虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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終章

111.一寸の虫にも五分の魂

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痛い、
熱い、
苦しい、
痛い、
気持ち悪いーー

「これはっ、えっとーー」

私は久しぶりの痛みを耐えながら振り返ります。
自身の背後を、
お父様が見つめるその先を。

「フォルテシアーーこれで終わりだっ!」

ざぐり、

「ぅぅ、ぁああ」

耳障りも肌触りも悪い。
痛みと吐き気が全身を襲います。

まさか、このタイミングでこの人が出てくるとは。
殺しにいくつもりが、殺しに来ていたとは、完全に予想外。
お父様のついで、
いつでも殺せる、
臆病者の根性なし、
そんな侮りがあったことは否定できません。
私の人生は最後までままなりませんね。

「うぅっ」

ざくり、ざくりと。
私の体を貫通したそれーー鋭利な剣が背中から胸を貫通しています。
徐々に切っ先が先へ先へ伸びているのが見えます。
併せて、熱い痛みが続きます。

「よくもっ、今までっ、好き放題、してくれたなっ!」

捻りを加えられ、周りのお肉までも削がれます。

「許さん、絶対に許さん!」

ここで、終わりですか。
最後が、こんな醜い世界だなんて、嫌、ですね。

「これで、これで僕のーーいや、俺の時代だ!俺が一番だ!誰も馬鹿にしてこない、誰も文句を言わない。俺の、俺だけの世界だ」

お兄様が騒ぎます。
剣を引き抜き、背中を足蹴に。
そのままずしりと、私の頭を踏みつけにしました。
二重、三重で痛いです。

「フォルテシア、まだ死ぬなよ、お前にはたっぷり礼をしてやらないとな。裸に向いて、貧民街に放り込んでやるよ。ーーおっと、ちゃんと襲われるように、黒い髪は隠してやらねぇとな」

ひゃひゃひぁっ、と狂ったように笑っています。
これが、最後に聞く声。
これが、最後に聞く言葉。

あぁ、本当に最悪です。
やっぱり、その場の勢いに任せて行動したせいでしょうか。
その報い。というやつでしょうか。
あるいは、神さまの不在証明、なんて罰当たりなことをしたからでしょうか?
でも、神さまがいるなら、せめてこんな人間を生かしておけない、そんな判断を下して欲しいですが。

これを持って、不在証明としましょう。
最悪に始まり、最悪に終わる。
途中に良い夢が少し、見れただけでもよかったとましょう。

「ほらほら、血が出てるぞぉ、痛いか、痛いかぁ?」

下衆の極みです。
品位の欠片もありません。

「とりあえず、ある程度彩りを添えてやるか。クズ共が吸い付くようによう」

服を乱暴に剥がれ、
破られ、
ちぎられ。
窓から吹く風が、傷口と素肌に障ります。

「いいねいいねぇ、お前もなかなか育ってるじゃあねぇか。呪いがなければ、俺がいただきたいところだぜ」

下衆な感じの笑い。
不愉快、不愉快。

「けど、俺はマーテルロの男。唯一の生き残り。なら、神に選ばれてると言っても過言じゃない」

お兄様は、笑みを浮かべたままーー

「呪いごとき、跳ね除けてやるぜ」

自身の衣服を脱いで行きます。
上も、
当然下も。
いつの間にやら生まれたまなのお姿に。
意識を失っているとはいえ、使用人と父親が同室している状況で、妹に手を出そうだなんて、全く巫山戯たお兄様です。

はぁ、最後の最後が、これ、ですか。
これが俗に言う、二番底、三番底。
最終的に、昔と同じような状況。
やっぱり私はフォルテシア、不幸で不幸な女の子のようです。

「さあ、お楽しみの始まりだぜ」

鼻息を荒く、お兄様は叫びます。

反乱を鎮圧し、
お父様を殺し、
あとはのんびりと、死ぬまで生きていようと思いましたが。
それはできないようです。
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