虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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二章 誘拐と叛逆

31.オルコットとフォルテシア

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「んん、ぅうう」

短い唸りとともに、パチクリと妹様が目を覚ましました。
自身のぐるぐる巻きにされている状況を確認すると、
その顔は不安に歪み、
私の顔を見ると憎しみの色が乗っかりました。

「何これ?どうこと?」

「どういうこともないです。さん、私たちはこの人たちに捕まった。誘拐中です」

「はぁ?なんでよ?てか、私の名前はフォルテシアじゃない!なんであんな黒悪魔と同じなのよっ!私はーー」

妹様が続きを言う前に、私は彼女の顔面に攻撃をしました。
拳をしっかり握って、そのまま突き出す。
半開きになった口にめがけて、グーパンチ。
意外に暴力もいけるタイプみたいです、私。
いつも、やられる側でしたが。

「黙りなさい。あなたの言葉一つで、私たちの状況は変わります。ここは大人しくしてもらわないと、困ります」

私たち、
というか主に私のために、
ですが。

「何すんの!痛い、痛いよぉ!私が誰か分かってるの?お父様に言いっーー」

もう一度、グーパンチ。
鈍い音、
皮膚の感触、
唇の感覚。

聞き分けのない子は良くないです。
悪い子です。

「痛いって!やめてよぉ!てか、ここはどこなの?あんたはぁーー」

三度目です。
ぐちょり、
血の湿った感じ。

「おいおい、ハードなコミュニケーションだな。流石は金持ち。立場の差は明確ってところか。でも、ほどほどにしてくれよ。さっき、時に殺しもするとは言ったが、あんまりやりたくないんでな」

黒い先輩さんが、なだめます。
良いタイミングと、良い言葉です。
狙い通り、です。

「では何か、口を塞ぐものはありませんか?こう煩くてはお話もできないでしょう。黙るまで殴り続けてもいいですが、私、暴力は好きではないので。」

「それなら良かった。嗜虐趣味のお嬢様だったら、どうしようかと思ったぜ」

そう言って、妹様の口を黒い布のようなもので塞ぎます。
きっちり、
しっかり。

「むー、むっ、むむむむぅー」

嗜虐趣味、というか芸術思考の妹様は何かを訴えています。
ただ、言葉ではなく、意味のない音の羅列。
何を言っているか、私にはさっぱりです。

マーテルロ家の娘である、
オルコットちゃんになった、私には特に。
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