虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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二章 誘拐と叛逆

42.言いたい

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うーん、
えっと、
そうですね。
私は心中で思考を巡らせます。
ネタバラシをいつしましょうか?

それは私にとってリスクしかないのですが、何故でしょう、『妹様、お久しぶりです』と言って、フォルテシア=マーテルロの姿に戻りたい気持ちがありあす。
妹様がどんな顔をするか、
どんな言葉を放つの興味がつきません。

「私が、オルコット=マーテルロ!」

妹様は声を荒げながら、叫びます。
だけれど、痛みのせいかいつものような声量には至りません。
語気は強いですが、掠れたような小さな声。

「7大名家の、一つの、マーテルロ家の、娘!」

言葉も途切れ途切れ、
綺麗に文節です。

顔も悲痛に歪んでいます。
声を出す度に傷が痛むのでしょう。

切り傷は体に響きますから。
鋭く、
鈍く、
辛く、
苦しい。
それが腕、腹、足ーー色んな場所から来るのですから、大変です。
大忙しです。

「てか、さっきから、何私の体を、ずたずたに、してんの!」

おっと、そうでした。
忘れてました。
妹様と違って、私は手も足も自由なのです。
作業を止めてはいけません。
時間は有限です。

「えいっ」

少し可愛く言って、刃物を妹様の喉元に突き刺します。

「いっ、がっ……くぅ」

音の漏れる音。
む以外の言葉。
悶えながら、妹様はじたばたと体を動かします。

「だから、痛いって!私はマーテルロ家の娘よ!それを分かってやってーー」

「そいっ」

しゃっ、と刃物を腹先に這わせます。
妹様の叫びとともに、刃物が血を啜ります。

というか、私も同じマーテルロ家の娘なんですよね。
立場と利用価値は違いますけれど。

「やめて、やめて、よ!傷が、残るじゃない、お父様に、叱られるっ」

おお、そうでした。
妹様の利用価値は、あくまで政略用の道具。
傷物になってしまっては、それは大きく下がります。

多分、もう遅いでしょうけど。
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