虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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二章 誘拐と叛逆

45.先輩さんと後輩さん

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やはりこうなってしまいましたか。
詰めが甘いです。

「その髪は……その色は……」

黒い後輩さんは、震える声で言います。
先程とは、その理由が幾分違うようですが。

「呪われた……黒髪ーー」

黒い人に黒いことを悪く言われると、なんだか複雑な気分です。
ですが、どうしましょうか。
これはこれで、随分と不味い状況です。

マーテルロ家の人間の解釈と、平民ーーというか犯罪者(?)の方の解釈が同じとは思えませんが、良い風に思われないのは間違いないです。

「おいおい、さっきからうるせぇぞ。静かに作業できねぇのかーーっておっ?」

黒かった先輩も出てきました。
やばさ倍増です。

人質、
人質殺し、
呪われた黒髪、
酷い扱いを受ける要素はたくさんです。

あぁ、こんなことになるなら、大人しくしておけば良かったのでしょうか?
言葉だけで、
弁舌だけで済ませるべきだったのでしょうか?

「おい、どうなってる?」

「私も良く分かりませんよ。ていうか、どうして先輩はちゃんと見張ってなかったんですか?この子、お姉さんを殺しちゃったんですよ?」

「は?まじか?」

「大マジです!」

テンポよく行われる2人の会話。
私は眼中にないようです。

「だいたい先輩はいつも雑なんですよ!ノリと度胸でいつもなんとかしようなんて!だから、みんな去っていくんですよ!」

「それはあいつらの根性がないからだ。俺は間違ってねぇ」

「ほら、その自分本位の考え方!直さないと、いつか命を落としますよ」

「俺は強ぇから大丈夫だ。それに死ぬのは多分お前の方が先だ、ひよっ子」

「なら、今私がここであなたを殺しましょうか?」

「やれるものならやってみなっ!返り討ちだ」

この隙に逃げられないでしょうか?
私は落ちた被りものをそろりそろりと回収し、
忍び足的な感じで、
気配遮断で、
2人の間を通り抜けを試みます。

「「おい、待て」」

首を背後から掴まれました。
感覚的に、二方向。
先輩さんと後輩さんの、ダブルです。

流石に、こんな乱暴な作戦は無理、ですよね(笑)。



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