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第14章 そして神になった
【アキラ君の行方3】
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<<セイラ視点>>
マサルさんが真っ白な壁に映像を映し出しました。
映像は3D加工されて立体化されています。
数多ある人工衛星の中から、ナタリーさんが映っているものだけを抜き出して合成したのでしょう。
写り出された画面中央に農作業着に身を包んだナタリーさんが現れ、田植え機に腰掛けています。
田植え機が珍しいのでしょうか、ガチャガチャといろんなノブを動かしているナタリーさんはとっても楽しそうです。
残念ながら音声はありませんが、超拡大された場面には、はち切れんばかりの笑顔が溢れていました。
やがて田植え機がゆっくりと動き出し、田んぼへと入って行きます。
思うよりスピードが遅く感じるのは、ナタリーさんが初めて使う最先端機器に慎重になっているからだと思われます。
しばらくして、田植え機の速度も上がってきた頃、突如ナタリーさんの前に黒い靄が沸き上がり、あっという間にナタリーさんを包み込むと、数秒後、靄が晴れたその場所には誰も乗っていない田植え機だけが残っていました。
運転手が忽然と消えた田植え機は安全装置が働いたのか、静かにその場で止まったままになっています。
映像はそこで途切れました。
「これがわたし達が仕掛けておいた人工衛星に記録されていた映像ですね。
見易いように少し加工しておきました。」
「マサルさん、加工なんてもんじゃないわよ。
最先端のCG映像かとおもったわ。」
ユウコさんの言う通りですね。
いくらアースが異常な進化を遂げているとはいえ、この短時間でこれだけの映像を作るのは無理でしょう。
ましてや、言っちや悪いですけど、まだまだ発展途上のラスク星で、これだけの情報を取得しているなんて、わたし達にとっても驚くべきことです。
「で、見て欲しいのはここからです。
靄の中を明瞭に変換してみますね。」
そう言うとマサルさんが映像を切り替えました。
「ええっ!!靄が薄くなっていく?」
真っ黒な靄がだんだん晴れていき、靄の中にいたはずのナタリーさんがハッキリと見えてきました。
「田植え機に残っていた思念を映像化してみたんです。」
冷静にたんたんと話すマサルさんに唖然です。
たしかに田植え機はナタリーさんと一緒でしたけど。
機械から思念?ですか、もう何を言ってるのか分かりませんね。
映像は先に進みます。
田植え機に乗ったままのナタリーさんも突然のことに驚いた顔のままで身じろぎすらできていません。
するとナタリーさんの頭の上に見たことも無い模様が現れ、そこから飛び出した腕がナタリーさんを掴んでその模様の中に引きずり込んだのです。
「.....魔方陣?」
あまりにも想像外の映像にわたし達3人はただただ唖然とするのみです。
その中でユウコさんが最初に声を上げました。
「あんな魔方陣見たことないわ。」
わたしが言うと、ライクさんが信じられないって顔をしてぼそぼそ呟いています。
「いや、しかし、そんなことは.....」
「ライクさん、この模様に心当たりでも?」
「いや、知っているというほどではないんですけど、以前少し見たことのある模様に似てるんです。」
「それは?」
「実はアースの監視をしていた時に、これとよく似た模様が断続的に10回ほどアースの上空に現れたことがあるんです。
何か異常があったのではと思いあらゆる角度から調査を試みましたが、結局どこにも異常は見られなかったんです。
その時は映像の乱れじゃないかということになったんですが。」
「ゴクッ」
ユウコさんの息を飲む音が聞こえました。
「ライクさん、その時の映像を見せて頂くことは可能ですか?」
狼狽えているライクさん、言葉を出せないユウコさん。
そして何が何だか理解できていないわたしの3人に対し、あくまで冷静なマサルさん。
最初にマサルさんの声に反応したのはライクさんでした。
「え、ええ、可能ですが、それをどうされるのですか?」
「そうですね、まずは映像に残された思念を調べて、その後、模様と一緒に映像に映っているものを探して、その思念を見てみようかと思っています。」
「.....はあ...」
「さあ、ライクさん行きましょう。」
マサルさんに急かされる形で我々4人は映像保管室へ移動したのです。
映像保管室はわたし達の職場である監視ルームの最奥に存在します。
毎日、録画した映像を終業時にここに保管するためにここに来るんです。
監視している我々にとっての就業時間はアースとかラスク星とかの異世界での経過時間ではおおよそ100年程度。
1日分、つまり監視対象世界の約100年分の映像が毎日溜まっていくということね。
保管されている期間も異世界の時間で言うと80億年くらいって習った気がするけど、わたし達の入局する結構前からだからよく分からないけど。
マサルさんが真っ白な壁に映像を映し出しました。
映像は3D加工されて立体化されています。
数多ある人工衛星の中から、ナタリーさんが映っているものだけを抜き出して合成したのでしょう。
写り出された画面中央に農作業着に身を包んだナタリーさんが現れ、田植え機に腰掛けています。
田植え機が珍しいのでしょうか、ガチャガチャといろんなノブを動かしているナタリーさんはとっても楽しそうです。
残念ながら音声はありませんが、超拡大された場面には、はち切れんばかりの笑顔が溢れていました。
やがて田植え機がゆっくりと動き出し、田んぼへと入って行きます。
思うよりスピードが遅く感じるのは、ナタリーさんが初めて使う最先端機器に慎重になっているからだと思われます。
しばらくして、田植え機の速度も上がってきた頃、突如ナタリーさんの前に黒い靄が沸き上がり、あっという間にナタリーさんを包み込むと、数秒後、靄が晴れたその場所には誰も乗っていない田植え機だけが残っていました。
運転手が忽然と消えた田植え機は安全装置が働いたのか、静かにその場で止まったままになっています。
映像はそこで途切れました。
「これがわたし達が仕掛けておいた人工衛星に記録されていた映像ですね。
見易いように少し加工しておきました。」
「マサルさん、加工なんてもんじゃないわよ。
最先端のCG映像かとおもったわ。」
ユウコさんの言う通りですね。
いくらアースが異常な進化を遂げているとはいえ、この短時間でこれだけの映像を作るのは無理でしょう。
ましてや、言っちや悪いですけど、まだまだ発展途上のラスク星で、これだけの情報を取得しているなんて、わたし達にとっても驚くべきことです。
「で、見て欲しいのはここからです。
靄の中を明瞭に変換してみますね。」
そう言うとマサルさんが映像を切り替えました。
「ええっ!!靄が薄くなっていく?」
真っ黒な靄がだんだん晴れていき、靄の中にいたはずのナタリーさんがハッキリと見えてきました。
「田植え機に残っていた思念を映像化してみたんです。」
冷静にたんたんと話すマサルさんに唖然です。
たしかに田植え機はナタリーさんと一緒でしたけど。
機械から思念?ですか、もう何を言ってるのか分かりませんね。
映像は先に進みます。
田植え機に乗ったままのナタリーさんも突然のことに驚いた顔のままで身じろぎすらできていません。
するとナタリーさんの頭の上に見たことも無い模様が現れ、そこから飛び出した腕がナタリーさんを掴んでその模様の中に引きずり込んだのです。
「.....魔方陣?」
あまりにも想像外の映像にわたし達3人はただただ唖然とするのみです。
その中でユウコさんが最初に声を上げました。
「あんな魔方陣見たことないわ。」
わたしが言うと、ライクさんが信じられないって顔をしてぼそぼそ呟いています。
「いや、しかし、そんなことは.....」
「ライクさん、この模様に心当たりでも?」
「いや、知っているというほどではないんですけど、以前少し見たことのある模様に似てるんです。」
「それは?」
「実はアースの監視をしていた時に、これとよく似た模様が断続的に10回ほどアースの上空に現れたことがあるんです。
何か異常があったのではと思いあらゆる角度から調査を試みましたが、結局どこにも異常は見られなかったんです。
その時は映像の乱れじゃないかということになったんですが。」
「ゴクッ」
ユウコさんの息を飲む音が聞こえました。
「ライクさん、その時の映像を見せて頂くことは可能ですか?」
狼狽えているライクさん、言葉を出せないユウコさん。
そして何が何だか理解できていないわたしの3人に対し、あくまで冷静なマサルさん。
最初にマサルさんの声に反応したのはライクさんでした。
「え、ええ、可能ですが、それをどうされるのですか?」
「そうですね、まずは映像に残された思念を調べて、その後、模様と一緒に映像に映っているものを探して、その思念を見てみようかと思っています。」
「.....はあ...」
「さあ、ライクさん行きましょう。」
マサルさんに急かされる形で我々4人は映像保管室へ移動したのです。
映像保管室はわたし達の職場である監視ルームの最奥に存在します。
毎日、録画した映像を終業時にここに保管するためにここに来るんです。
監視している我々にとっての就業時間はアースとかラスク星とかの異世界での経過時間ではおおよそ100年程度。
1日分、つまり監視対象世界の約100年分の映像が毎日溜まっていくということね。
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