謁見の間には、国王陛下と宰相、そして大臣たちが勢ぞろいしていました。
そんな状況で、両親が居心地悪そうに小さくなっていました。
機嫌が悪そうな妹も一緒なようです。
「私の祈りは、たしかに守護竜に届くものでした。そんな言いがかりを付けられるなんて、はなはだ不愉快です」
「もうじき全て分かるわよ」
ティアナのそばには、ラフィーネが居ました。
なにやら言い争っているようです。
「お姉さま、その男は誰ですか? このような場に無関係の方を呼ぶなんて、随分と常識外れなことをなさるのですね」
やがてティアナがこちらに気づき、意地悪く微笑みながら、そんなことを言います。
ラフィーネが止めようとするも、間に合わない――そんな最悪の早業でした。
「ティアナ、口を慎みなさい。この方は守護竜の人化した姿。ある意味、誰よりもこの場に相応しい方よ」
「な、なにをそんな馬鹿なこと……!」
ティアナは何やら反論しようとしていましたが、
「――ッ!」
アルペジオがひと睨みすると、声を失ったように黙り込みました。
竜の威圧――その覇気を受けて、なお逆らえる者など居ません。
アルペジオ様はつかつかと城の窓を開けると――
「竜の息吹!」
空に吸い込まれていく力強い光。
それは人々を怯えさせてきた竜の怒り――竜の息吹にほかなりませんでした。
「まだ我が守護竜であることに、疑問を挟むものは居るか?」
アルペジオはそう言いながら、あたりを見渡します。
「あ、アルペジオ様! 強引すぎます!」
「すまない。だかあの女を前にすると、冷静で居られなくてな。これもイリス嬢を守るためだ……」
咎めるような私に、アルペジオは申し訳なさそうに答えました。
守護竜が人化して、王宮を訪れたらしい。
しかもどうやら、生贄として送り込んだ人間と友好関係を築いているらしい。
信じられないものを見るような目が、私たちに向けられました。
「これより聖女ティアナから話を聞き、何が起きたかをすべて公正に判断させてもらおう」
やがて気を取り直したように、国王陛下がそう宣言しました。
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