虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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四章 呪いと反乱

101.急転

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病が流行り始めてどのくらいが経ったのでしょうか。
お父様は苦しんではいますが、その命はまだ消えておらず。
お兄様も侵食状態は片腕に抑えています。
街の人々も一定の感染者数を維持しつつ、活気はありませんが国を成立させています。

徐々に腐り落ちてはいますが、まだ死なず。
だけれどこのま、あいけば崩壊は間違いありません。

そこでふと、私は疑問に思いました。
これほど活気もなく国力が低下した国を、どうして周囲は攻め込まないのかと。
たしかに、この腐り落ちるのを待つ国に、どれほどの価値があるのかはわかりません。
自国の民に感染のリスクを与えるのも、懸命ではありません。

だけれど、やり方は幾らでもあります。
焼き払ったり、
埋めたり、
薬液洗浄したり。
人権の概念がない他国の民相手ならば、どうにでもなることでしょう。

加えて、一国を労なく排除できればその利益は莫大です。
ある程度の処理や処置は必要ですが、土地に人員、その他資産が通常の戦争よりも簡単に手に入るはずです。

なのに、誰もそうしてきません。
この国の惨状を知らないのでしょうか。
誰かが隠蔽工作を行なっているのでしょうか。
それとも、他の国はそれどころではない、のっぴきならない状態に直面しているのでしょうか。

「まあ、どうでもいいですけれど」

私は1人呟きます。
誰もいない部屋で。
本に囲まれた広い部屋で。

「お嬢様、大変です」

ペントレイアさんが騒々しく、現れます。
髪質や肌質に疲労が見えていますが、彼は病の被害に合っていないようです。
強い人です。

「例の白の連中が屋敷を取り囲んでいます」

「それはーー大変ですね」

私は状況の変化にほんの少しだけ胸を躍らせました。
繰り返しの日々は退屈なのです。
どちらの側にいても。

私に、安寧の日々は向いていなかったのです。
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