【完結】異世界転移で落ちて来たイケメンからいきなり嫁認定された件

りゆき

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27-2 お披露目へ

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 俺がジェイクを見ていたせいか、ジウシードがムッとして俺の傍に寄ったかと思うと、ぎゅうっと抱き締められた。ぐえっ。
 そんな姿をリョウは苦笑しつつ、ジェイクの傍へと寄った。そして何かを耳打ちすると、ジェイクは眉間に皺を寄せ鬼のような形相になったかと思うと、カァァァアッとみるみる内に赤くなった。

 この場にいる全員が「え!?」といった顔となり、まじまじとジェイクを見詰めてしまう。

「お、俺を見るな!!」

 真っ赤な顔のままジェイクは叫び、グリンと後ろを向いたかと思うと、「うがぁぁ」とか変な声を上げながら、髪を思い切り掻きむしっていた。な、なんなんだ一体……。

 唖然としていると、扉を叩く音が聞こえ、ラウルが部屋のなかへと入って来た。

「皆様、そろそろお披露目のお時間です」

 ラウルと共にもう一人男が入って来た。その男はジェイクに声を掛けていたため、どうやらジェイクの側近なのだろう。ジェイクは真っ赤な顔のまま、髪がぐしゃぐしゃになってしまっていたところを、その側近の男に呆れたような顔で整えられていた。

「兄貴、お披露目が終わってからもう少し話せるか? 出来れば二人で」
「? あ、あぁ、分かった」

 二人で、ということにジウシードが納得するかが疑問だが、まあそこは兄弟で積もる話がしたい、とお願いしてみるか。
 了承の意を伝えると、お互い手を振り、パートナーと共に大広間を出た。

 各々の側近が先導し……ウェジエの場合はフェシスだから先導する側近はいないのだが。長い廊下を歩き、階段を上がり上階へ。そしてなにやら再びやたらと広い部屋へと入ったかと思うと、正面には壁一面の硝子窓。光が差し込みとても明るい。眩しさに思わず目を細めた。

 そしてその窓へと歩み寄ると、なにやら外からは喧騒が聞こえる。

「ここは王城の正面となります。正門が開かれ、各々の領地から皆様をひと目見ようと集まった領民の方々がおられます」

 ラウルがそう説明すると、硝子窓の先へと広がるバルコニーへと促した。硝子窓は大きく開かれ、穏やかな風が吹き込む。俺の服がひらひらと風に靡き、その姿にジウシードが嬉しそうに微笑んだ。

「天使のようだな」
「!!」

 また小っ恥ずかしい台詞を!! 天使な訳あるか!! こんなおっさんが!! 服がってだけだろうが!!
 服は確かに真っ白でさらさらの生地で、まるで天使や神様みたいだが!!

 光を浴びて、なにやらキラキラと細かく光っているようにすら見える白い生地。パールっぽいっての?

「誓約の証が際立って美しい」
「は!?」

 誓約の証!? そ、そうか、真っ白の服の合間から覗き見える誓約の証。それが深紅の色で浮き出ているのが、確かに際立つ……な、なんか恥ずかしい……。

「俺の色だ」

 そう言ってさわっと誓約の証を撫で、こめかみにキスをする。

「んあん」

 ひっ、周りにみんながいるのに変な声が!! 幸い、誰も気付いていないようで安心したが、キッとジウシードを睨む。

「こ、こんなところで触るな!!」
「それは聞けない願いだな」

 ニヤッと意地悪そうに笑ったジウシードは耳に口を這わせると、熱い吐息と共に言葉を投げ掛けた。

「この服にして正解だった。俺の色を身体に刻んだアキラの姿を見て、誰もがアキラは俺のものだとひと目で分かる」

 低く熱の籠った声で囁かれ、そしてベロりと耳を舐められる。ぞわぞわと鳥肌が立ち、腰が震えた。

「やっ」

 バッと耳を手で塞ぎ、ジウシードを睨むが、ジウシードはひたすら嬉しそうな顔で俺の腰をがっしりと抱き寄せていた。く、くそぅ。

「さあ、行こう」

 ジェイクとリョウ、ウェジエとフェシスがバルコニーへと出て行ったあとに、俺たちもそれに続いた。


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