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2章 第2の婚約者
37.選択肢
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「なるほど、確かにそれは『今の』君がとれる最善手だね。魔法を使って、余を殺す。あるいは、余を殺すと脅す。速射、遠距離可能、絶大な威力、常時携帯可能な魔法を使えるアリシアさんだからこそ使える手段だ」
彼はまるで恐れていなかった。
怯えていなかった。
アルベルトのように、みっともなく恐怖に支配されていない。
私の魔法の力を、十分に知っている口ぶりなのに。
いや、こちらがびびってどうする?
この状況を打破できるのは私だけ。
魔法を使える私だけ。
落ち着け、惑わされるな。
火龍だって一撃で滅ぼした自分の力を信じろ。
私にとっての天敵は召喚者だけ。
つまりはゴットファザと、まだ見ぬ大魔女アルベイスのみ。
ならば、目の前の改良人間バルバトロスはただの人と変わらないはず。
「だからこそ、余は兄さんたちの殺害を君にお願いしたんだ♪」
命を奪われるかもしれない、その最中。
彼は交渉の続きを話する。
圧倒的余裕。
言葉の端々から溢れる余裕。
「うるさい、貴方に未来はない」
意識を集中させ、魔力を解き放つ。
メノウとリヒーを巻き込む訳にはいかない。
最小の範囲で、
最大の威力を叩き込む。
何を仕掛けているかは知らないが、
どんな対策を用意しているかは知らないが、
諸共に消しとばすっ!
「私がここでーー殺すから」
死刑宣告とともに、
轟音と爆発がバルバトロスに炸裂した。
先日の火龍と同じく、
四肢は爆ぜ、
治療不能の致命傷を負わせる。
辺りには彼の部品が散らばる、
赤い血が飛び散る。
魔法の衝撃波は彼の背後まで貫通し、壁に大穴を開けた。
からからと、破片が崩れ落ちる。
「なんだ、なんてことはない。偉そうなことを宣っていた割に、呆気ない」
「そうだね、呆気ない。やはり余の命を奪うには全然足りていない。まだまだだね、というやつだ」
そんな嘲笑と共に、散らばったバルバトロスの部品が集まっていく。
元のキュートな彼の肉体を、形作る。
その自己修復に大した時間はかからなかった。
10秒と待たず、再生は完了した。
「あーあ、こんなにでかい穴を開けたら修理が大変だよー。この代償は高くつくよ、アリシアさん」
にっこりと笑顔を向け、
感情の乗っていない、作り物の言葉を向ける。
再生能力、
さっきからの余裕はそう言うことか。
漫画とかで見たことある設定。
この手の敵を殺すための手段は二つ。
再生が追いつかない程の速度で連続攻撃を叩き込むか、
再生の起点となるパーツ(今回は分からなので全破壊)を完全に破壊するか。
取り急ぎ、後者を選択する。
意識を集中。
破壊をイメージ。
「駄目だよ。人生は短い、チャンスは一回」
冷たく言い放つ。
その言葉を合図に、メノウを囲んでいた兵士が動く。
行動を開始する。
命令を遂行する。
「お嬢様ーー申し訳、ありません」
メノウの胸に、槍が、剣が、突き立てられる。
赤い血が吹き出る。
謝罪の意のこもった瞳が私を映す。
「急所は外してもらった。彼女はまだ生きているし、まだ助かる、まだ助けられる。さて、アリシアさん。もう一度聞くよ」
バルバトロスは、私に言う。
「余の兄さんたちを、殺してくれるかな?」
見知らぬ敵の兄君二人、
異世界で良くしてくれた使用人二人。
命の重さ、
天秤の針。
私が選べる選択肢はなかった。
彼はまるで恐れていなかった。
怯えていなかった。
アルベルトのように、みっともなく恐怖に支配されていない。
私の魔法の力を、十分に知っている口ぶりなのに。
いや、こちらがびびってどうする?
この状況を打破できるのは私だけ。
魔法を使える私だけ。
落ち着け、惑わされるな。
火龍だって一撃で滅ぼした自分の力を信じろ。
私にとっての天敵は召喚者だけ。
つまりはゴットファザと、まだ見ぬ大魔女アルベイスのみ。
ならば、目の前の改良人間バルバトロスはただの人と変わらないはず。
「だからこそ、余は兄さんたちの殺害を君にお願いしたんだ♪」
命を奪われるかもしれない、その最中。
彼は交渉の続きを話する。
圧倒的余裕。
言葉の端々から溢れる余裕。
「うるさい、貴方に未来はない」
意識を集中させ、魔力を解き放つ。
メノウとリヒーを巻き込む訳にはいかない。
最小の範囲で、
最大の威力を叩き込む。
何を仕掛けているかは知らないが、
どんな対策を用意しているかは知らないが、
諸共に消しとばすっ!
「私がここでーー殺すから」
死刑宣告とともに、
轟音と爆発がバルバトロスに炸裂した。
先日の火龍と同じく、
四肢は爆ぜ、
治療不能の致命傷を負わせる。
辺りには彼の部品が散らばる、
赤い血が飛び散る。
魔法の衝撃波は彼の背後まで貫通し、壁に大穴を開けた。
からからと、破片が崩れ落ちる。
「なんだ、なんてことはない。偉そうなことを宣っていた割に、呆気ない」
「そうだね、呆気ない。やはり余の命を奪うには全然足りていない。まだまだだね、というやつだ」
そんな嘲笑と共に、散らばったバルバトロスの部品が集まっていく。
元のキュートな彼の肉体を、形作る。
その自己修復に大した時間はかからなかった。
10秒と待たず、再生は完了した。
「あーあ、こんなにでかい穴を開けたら修理が大変だよー。この代償は高くつくよ、アリシアさん」
にっこりと笑顔を向け、
感情の乗っていない、作り物の言葉を向ける。
再生能力、
さっきからの余裕はそう言うことか。
漫画とかで見たことある設定。
この手の敵を殺すための手段は二つ。
再生が追いつかない程の速度で連続攻撃を叩き込むか、
再生の起点となるパーツ(今回は分からなので全破壊)を完全に破壊するか。
取り急ぎ、後者を選択する。
意識を集中。
破壊をイメージ。
「駄目だよ。人生は短い、チャンスは一回」
冷たく言い放つ。
その言葉を合図に、メノウを囲んでいた兵士が動く。
行動を開始する。
命令を遂行する。
「お嬢様ーー申し訳、ありません」
メノウの胸に、槍が、剣が、突き立てられる。
赤い血が吹き出る。
謝罪の意のこもった瞳が私を映す。
「急所は外してもらった。彼女はまだ生きているし、まだ助かる、まだ助けられる。さて、アリシアさん。もう一度聞くよ」
バルバトロスは、私に言う。
「余の兄さんたちを、殺してくれるかな?」
見知らぬ敵の兄君二人、
異世界で良くしてくれた使用人二人。
命の重さ、
天秤の針。
私が選べる選択肢はなかった。
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