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第11章 ランスの恋
5 【5人揃っての休日1】
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<<セラフ視点>>
わたしはセラフ。
マリス様のお世話係をさせて頂いている、量産型人工生物。
マリス様からの依頼で、セイルとハリーの監視をすることになった。
セイルとハリーとは、古い知り合い。
5000年ほど前に、マリス様が現場監督をしているこの世界の守護者として作られた竜のセイル。
同じ頃にこの世界を発展させるために召喚されたタカシ様が連れてきた死にかけの飼い猫で、マリス様に助けられて虎の聖獣となったハリー。
悪い子達ではないのだけど、些細なことで、ふたりが喧嘩をした結果、その余波を食らって順調に育っていた街が壊滅してしまった。
危うくこの世界まで崩壊するところだったの。
タカシ様が止めて下さったから、何とか押さえられたけど。
その後責任を感じたふたりは、タカシ様の墓でもある社を守る任に着いたのだ。
そして5000年の時が経ち、そのふたりが、奇しくもタカシ様同様に召喚されたマサル様の元に現れた。
そして、またふたりの暴走が起こらないようにと、わたしがふたりの監視役として、マサル様のお屋敷にお世話になってる。
マサル様にはふたりのお子様がいらっしゃる。
ランス君とイリヤちゃんだ。
ふたり共、マリス様だけでなく、マリス様以外の方からも加護を受けている。
正直、マリス様より神々しいかも。
うむ、これはオフレコで。
わたしは名も無い量産型人工生物。
感情は持たないはずの人形。
マリス様に大切にされていたからか、いつの間にか好奇心というものが沸くようになった。
水鏡を覗いたのはほんの好奇心から。
ランス君と出会ったのも本当に偶然。
でも、今ランス君と再会したのは偶然じゃないかも。
もう一度会いたいって願ったから?
わたしは感情が無いはずの名も無い量産型人工生物。
<<ランス視点>>
セラフが一緒に住むことになったんだ。
セイルちゃんやハリー君の監視役なんだって。
この家に住むようになって、セラフは姿を見せるようになった。
僕やイリヤしか見えないんじゃ、不便だからね。
見た目の年齢は僕達と同じくらいで、赤髪に碧い目の女の子。
セイルちゃんやハリー君と合わせて、お母様の古い友達の子供ということになっている。
セイルちゃんやハリー君の見た目が8歳くらいだから、セラフがお姉ちゃん。
3人の家庭の事情で、3人共しばらく家で預かっている設定に決まった。
今日はマサル共和国の休日、国民全員がお休みの日だ。
週1回のこの日は、商店など一部の商会を除いて、国民全員が休みになっている。
休日に仕事の人は交代で休みを取ることが義務付けられているので、基本的に全員が週に1日は休みがとれることになる。
もともとこの世界には休日という概念が無かったみたいなんだけど、カトウ運輸が6日働いて1日の休日を設けたのがきっかけで、休日が出来たって聞いた。
休日は、国や商会によっても違うみたいだけど、大体のところで休日が採用されているみたい。
休みを入れたほうが、モチベーションが上がって仕事の効率が良くなったみたい。
朝からイリヤとセラフ、セイルちゃん、ハリー君と5人でピクニックに来ている。
街を切り開いている時に広い草原を見つけたんで、5人で来ることにしたんだ。
朝から侍女長のメアリさんがお弁当を作ってくれる。
メアリさん、侍女長になってからも、僕達のお弁当は昔から変わらずに作ってくれるんだ。
メアリさんのお弁当は本当に美味しいから大好きなんだ。
「ランス様、お弁当が出来ましたよ。いっぱい作って置きましたので、皆さんで一緒に食べてくださいね。」
メアリさんからお弁当の大きな包を受け取って、亜空間ポーチに収納する。
「メアリさんいつもありがとう。じゃあ行ってきます。」
「皆さん、行ってらっしゃいませ。」
「「「行ってきまーす。」」」
いつもだったら目的地の近くまで転移するんだけど、今日はピクニックなので、そんな無粋な真似はしないんだ。
家から5人で目的地まで歩いて行く。
途中メインストリートを通ってウインドウショッピングを楽しむ。
セラフ達3人は、商会の店頭に並んでいる商品を珍しそうに眺めている。
「うん? 美味しそうな匂いじゃな。ランス様・・・君、あれは何じゃ?」
「あれは、ドーナツっていう食べ物だよ。」
「美味そうな匂いなのじゃ。」
「相変わらず、セイルは食いしん坊だな。」
ハリー君がセイルちゃんをからかうと、セイルちゃんは少しムキになる。
「ハリーお主、人のことが言えるのか。タカシ様が大切に保管していたお菓子を全部食べてしまって、タカシ様に叱られて凹んでいたくせに。」
「なにを!おまえこそマリス様へのお供え物を盗み食いしているのがバレて、お尻100叩きされていたくせに。」
「なにを!」
ふたり共熱くなってきた。すぐにでも喧嘩を始めそうだ。
「あなた達、そこまでです。
こうなることが分かっていたから、マリス様がわたしを遣わせたのですよ。
また、5000年前みたいに、街を破壊するのですか!」
セラフに叱られて、2人共しょげている。
「ふたり共喧嘩はしないで仲良くしようね。
それよりもセラフちゃん、あの服可愛くない?
この店にはいってみましょう。」
イリスがセラフを誘って店の中に入っていく。
「イリス、ピクニックに行く時間が遅くなっちゃうから、長居はダメだよ。」
「はーい。さあセラフちゃん行きましょ。」
イリスの買い物は長いからね。先に釘を刺していかないとね。
わたしはセラフ。
マリス様のお世話係をさせて頂いている、量産型人工生物。
マリス様からの依頼で、セイルとハリーの監視をすることになった。
セイルとハリーとは、古い知り合い。
5000年ほど前に、マリス様が現場監督をしているこの世界の守護者として作られた竜のセイル。
同じ頃にこの世界を発展させるために召喚されたタカシ様が連れてきた死にかけの飼い猫で、マリス様に助けられて虎の聖獣となったハリー。
悪い子達ではないのだけど、些細なことで、ふたりが喧嘩をした結果、その余波を食らって順調に育っていた街が壊滅してしまった。
危うくこの世界まで崩壊するところだったの。
タカシ様が止めて下さったから、何とか押さえられたけど。
その後責任を感じたふたりは、タカシ様の墓でもある社を守る任に着いたのだ。
そして5000年の時が経ち、そのふたりが、奇しくもタカシ様同様に召喚されたマサル様の元に現れた。
そして、またふたりの暴走が起こらないようにと、わたしがふたりの監視役として、マサル様のお屋敷にお世話になってる。
マサル様にはふたりのお子様がいらっしゃる。
ランス君とイリヤちゃんだ。
ふたり共、マリス様だけでなく、マリス様以外の方からも加護を受けている。
正直、マリス様より神々しいかも。
うむ、これはオフレコで。
わたしは名も無い量産型人工生物。
感情は持たないはずの人形。
マリス様に大切にされていたからか、いつの間にか好奇心というものが沸くようになった。
水鏡を覗いたのはほんの好奇心から。
ランス君と出会ったのも本当に偶然。
でも、今ランス君と再会したのは偶然じゃないかも。
もう一度会いたいって願ったから?
わたしは感情が無いはずの名も無い量産型人工生物。
<<ランス視点>>
セラフが一緒に住むことになったんだ。
セイルちゃんやハリー君の監視役なんだって。
この家に住むようになって、セラフは姿を見せるようになった。
僕やイリヤしか見えないんじゃ、不便だからね。
見た目の年齢は僕達と同じくらいで、赤髪に碧い目の女の子。
セイルちゃんやハリー君と合わせて、お母様の古い友達の子供ということになっている。
セイルちゃんやハリー君の見た目が8歳くらいだから、セラフがお姉ちゃん。
3人の家庭の事情で、3人共しばらく家で預かっている設定に決まった。
今日はマサル共和国の休日、国民全員がお休みの日だ。
週1回のこの日は、商店など一部の商会を除いて、国民全員が休みになっている。
休日に仕事の人は交代で休みを取ることが義務付けられているので、基本的に全員が週に1日は休みがとれることになる。
もともとこの世界には休日という概念が無かったみたいなんだけど、カトウ運輸が6日働いて1日の休日を設けたのがきっかけで、休日が出来たって聞いた。
休日は、国や商会によっても違うみたいだけど、大体のところで休日が採用されているみたい。
休みを入れたほうが、モチベーションが上がって仕事の効率が良くなったみたい。
朝からイリヤとセラフ、セイルちゃん、ハリー君と5人でピクニックに来ている。
街を切り開いている時に広い草原を見つけたんで、5人で来ることにしたんだ。
朝から侍女長のメアリさんがお弁当を作ってくれる。
メアリさん、侍女長になってからも、僕達のお弁当は昔から変わらずに作ってくれるんだ。
メアリさんのお弁当は本当に美味しいから大好きなんだ。
「ランス様、お弁当が出来ましたよ。いっぱい作って置きましたので、皆さんで一緒に食べてくださいね。」
メアリさんからお弁当の大きな包を受け取って、亜空間ポーチに収納する。
「メアリさんいつもありがとう。じゃあ行ってきます。」
「皆さん、行ってらっしゃいませ。」
「「「行ってきまーす。」」」
いつもだったら目的地の近くまで転移するんだけど、今日はピクニックなので、そんな無粋な真似はしないんだ。
家から5人で目的地まで歩いて行く。
途中メインストリートを通ってウインドウショッピングを楽しむ。
セラフ達3人は、商会の店頭に並んでいる商品を珍しそうに眺めている。
「うん? 美味しそうな匂いじゃな。ランス様・・・君、あれは何じゃ?」
「あれは、ドーナツっていう食べ物だよ。」
「美味そうな匂いなのじゃ。」
「相変わらず、セイルは食いしん坊だな。」
ハリー君がセイルちゃんをからかうと、セイルちゃんは少しムキになる。
「ハリーお主、人のことが言えるのか。タカシ様が大切に保管していたお菓子を全部食べてしまって、タカシ様に叱られて凹んでいたくせに。」
「なにを!おまえこそマリス様へのお供え物を盗み食いしているのがバレて、お尻100叩きされていたくせに。」
「なにを!」
ふたり共熱くなってきた。すぐにでも喧嘩を始めそうだ。
「あなた達、そこまでです。
こうなることが分かっていたから、マリス様がわたしを遣わせたのですよ。
また、5000年前みたいに、街を破壊するのですか!」
セラフに叱られて、2人共しょげている。
「ふたり共喧嘩はしないで仲良くしようね。
それよりもセラフちゃん、あの服可愛くない?
この店にはいってみましょう。」
イリスがセラフを誘って店の中に入っていく。
「イリス、ピクニックに行く時間が遅くなっちゃうから、長居はダメだよ。」
「はーい。さあセラフちゃん行きましょ。」
イリスの買い物は長いからね。先に釘を刺していかないとね。
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