追放された悪役令嬢は残念領主を導きます

くわっと

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一章

10.5 幕間 どこかの誰かの過去語り

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小さい時、いつも一人だった気がする。
一人で何でも出来たから、
教えられたことは何でもできたら。

手のかからない子と褒められた。
やれば出来る子と褒められた。
才能の塊と褒められた。
天才、逸材、神童と褒められた。
可愛いと褒められた。
けど、私の中身を褒めてくれる人は誰もいなかった。

だから、私は羨ましかったんだと思う。
『優しいね』
『正義感があるね』
『いい人だね』
どの言葉も、私に向けられることはなかった。

みんな、私の外側だけを褒めた。
私の能力だけを褒めた。
それは、道具に向ける称賛と同じだと感じていた。

この刃物は美しく、そしてよく切れる。
そういった賛辞と同じ。

一応、私も頑張った。
私なりに頑張った。
けれど、状況は変わらない。
むしろ悪くなった。
頑張れば頑張るほど、私の機能や造形への称賛が増えた。
より、内面を見られなくなった。

周りは私のことを羨ましいと言った。
私みたいになりたい、とも言った。

私はその逆だった。
貴方たちみたいに、なりたい。
より正しくは、
貴方たちみたいに、
愚かで無能なまま、
何の役にも立たない自身をーー

受け入れてもらいたい。

そう、思っていた。
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感想 10

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