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2章 赤ちゃんと孤児とオークキング
第23話 3人のスキル
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3人にスキルについて尋ねた。
俺のサンダーボルトの件もある。スキルを獲得しているのに、それを知らない場合があるのだ。
「私のスキルは隠密だけよ」とアイリが言った。
彼女はプラントクローズというスキルも使えるはずだった。
「プラントクローズは?」と俺は尋ねた。
なにそれ? という風にアイリが首を傾げた。
「俺のスキルで君達のスキルを確認したんだ。アイリは隠密とプラントクローズというスキルが使えるはずなんだ。植物を操るスキルだよ」
アイリは目をパチクリさせていた。
まだ自分のスキルが理解できていないみたいである。
俺はキッチンに置いていたにんじんを持って来た。
「にんじんの葉っぱが伸びるようなイメージをして、プラントクローズと唱えるんだ」
魔法はイメージが大切である。スキル名は唱えなくてもスキルは発動できるけど、言葉を口にする事で具現化しやすい。
「プラントクローズ」
とアイリがにんじんに手をかざして呟いた。
にんじんの葉の部分が伸びる。
「すげぇ」とクロスが叫んだ。
「うるさいわよ」とマミが言う。
「先生、俺は? 俺は?」
「クロスはスラッシュ」
「スラッシュは知ってる」と彼が言う。
「それと隠蔽が使える」
「いんぺい?」とクロスが首を傾げた。
「物体を隠すスキルだよ」
「隠蔽」とクロスが言って、にんじんにスキルを使った。
そこにあったはずの葉っぱの伸びたにんじんが見えなくなった。
「なにも起きねぇじゃねーかよ」とクロスが言う。
「にんじんはどこにやったんだ?」と俺は尋ねた。
「何を言ってんだよ。机の上にあるじゃねぇーか」とクロスが言う。
俺はアイリとマミを見た。
「見えるか?」と俺は尋ねた。
2人は首を横に振った。
「すげぇー、見えないのかよ」とクロスが言う。
俺は机に手を伸ばした。
にんじんの感触があるのを察知した瞬間、にんじんが見えた。
「2人にも見えるか?」と俺は尋ねた。
「見える」とマミが答えた。
「解除条件は誰かが触ることか」
と俺が言う。
「人に対してはかけられるのか?」と俺は尋ねた。
「隠蔽」とクロスが言って、スキルをマミにかけた。
「消えた」と俺が言う。
「マミ?」と不安そうにアイリが言う。
「何で私にスキルをかけるのよ、ってマミは怒ってる」とクロスが言う。
「それじゃあ次はクロスが触ってもスキルが解除されるか確認しよう」と俺が言い終わる前にクロスはマミに触れていた。
実践で使ってみたら、もっと制限があるかもしれないけど人物に使えるのは、かなり使えるだろう。
「先生、それじゃあ私も教えてくれる?」
「マミはアイテムボックス」と俺が言う。
「それは知ってるわ」とマミが言う。
「どれぐらい収納できるの?」と俺は尋ねた。
「リュック一つ分」とマミは言って溜息をついた。
「君はそのスキルを気にいってないの?」
「荷物持ちのスキルじゃない」
「そんなことないよ。永久的に保管ができるんだよ。すごいスキルだよ」と俺は言った。
不確かなことだから口に出しては言えないけど、今はリック一つ分でもレベルが上がたら、アイテムボックスに入れられる量が増えるかもしれないのだ。
「先生、他に何かないの?」とマミが尋ねた。
「あとファイアーボールが出せる」
えっ! と嬉しそうにマミが飛び跳ねた。
そして「ファイアー」とスキルを出そうとしてクロスが止めた。
「何すんだよ。先生の家だぞ」とクロス。
「ごめんなさい。興奮しちゃって」とマミが言って、ペコリと俺に謝る。
「家で使ったらダメだよ」と俺は言う。
俺はファイアーボールが家で放たれるのではないかと焦っていた。クロス、止めてくれてサンキュー。
「ファイアーボールは森でやろうな」と俺が言う。
「はい」とマミが言った。
「そろそろ行くの?」とソファで授乳している美子さんが尋ねた。
「行くよ」と俺が言う。
「外は寒くない? 子ども達にポンチョはいらない?」
もう冬から春になろうとしている。
もしかしたら人によっては、まだポンチョは必要かもしれない。
「君達はポンチョはいるかい?」と俺は尋ねた。
「大丈夫」とクロスが言う。
「私もいらない」とマミが言う。
アイリも首を横に振っていた。
「いらないみたい」と俺が言う。
「それじゃあ行ってくるね」
美子さんが手を振った。
3人が笑顔で手を振り返している。
俺は3人を連れて、恐怖がこびりついた森へ。
俺のサンダーボルトの件もある。スキルを獲得しているのに、それを知らない場合があるのだ。
「私のスキルは隠密だけよ」とアイリが言った。
彼女はプラントクローズというスキルも使えるはずだった。
「プラントクローズは?」と俺は尋ねた。
なにそれ? という風にアイリが首を傾げた。
「俺のスキルで君達のスキルを確認したんだ。アイリは隠密とプラントクローズというスキルが使えるはずなんだ。植物を操るスキルだよ」
アイリは目をパチクリさせていた。
まだ自分のスキルが理解できていないみたいである。
俺はキッチンに置いていたにんじんを持って来た。
「にんじんの葉っぱが伸びるようなイメージをして、プラントクローズと唱えるんだ」
魔法はイメージが大切である。スキル名は唱えなくてもスキルは発動できるけど、言葉を口にする事で具現化しやすい。
「プラントクローズ」
とアイリがにんじんに手をかざして呟いた。
にんじんの葉の部分が伸びる。
「すげぇ」とクロスが叫んだ。
「うるさいわよ」とマミが言う。
「先生、俺は? 俺は?」
「クロスはスラッシュ」
「スラッシュは知ってる」と彼が言う。
「それと隠蔽が使える」
「いんぺい?」とクロスが首を傾げた。
「物体を隠すスキルだよ」
「隠蔽」とクロスが言って、にんじんにスキルを使った。
そこにあったはずの葉っぱの伸びたにんじんが見えなくなった。
「なにも起きねぇじゃねーかよ」とクロスが言う。
「にんじんはどこにやったんだ?」と俺は尋ねた。
「何を言ってんだよ。机の上にあるじゃねぇーか」とクロスが言う。
俺はアイリとマミを見た。
「見えるか?」と俺は尋ねた。
2人は首を横に振った。
「すげぇー、見えないのかよ」とクロスが言う。
俺は机に手を伸ばした。
にんじんの感触があるのを察知した瞬間、にんじんが見えた。
「2人にも見えるか?」と俺は尋ねた。
「見える」とマミが答えた。
「解除条件は誰かが触ることか」
と俺が言う。
「人に対してはかけられるのか?」と俺は尋ねた。
「隠蔽」とクロスが言って、スキルをマミにかけた。
「消えた」と俺が言う。
「マミ?」と不安そうにアイリが言う。
「何で私にスキルをかけるのよ、ってマミは怒ってる」とクロスが言う。
「それじゃあ次はクロスが触ってもスキルが解除されるか確認しよう」と俺が言い終わる前にクロスはマミに触れていた。
実践で使ってみたら、もっと制限があるかもしれないけど人物に使えるのは、かなり使えるだろう。
「先生、それじゃあ私も教えてくれる?」
「マミはアイテムボックス」と俺が言う。
「それは知ってるわ」とマミが言う。
「どれぐらい収納できるの?」と俺は尋ねた。
「リュック一つ分」とマミは言って溜息をついた。
「君はそのスキルを気にいってないの?」
「荷物持ちのスキルじゃない」
「そんなことないよ。永久的に保管ができるんだよ。すごいスキルだよ」と俺は言った。
不確かなことだから口に出しては言えないけど、今はリック一つ分でもレベルが上がたら、アイテムボックスに入れられる量が増えるかもしれないのだ。
「先生、他に何かないの?」とマミが尋ねた。
「あとファイアーボールが出せる」
えっ! と嬉しそうにマミが飛び跳ねた。
そして「ファイアー」とスキルを出そうとしてクロスが止めた。
「何すんだよ。先生の家だぞ」とクロス。
「ごめんなさい。興奮しちゃって」とマミが言って、ペコリと俺に謝る。
「家で使ったらダメだよ」と俺は言う。
俺はファイアーボールが家で放たれるのではないかと焦っていた。クロス、止めてくれてサンキュー。
「ファイアーボールは森でやろうな」と俺が言う。
「はい」とマミが言った。
「そろそろ行くの?」とソファで授乳している美子さんが尋ねた。
「行くよ」と俺が言う。
「外は寒くない? 子ども達にポンチョはいらない?」
もう冬から春になろうとしている。
もしかしたら人によっては、まだポンチョは必要かもしれない。
「君達はポンチョはいるかい?」と俺は尋ねた。
「大丈夫」とクロスが言う。
「私もいらない」とマミが言う。
アイリも首を横に振っていた。
「いらないみたい」と俺が言う。
「それじゃあ行ってくるね」
美子さんが手を振った。
3人が笑顔で手を振り返している。
俺は3人を連れて、恐怖がこびりついた森へ。
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