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36.戦う前から相手の実力にビビるな、意外になんとかなる!
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とうとう妹がいる階に到着した。
階段を登りきり、様子を確認する。
兵士の数は、三階同様少ない。
というか、目視で確認できるのは一人のみ。
牢屋側を向いているということは、その話相手は囚人だろう。
妹の話相手になっているのかもしれない。
「誰だ?」
私の気配、あるいは足音に気づいたのか、兵士は槍の先端をこちらに向ける。
不意打ちで、そのまま倒してしまおうという私の浅はかな作戦は実行できそうにない。
先の兵士との戦闘で、私も随分と手傷を負った。
体中が打撲で痛いし、
胸からは出血はある程度落ち着いたとはいえ、穴が開きかけている。
棒を振り回す体力は残っているが、熟練者相手ならば勝てる見込みは低い。
とは言っても、私にできることなどそうはない。
「どっせいーっ!」
雄叫びをあげ、兵士に向かい突撃する。
横薙ぎに振れるよう、棒を構えて、兵士との距離を詰める。
突然の状況に困惑しているのか、私の攻撃をカウンターする腹づもりなのか、兵士は構えたまま動かない。
相手の考えなど、予測したところで始まらない。
この一撃、
この一振りで仕留める。
技術を筋力でねじ伏せる。
「ぐ……ふ、あぁーー」
兵士は痛みに呻きながら、吹き飛んだ。
槍の持ち手部分で防御し、直撃は避けたようだが、先の兵士のような器用な真似はしていないようだ。
プルプルと震えながら、立ち上がり、戦闘を続行しようと私に槍を向ける。
だが、ダメージが大きいのかすぐに床に倒れ込んでしまう。
私の目的は、敵の殲滅ではなく、妹を助けることだ。
先の兵士の言葉では『首を刎ねるまで戦い』ということらしいが、フルプレートの鎧をつけられては、首の刎ねようがない。
私はその鎧の外し方など知らないし、そもそも悠長に鎧を脱がしている時間などない。
「兄さん?」
牢屋から私を呼ぶ声がする。
その声の主は、私の妹、山野緋香里その人に間違いはなかった。
まだ、捕縛から1日すら経っていないが、随分と久しぶりに会う気がする。
妹は後ろ手に縛られたまま、不自由そうだ。
てくてくと私の方に歩いてくる。
「男子三日会わざれば刮目して見よ、と諺にあるけれど、いくらなんでも成長しすぎじゃない?ファザさん並みの筋肉じゃん」
ははっと妹は笑いかける。
まだそんんあ余裕はあるらしい。
死を目の前にして、ストレスでどうにかなっているのかと少し心配していたが、彼女には無用のようだ。
また、右肩にパナップと同じような小鳥が乗っかっている。
……良かった、これでライナスさんは私たちに合流できる。
「色々あったんだよ、色々。説明は後だ。とにかく脱出が優先だ。この扉を破壊するから、少し離れてて」
「破壊って、いくら筋力上昇しても、人の力でこれを破壊するのは難しいと思うけれど」
カンカンと、硬さを強調するように、妹は扉を叩いた。
当然、素手で扉をこじ開ける、というのは困難だ。
ぐにゃり、と妹が通れる隙間を開けるのは無理だろう。
だから、ここは予定通りライナスさんからもらった爆発物を使用する。
「何それ?この世界観にそぐわない、近代的かつ暴力的な形をしているよ」
「その通りだ。出どころはライナスさんの彼女だから詳細は不明だけど、威力は保証済みだ」
「なるほど。外でどかんどかん言ってたのはその音か」
妹はすたこらと部屋の隅へ移動し、壁に顔を向けて縮こまる。
対ショック姿勢。
両手が塞がれているから、十分ではないけれど仕方がない。
ピンを抜いて、コックを外す。
扉の前にちょこんと置いて、私を大急ぎで距離をとる。
待つこと数秒。
轟音と共に、扉は崩れ落ちた。
「プリズン……ブレイク!」
妹は満足そうに笑った。
階段を登りきり、様子を確認する。
兵士の数は、三階同様少ない。
というか、目視で確認できるのは一人のみ。
牢屋側を向いているということは、その話相手は囚人だろう。
妹の話相手になっているのかもしれない。
「誰だ?」
私の気配、あるいは足音に気づいたのか、兵士は槍の先端をこちらに向ける。
不意打ちで、そのまま倒してしまおうという私の浅はかな作戦は実行できそうにない。
先の兵士との戦闘で、私も随分と手傷を負った。
体中が打撲で痛いし、
胸からは出血はある程度落ち着いたとはいえ、穴が開きかけている。
棒を振り回す体力は残っているが、熟練者相手ならば勝てる見込みは低い。
とは言っても、私にできることなどそうはない。
「どっせいーっ!」
雄叫びをあげ、兵士に向かい突撃する。
横薙ぎに振れるよう、棒を構えて、兵士との距離を詰める。
突然の状況に困惑しているのか、私の攻撃をカウンターする腹づもりなのか、兵士は構えたまま動かない。
相手の考えなど、予測したところで始まらない。
この一撃、
この一振りで仕留める。
技術を筋力でねじ伏せる。
「ぐ……ふ、あぁーー」
兵士は痛みに呻きながら、吹き飛んだ。
槍の持ち手部分で防御し、直撃は避けたようだが、先の兵士のような器用な真似はしていないようだ。
プルプルと震えながら、立ち上がり、戦闘を続行しようと私に槍を向ける。
だが、ダメージが大きいのかすぐに床に倒れ込んでしまう。
私の目的は、敵の殲滅ではなく、妹を助けることだ。
先の兵士の言葉では『首を刎ねるまで戦い』ということらしいが、フルプレートの鎧をつけられては、首の刎ねようがない。
私はその鎧の外し方など知らないし、そもそも悠長に鎧を脱がしている時間などない。
「兄さん?」
牢屋から私を呼ぶ声がする。
その声の主は、私の妹、山野緋香里その人に間違いはなかった。
まだ、捕縛から1日すら経っていないが、随分と久しぶりに会う気がする。
妹は後ろ手に縛られたまま、不自由そうだ。
てくてくと私の方に歩いてくる。
「男子三日会わざれば刮目して見よ、と諺にあるけれど、いくらなんでも成長しすぎじゃない?ファザさん並みの筋肉じゃん」
ははっと妹は笑いかける。
まだそんんあ余裕はあるらしい。
死を目の前にして、ストレスでどうにかなっているのかと少し心配していたが、彼女には無用のようだ。
また、右肩にパナップと同じような小鳥が乗っかっている。
……良かった、これでライナスさんは私たちに合流できる。
「色々あったんだよ、色々。説明は後だ。とにかく脱出が優先だ。この扉を破壊するから、少し離れてて」
「破壊って、いくら筋力上昇しても、人の力でこれを破壊するのは難しいと思うけれど」
カンカンと、硬さを強調するように、妹は扉を叩いた。
当然、素手で扉をこじ開ける、というのは困難だ。
ぐにゃり、と妹が通れる隙間を開けるのは無理だろう。
だから、ここは予定通りライナスさんからもらった爆発物を使用する。
「何それ?この世界観にそぐわない、近代的かつ暴力的な形をしているよ」
「その通りだ。出どころはライナスさんの彼女だから詳細は不明だけど、威力は保証済みだ」
「なるほど。外でどかんどかん言ってたのはその音か」
妹はすたこらと部屋の隅へ移動し、壁に顔を向けて縮こまる。
対ショック姿勢。
両手が塞がれているから、十分ではないけれど仕方がない。
ピンを抜いて、コックを外す。
扉の前にちょこんと置いて、私を大急ぎで距離をとる。
待つこと数秒。
轟音と共に、扉は崩れ落ちた。
「プリズン……ブレイク!」
妹は満足そうに笑った。
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