虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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四章 呪いと反乱

100.黒い救世主

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「うーん、やはりお兄様は特別かもしれません」

日課の強制的病理排除活動をしながら、私は呟きます。
目の前にいる、宿主ごと滅菌した対象も、症状は体全体へ広がっていました。
体調も酷く悪そうで、お父様と類似の状態。
年端もいかない少女の私に一方的にされるがまま。

この人たちとお兄様、何が違うのでしょうか?
住んでいる場所?
生まれた立場?
日頃の習慣?
要素が色々ありすぎて分かりませんね。

あるいは、お兄様に感染した『ソレ』そのものが弱小なのかもしれません。
異国の言葉に、類は友を呼ぶとありました。
弱者同士が惹かれ合い、不思議な共生関係を構築したのかもしれません。

けれど、どうしましょうか。
このままいくと、現状の処理だけしか明確な成果が出ません。
となれば、着実にこのマーテルロ家の人口は減ります。
ゆっくりと、確実に、日毎に。
1日4人ペースぐらいの処理速度ではいますが、病人の数は一定の量をキープしているようです。
1人削れば代わりに1人増え、
2人削れば同様に2人戻り、
4人削れば結局4人湧く。
この処理をすることが虚しくなってくる結果。

だけれど、病の数など誰か調整できるものではありません。
そんな高等技法ができる存在がいるとすれば、そここそ神様という存在でしょう。
でも、人間ごときのために、わざわざこんな面倒そうで無意味に無価値なことを神様なんて存在が手をかけてやるんでしょうか?

私には理解できません。
何のためにやるのか、
何がしたいのか。
到底理解することはできません。

それは私が一般的な人々とは違う感性の持ち主だから、かもしれませんが。

「そこに、いるのは、誰?」

がたり、と背後で音がしました。
併せて、私の存在を尋ねる声も。
作業が作業なので、こうして排除対象に見つかるのは日常茶飯事ではありますが、これは珍しいパターンです。

「おとう、さんを、倒して、くれたの?」

私よりも少し年下でしょうか、妹様と同じくらいの女の子が私に問いかけます。
ボロボロになった衣服に身を包んでいて、その姿はかつての自分と重なりそうでした。
ですが、彼女は私とは違います。
黒い髪の持ち主ではありません。
金色の髪を持っています。手入れが行き届いていないのか、少し質感が悪そうですが。
きっと、私とは違う理由で、似たような不幸に陥っているのでしょう。
人が人を虐げる理由は、様々ですから。

怯えた瞳に、私の姿が捉えられています。
潤んだその目が、黒色に身を包んだ私の姿を捉えています。

「ありが、とう。これで、自由に、なれる」

彼女は怯えたままの声で、私にお礼を言いました。
私は「どうしいたしまして」と短く答えました。
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