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三章 領主と領民
64.街を見に行きましょう
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「街を、見たい、ですか?」
「私、誘拐された時以外で外に出たことがないんです。マーテルロ家の一員として、領民を統べる一族として、この目でその生活の姿を見たいのです」
一晩休み休み考えた結果、とりあえず民衆の生活を見てみようという結論に至りました。
私にとっては何の関係もなかった人々ですが、国を壊すとなればとっても重要なカードになります。
国は民の反乱によって壊れるパターンが多いらしいので、彼らの性質や能力については把握しておくべきだと考えました。
「立派な心がけですが、今すぐには難しい、かと」
「お父様の許可が必要、ということでしょうか?」
「……はい」
「なら、今から頼みに行きましょう」
私はペントレイアさんの手を引いて、お父様の部屋へと歩みを進めます。
屋敷外へは一歩も出ていませんが、屋敷内は別です。
お散歩と称してペントレイアさんを連れ回し、
何処に、
誰が、
なんのために、
どのくらいの頻度でいるか、
という情報は入手済みです。
併せて、各人の行動パターンもお父様はもちろんのこと、お兄様以下使用人の方々についてもノートにまとめてあります。
使い放題の紙とペンというのは素晴らしいですね。
思考の速度が爆上がりです。
「え、ちょ、オルコット様?」
疑問符を乗せるペントレイアさんをそのまま、引っ張っていきます。
全力で拒否されれば、少女な私の握力ではどうにもなりません。
けれど、私は彼のご主人様なのです。
マーテルロ家においては、主従関係は絶対。
一族内での命令の優先順位がある程度なのです。
「ごめんなさい。でも、どうしても見たいの(私が国を滅ぼすために)」
当然、()内の言葉は音にしません。
真意はいつも胸の中。
秘して、黙する。
「……仕方がありません。ただ、お父様がダメと言ったら諦めてくださいね」
ため息混じりに、彼は言いました。
私は「はい、もちろんです」と短く答えます。
もちろん、嘘ですが。
「私、誘拐された時以外で外に出たことがないんです。マーテルロ家の一員として、領民を統べる一族として、この目でその生活の姿を見たいのです」
一晩休み休み考えた結果、とりあえず民衆の生活を見てみようという結論に至りました。
私にとっては何の関係もなかった人々ですが、国を壊すとなればとっても重要なカードになります。
国は民の反乱によって壊れるパターンが多いらしいので、彼らの性質や能力については把握しておくべきだと考えました。
「立派な心がけですが、今すぐには難しい、かと」
「お父様の許可が必要、ということでしょうか?」
「……はい」
「なら、今から頼みに行きましょう」
私はペントレイアさんの手を引いて、お父様の部屋へと歩みを進めます。
屋敷外へは一歩も出ていませんが、屋敷内は別です。
お散歩と称してペントレイアさんを連れ回し、
何処に、
誰が、
なんのために、
どのくらいの頻度でいるか、
という情報は入手済みです。
併せて、各人の行動パターンもお父様はもちろんのこと、お兄様以下使用人の方々についてもノートにまとめてあります。
使い放題の紙とペンというのは素晴らしいですね。
思考の速度が爆上がりです。
「え、ちょ、オルコット様?」
疑問符を乗せるペントレイアさんをそのまま、引っ張っていきます。
全力で拒否されれば、少女な私の握力ではどうにもなりません。
けれど、私は彼のご主人様なのです。
マーテルロ家においては、主従関係は絶対。
一族内での命令の優先順位がある程度なのです。
「ごめんなさい。でも、どうしても見たいの(私が国を滅ぼすために)」
当然、()内の言葉は音にしません。
真意はいつも胸の中。
秘して、黙する。
「……仕方がありません。ただ、お父様がダメと言ったら諦めてくださいね」
ため息混じりに、彼は言いました。
私は「はい、もちろんです」と短く答えます。
もちろん、嘘ですが。
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