虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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一章 黒髪令嬢の日常

6.湿り気

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ありがたいことに、浴槽のお湯がありました。
いつも冷たい水ばかりなので、今日の私は幸運です。
お湯の温かさが、身に沁みます。
併せて、傷に沁みます。
やっぱり、いつも通りに不幸でした。

大急ぎで、体についた粉類を落とします。
服についても、ゴシゴシと付着した調味料を除去します。
べたべたな服は好ましくありませんが、匂いがとれるなら及第点です。
一糸纏わぬ姿で、自分の服を洗う。
我ながらなかなかシュールな光景です。
妹様の言うところの芸術的な光景なのかもしれません。
やはり私にはよくわかりませんが。

痛みに耐えつつ、体と衣類の洗浄を完了させました。
180秒くらいでしょうか。
長いする理由はありません、目的を果たしたならば即エスケープ。
欲望はさらなる不幸の呼び水です。

私は犬さんのように体を震わせて、体に残った水滴を弾き飛ばします。
加えて、洗った衣類を全力の力を込めて、
絞ります、
捻ります。
仕上げにぶんぶんと振り回してできるだけ水分を飛ばします。
これをするとしないとでは、着心地に圧倒的な差が出るのです。

私は脱水工程を終了し、べたべたではないけれどかなり湿った服に袖を通します。
このまま半日の我慢です。
少し不快ではありますが、痛くはないので問題ありません。
それにこれについては割と慣れることができました。
体の硬質化は無理でしたが、湿り気への耐性は獲得できたみたいです。
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