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メイ編 うっかり人間に恋に落ちた話
旧友
しおりを挟む「あぁっ、はぁん、んぁっ、ああっ、あ」
「気持ちいい?メイ」
「あっ、気持ちいい」
ユエルに突っ込まれるようになって5年。
俺はすっかり後ろで快感を得られるようになって、なんなら中でイク感覚に夢中になっていた。
「綺麗だ、メイ、すごく、は、は」
「あぁ、あ、あ、イク、あぁイクッ、あ~~~っ!」
「お、あ、あぁっ、僕もイク、あ、あぁぁぁっ」
俺が中でイッたと同時に、ユエルも射精する。
「すごい、出さずにイッたね。可愛い」
「あ、はぁ、はぁ、あぁっ」
中イキすると、しばらく絶頂から降りて来られない。
俺はユエルとキスをしながら、余韻を味わった。
「……あ、あ…」
「メイ…は、あぁ……」
しばらくして、ユエルのペニスが抜けていく。
その感覚がとても切なく、中を締め付けてしまう。
ユエルは、俺の身体を拭くと、自分の服を整えた。
「もう行くのか?」
「うん、ごめんねメイ。なるべくすぐに戻るよ」
最後に俺にキスをすると、そのまま部屋を出ていく。
ユエルは最近忙しくしていた。
何でも、女が次々と行方不明になっているのに、犯人がいまだ見つからないのだという。
女という以外、被害者に統一性はないが、犯行時刻は、必ず決まって夜で、ヴァンパイアハンター達は、吸血鬼の仕業だと睨んで探し回っている。
「まぁ、百発百中、吸血鬼だろうな」
吸血鬼の活動時間は夜で、太陽をあまり好まない。
だから、ヴァンパイアハンターも、基本夜に動くわけだが…。
「はぁ、暇だ」
俺も日中はずっと眠っていて、日が沈みだすと共に目を覚ます。
だから、夜はユエルとの時間を過ごしたいわけだが、最近は、どこかの吸血鬼のせいで、セックスも満足にできない。
「チッ、邪魔しやがって、殺す」
もう我慢の限界だ。
本当は今日も夜通しセックスできたはずなのに、したのは、たったの1回だけだ。
ハンターが見つけられないのなら、俺が見つけて殺す。
適当な服を着ると、そのまま家を出る。
本来、ヴァンパイアハンターは、そう忙しくなることはない。
それが人間にとっては、何よりも平和の証だからだ。
だが現在、街ではどこもかしこもハンターが目を光らせていて、人間どころか、吸血鬼もろくに外を出歩けない。
俺は、ハンターにバレないよう、気配を消しながら、街を歩く。
普段、吸血鬼は人間のフリをして過ごしているが、俺たちは同族かどうかくらいすぐにわかる。
例えば、女の腰を抱いて、紳士のふりをして歩いている黒髪の男とか。
「おい」
俺は、すれ違った黒髪の男に一声かける。
相手が警戒したように、さっと振り返ると目を見開いた。
「え……メイ?」
「……オリアス」
そいつは、数百年ぶりに見る、見知った顔だった。
「女はいいのか?」
「あぁ、ただのナンパだから。ま、今日の食事を逃したけど…」
「あっそ」
近くの富裕層向けの酒場に入って、ワインを飲む。
人間と番う変わり者がいるというのはこいつのことだった。
最後に会った時は、ちょうど恋人を亡くして憔悴したころで、意味のない自殺未遂を繰り返していた。
「今は平気なのか」
「え、なに。心配してくれるの?君が?」
「チッ」
やりづれぇ。
こいつとは古くからの顔見知りというだけで、別に親しい友達でもない。
「平気なわけないよ。今でも辛いさ。彼女の代わりなんていない」
「……そう」
「あれ、鼻で笑わないの?なんか調子狂うな。」
まぁ、昔の俺なら鼻で笑ってたろうな。
「俺も人間の恋人がいる」
「……え?!!」
オリアスが大きな声をあげる。
「うるせえよ」
「待って君が?生まれながらにして吸血鬼の中の吸血鬼である君が?どんな天変地異が起こったんだ?え、待って指輪してるじゃないか!結婚したのか?」
いちいち騒がしいやつだな。
眉を顰めてワインを煽った。
「相手は何歳なんだ?」
「23」
「まだ若いね…」
「あぁ」
まだ若い。
俺らにとっては赤子のような年齢だ。
「……本気なのか?」
「……あぁ」
「それは、つらいね……」
「……」
つらい。
本気になればなるほど。
ユエルを亡くしたら、つらいだろうと思う。
こいつを見ていたから尚更。
俺は歳を重ねて、毎年お祝いするユエルを、心から祝うことができない。
ユエルのしわを1つ見つけるたびに、したくない想像をして怖くなる。
しんみりした空気になり、ワインのグラスを一気に煽った。
「そういえば、お前じゃないよな?」
「ん?」
「ここ最近の誘拐事件、お前じゃないよな」
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