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Girls☆Side Story ~大神士狼と彼女たちの日常~
第6話 我ながら『やばい』扉を開けちゃうかな? って思った
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使用済みと洗濯済みの違いはあるが、士狼のパンツを握り締めたまま、お互いに固まってしまう古羊姉妹。
芽衣も洋子も、お互いが握りしめている士狼のパンツに、釘づけだった。
「な、ナニやってるの、メイちゃん?」
「洋子こそ、なによソレ?」
お互いの腹を探り合うように、慎重に言葉を重ねていく2人。
永遠にも感じる時間が、姉妹の間に流れた。
やがて古羊姉妹は2人同時に頷くと、何事もなかったかのように、スッ! と握手を交わし合い。
「お互い、何も見なかった事にしましょうか」
「そうだね、メイちゃん。それがいいよ」
姉妹は、お互いの変態的行動に、目を瞑ることにした。
これで誰も傷つかない、平和な世界の完成である。
芽衣も洋子も、いそいそと自分の鞄を引き寄せると、その中に勝ち取った士狼のパンツを大切に保管した。
2人も、思考が男の子に引っ張られ過ぎて、もはや何の疑問もなくパンツを持ち帰ろうとしている。
「ところで、さっき『大変な事になった』みたいな事を言ってたけど、何かあったの洋子?」
「あっ、それはもう解決したから、気にしないでメイちゃん」
ニッコリ♪ 微笑みながら、士狼のパンツをしまった鞄を、もとの位置に戻す洋子。
「そんな事よりも、これからどうしようか?」
「そうねぇ……。正直、士狼と距離を取るのがベストなんだろうけど……」
「うん、家まで上がっておいて、ソレは無理だよねぇ……」
ハァ、と2人仲良くため息をこぼす。
その間にも、芽衣の腕はまるで別の生き物かのように、士狼のタンスから、私物のTシャツやらタオルやらを、鞄の中に詰め込んでいく。
その姿は、ベテランの下着泥棒のソレだった。
「よしっ! こうなったらもう、最終手段よ」
「最終手段? そんなのがあったの、メイちゃん?」
「えぇっ。とっておきのヤツが1つね」
だったら最初っから、ソレを提示して欲しかったなぁ。
洋子は心の中で愚痴りつつも、姉の言葉に耳を傾けた。
「士狼には悪いけど、アイツには2時間ほど気を失ってもらうわよ」
「気を失って貰うって……どうやって?」
「それはもちろん、コイツを使ってね♪」
そう言って、芽衣は士狼のタンスから拝借した、洗い立てのパンツを取り出してみせた。
あっ、ヤバい。
嫌な予感がする……。
洋子が後悔し始めたところで、もうすでにアフター☆フェスティバル。
暴走特急メイ・コヒツジ、緊急発進っ!
「いい洋子? 士狼がこの部屋に入ってきた瞬間、間髪入れずにアイツに突進するわよ」
かくして古羊芽衣は、大神士狼を物理的に仕留めるべく、作戦概要を口にし始めた。
「間違いなく士狼はソレを避けために、半歩横にズレるはず。その場所に、洗い立ての士狼のこのパンツを置いておけば、あら不思議っ! 士狼は滑って頭をドーンっ! 気絶した士狼が一丁上がり♪」
「う、う~ん? そんなに上手くいくかなぁ?」
「大丈夫よっ! お姉ちゃんを信じなさい!」
う~ん? と迷いを見せる洋子を置き去りにするように、部屋の外からドタドタッ! と、コチラに向かって歩いてくる足音が聞こえてきた。
「きたっ! もう迷っている時間はないわ。覚悟を決めなさい、洋子!」
「う、うんっ!」
ペイッ! と扉の横に士狼のパンツをセッティングしながら、古羊姉妹はいつでも突進できるように、軽く腰を下ろした。
姉妹の呼吸音だけが、士狼の部屋に充満する。
やがて、ゆっくりと扉が開き――
「うぃ~す。お待たせぇ~。お茶が無かったから、プロテイン(バニラ味)持ってきたわぁ~」
「「ッ! どすこいっ!」」
瞬間、間髪入れずに古羊姉妹が、士狼の胸元へ飛び込んだ。
驚いた士狼は、そのまま野生じみた反射神経をフルに使い、罠がセッティングされている方へと身をズラし。
――ぽふんっ。
「おっとぉ? どうした2人とも? そんなに喉が乾いてたのん?」
「「な、なにぃぃぃっ!?」」
古羊姉妹の予想を裏切るように、士狼は何ら躊躇うことなく、2人がケガしないように優しく受け止めた。
「め、メイちゃんっ!」
「チッ! アタシとしたことが……一旦体勢を立て直して――ッ!?」
刹那、古羊姉妹の鼻腔を、風呂上がりの士狼の匂いが、蹂躙した。
さて、ここで『おさらい』していこう。
古羊姉妹は、今、敏感バナナを所持している。
そして、己の欲望の限りを尽くしている敏感バナナには、ストレ●チ・パワーがこれでもかと溜まっていた。
そんな状態で、風呂上がりの士狼と接触しようモノなら――
「「~~~~~~っ! うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~ッッ!?!?」」
――結果は、火を見るよりも明らかだった。
その日、痛みの許容限界値を超えた古羊姉妹は、薬が抜けるまでの約2時間、士狼の部屋で気を失い続けた。
彼女たちが目を覚ましたそのとき、部屋の隅で、青い顔を浮かべてブルブルッ!? 震えていた士狼が、一体何を見たのかは……また別のお話。
【番外編 おわり】
おまけイラスト
芽衣も洋子も、お互いが握りしめている士狼のパンツに、釘づけだった。
「な、ナニやってるの、メイちゃん?」
「洋子こそ、なによソレ?」
お互いの腹を探り合うように、慎重に言葉を重ねていく2人。
永遠にも感じる時間が、姉妹の間に流れた。
やがて古羊姉妹は2人同時に頷くと、何事もなかったかのように、スッ! と握手を交わし合い。
「お互い、何も見なかった事にしましょうか」
「そうだね、メイちゃん。それがいいよ」
姉妹は、お互いの変態的行動に、目を瞑ることにした。
これで誰も傷つかない、平和な世界の完成である。
芽衣も洋子も、いそいそと自分の鞄を引き寄せると、その中に勝ち取った士狼のパンツを大切に保管した。
2人も、思考が男の子に引っ張られ過ぎて、もはや何の疑問もなくパンツを持ち帰ろうとしている。
「ところで、さっき『大変な事になった』みたいな事を言ってたけど、何かあったの洋子?」
「あっ、それはもう解決したから、気にしないでメイちゃん」
ニッコリ♪ 微笑みながら、士狼のパンツをしまった鞄を、もとの位置に戻す洋子。
「そんな事よりも、これからどうしようか?」
「そうねぇ……。正直、士狼と距離を取るのがベストなんだろうけど……」
「うん、家まで上がっておいて、ソレは無理だよねぇ……」
ハァ、と2人仲良くため息をこぼす。
その間にも、芽衣の腕はまるで別の生き物かのように、士狼のタンスから、私物のTシャツやらタオルやらを、鞄の中に詰め込んでいく。
その姿は、ベテランの下着泥棒のソレだった。
「よしっ! こうなったらもう、最終手段よ」
「最終手段? そんなのがあったの、メイちゃん?」
「えぇっ。とっておきのヤツが1つね」
だったら最初っから、ソレを提示して欲しかったなぁ。
洋子は心の中で愚痴りつつも、姉の言葉に耳を傾けた。
「士狼には悪いけど、アイツには2時間ほど気を失ってもらうわよ」
「気を失って貰うって……どうやって?」
「それはもちろん、コイツを使ってね♪」
そう言って、芽衣は士狼のタンスから拝借した、洗い立てのパンツを取り出してみせた。
あっ、ヤバい。
嫌な予感がする……。
洋子が後悔し始めたところで、もうすでにアフター☆フェスティバル。
暴走特急メイ・コヒツジ、緊急発進っ!
「いい洋子? 士狼がこの部屋に入ってきた瞬間、間髪入れずにアイツに突進するわよ」
かくして古羊芽衣は、大神士狼を物理的に仕留めるべく、作戦概要を口にし始めた。
「間違いなく士狼はソレを避けために、半歩横にズレるはず。その場所に、洗い立ての士狼のこのパンツを置いておけば、あら不思議っ! 士狼は滑って頭をドーンっ! 気絶した士狼が一丁上がり♪」
「う、う~ん? そんなに上手くいくかなぁ?」
「大丈夫よっ! お姉ちゃんを信じなさい!」
う~ん? と迷いを見せる洋子を置き去りにするように、部屋の外からドタドタッ! と、コチラに向かって歩いてくる足音が聞こえてきた。
「きたっ! もう迷っている時間はないわ。覚悟を決めなさい、洋子!」
「う、うんっ!」
ペイッ! と扉の横に士狼のパンツをセッティングしながら、古羊姉妹はいつでも突進できるように、軽く腰を下ろした。
姉妹の呼吸音だけが、士狼の部屋に充満する。
やがて、ゆっくりと扉が開き――
「うぃ~す。お待たせぇ~。お茶が無かったから、プロテイン(バニラ味)持ってきたわぁ~」
「「ッ! どすこいっ!」」
瞬間、間髪入れずに古羊姉妹が、士狼の胸元へ飛び込んだ。
驚いた士狼は、そのまま野生じみた反射神経をフルに使い、罠がセッティングされている方へと身をズラし。
――ぽふんっ。
「おっとぉ? どうした2人とも? そんなに喉が乾いてたのん?」
「「な、なにぃぃぃっ!?」」
古羊姉妹の予想を裏切るように、士狼は何ら躊躇うことなく、2人がケガしないように優しく受け止めた。
「め、メイちゃんっ!」
「チッ! アタシとしたことが……一旦体勢を立て直して――ッ!?」
刹那、古羊姉妹の鼻腔を、風呂上がりの士狼の匂いが、蹂躙した。
さて、ここで『おさらい』していこう。
古羊姉妹は、今、敏感バナナを所持している。
そして、己の欲望の限りを尽くしている敏感バナナには、ストレ●チ・パワーがこれでもかと溜まっていた。
そんな状態で、風呂上がりの士狼と接触しようモノなら――
「「~~~~~~っ! うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~ッッ!?!?」」
――結果は、火を見るよりも明らかだった。
その日、痛みの許容限界値を超えた古羊姉妹は、薬が抜けるまでの約2時間、士狼の部屋で気を失い続けた。
彼女たちが目を覚ましたそのとき、部屋の隅で、青い顔を浮かべてブルブルッ!? 震えていた士狼が、一体何を見たのかは……また別のお話。
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