246 / 414
第8部 ぽんこつMy.HERO
第7話 恋は人身事故のあとで
しおりを挟む
唐突だが、俺シロウオオカミは、ラブコメが3度のメシより大好きだ。
とくに学校へ登校中『ちこく、ちこくぅ~♪』と、食パンを咥えながら美少女とぶつかるシーンなんか、胸が震えるほど大好きだ。
愛していると言ってもいい。
今どきそんなオードソックスなラブコメなど流行らないことくらい、百も承知だ。
自分が懐古厨の大バカ野郎である事も、先刻承知だ
それでも、いや、それ故にっ!
男たるもの、1度は十字路でパンを咥えた美少女と、全力でぶつかって、素敵な出会いがしてみたい。
なんてことを、常日頃から思っていたからだろうか。
神様の粋な計らいとしか思えない出来事が、急に俺の身に降りかかってきたのだ。
それは古羊姉妹の家で作戦会議をした、次の日の早朝に起きた。
ぶつかったのだ。
美少女と。
十字路で。
何の前触れもなく。
本来であれば、ここで、
『ははーん? さてはとうとう俺も、二次元の世界へと異世界転生する時がキタようだな?』
と、ほくそ笑むところなのだが、ここで1つ、とんでもない大きな問題が発生した。
――そう、件の美少女が徒歩通学ではなく、バイク通学であったのだ。
まぁ単的に言ってしまえば、小鳥がさえずる爽やかな早朝、俺は原付バイクに撥ねられたのである。
……つまり、人身事故である。
◇◇
「ちょっ!? 危ない、危ない!? そこをどいてぇぇぇぇぇっ!?」
「バイクッ!?」
女の子の甲高い悲鳴と共に、俺のシロウ・オオカミボディが宙を舞った。
キラキラ☆ と朝日に照らされながら、綺麗な弧を描き吹き飛んで行く、マイボディ。
それはさながら、天空を駆けるイカロスのように、雄々しく、重力という名の鎖を置き去りして空を闊歩する。
……はい、詩的に表現してみましたけど、普通に交通事故ですね。
ありがとうございます。
通学途中の住宅街の十字路で、颯爽と走ってきた原付バイクに撥ねられる、午前7時50分。
「ゴルバチョフ!?」と、リアクション芸人顔負けの悲鳴をあげながら、自由落下スタート。
そのままアスファルトの上に、背中から着地成功。
「ブハッ!? な、なんだ? 何が起きた? 異世界転生か……?」
自分の体に何が起きたのか分からず、頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら、ムクリッ! と、気合で身体を起こす。
そのまま、ビキビキっ!? 軋む身体を優しく撫でながら、数秒前の記憶を必死に呼び覚ます。
えっと確か、「ちこく、ちこく~♪」と、遅刻でもないのに食パンを咥えて走っていたら、曲がり角から急に原付が突っ込んできて……てぇっ!?
「思い出した! テメェ、運転手この野郎!? もう少しで三途の川をバタフライするところだったじゃねぇか! あぁん!?」
俺は月に代わってオシオキするべく、俺を轢殺して異世界へ転生させようとしたライダーの方へ、勢いよく振り返った。
そこには俺の鞄と鞄の中身、他にはひっくり返った原付と食べかけの食パン、そして――
「……うわぁ」
ソレを見た瞬間、思わず変な声が唇からまろび出た。
十字路のド真ん中。
そこには見慣れた制服に身を包んだ女の子が、大の字で倒れていた。
ピクリとも動かない彼女を見て、ゴクリッ! と生唾を飲んでしまう。
事故の衝撃でスカートの裾がめくれ上がっているせいか、眩しいばかりの純白のふとももが、コンニチハ!
あと少し俺の身長が低ければ、パンツが見えてしまいそうだ。
「おっ! パンツが見えそう、ラッキー☆ ……じゃない、ヤバい!?」
ムラムラッ! している場合じゃないぞ、俺!?
アレ、たぶん異世界転生しちゃってるよね……?
きっと来世は破滅フラグしかない悪役令嬢に違いない!
なんて事を考えている場合じゃない!?
「ちょっ、大丈夫ですかぁ!? い、生きてますかぁ!?」
慌てて彼女に近づき、頬をペチペチッ! と叩いてみるが……返事が無い。ただの屍のようだ。
おぉ少女よ、死んでしまうとは情けない。
「いや、ふざけてる場合じゃないぞ、コレ!?」
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい!?
このままじゃ、俺、捕まっちゃう!?
女の子をぶっ殺した犯人として、お茶の間を騒がせちゃう!?
逮捕されちゃうフルスロットル?
「ど、どどどどどっ!? どうすれば!? どうすればぁ~~~っ!? ――ハッ!?」
まるで白雪姫のように眠っている彼女の唇を見下ろしながら、ふと閃く。
そう言えば昔、童話でコレに似た展開の物語を読んだ事があるぞ。
確かあのときは……
「王子様が、眠れるお姫様にキスをして、目を覚まさせていたっけ?」
という事は、だ。
これは俺の熱烈なキッスで、目が覚めるパターンのヤツでは?
理解した瞬間、シロウ・オオカミボディに稲妻が駆け巡った。
そうだよっ!
きっと俺の愛のキスで彼女は目を覚まし、そのまま2人は結婚。
子ども2人と孫4人に囲まれながら、騒がしくも楽しい、幸せな家庭を築きあげるに違いない!
『いや、まずは脈の確認とか、呼吸の有無なんかを調べろや?』なんて、俺の中の悪魔が囁いていた気がしたが、所詮は悪魔の囁きだ。
俺は悪には屈しない、正義のナイスガイなのだ。
よってナイスガイ士狼は、彼女を助けるために、ファーストキッスを今、捧げます!
「シロウ、いっきまぁぁぁぁぁぁすっ!」
ゆっくりと俺の唇発、彼女の唇行きの愛のロケットが、発射されて気がつく。
あれ?
この子、大和田信菜ちゃんじゃね?
我が心のあにぃの妹であり、司馬ちゃんと1年生男子の人気を二分する、森実高校1年生の期待の美少女、大和田信菜ちゃんじゃね?
「……まっ、いっか♪」
シロウオオカミは、ちっちゃいコトを気にしない、懐の大きい男なのだ。
だから彼女のふわふわ♪ ウェーブがかったピンクの髪とか、『思ったよりまつ毛長いなぁ』とか『やっぱり整った顔してるな大和田ちゃん』とか、心底どうでもいい。
大事なのは、彼女のプルプルの柔らかそうな桃色の唇に、俺の唇がパイルダーオンするという事実だけ。
そう、これは別にやましい気持ちなど一切ない。
人命救助の一環なのだ。
ゆえに迷う必要ナシ!
と、顏を近づけた瞬間。
――パチリ。
と、彼女の目蓋が見開いた。
結果、超至近距離で見つめ合う俺たち。
「……えっ?」
「おはようございます。よく眠れましたかな?」
「えっ? えっ? お、おはようございます?」
にっこり♪ と、爽やかに微笑む俺を、彼女の猫っぽい瞳が捉える。
そのまま、覆いかぶさっている俺の身体から、自分の身体に視線を落とし、
「……ひぃっ!?」
サァ! と、顏から血の気が引いていった。
はい。叫ばれますね、コレは。
「キャァァァァァァァァァッ!? れ、れれれ、レイプされるぅぅぅぅぅっ!?」
「違う違う!? レイプ違う!? 俺はただ、キミの唇に俺の唇をデジクロスさせようとしただけなんだ!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!? 確信犯ンンンンンッ!? 助けてお兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁん!?」
あ、アカン!?
何故か口を開けば開くほど、彼女との距離が離れていく気がしてならない。
くそぅ!?
本当に勘違いだというのに!
俺はただ、大和田ちゃんとキスで温かい家庭を築こうとしただけなのに、どうしてこうなった?
まるで変態に出会ったかのような叫び声をあげる彼女に、タラりッ! と、冷や汗が頬から流れ落ちる。
ま、マズイ!
このままじゃ、ポリスメンの『出張サービス』イベントが発生してしまう!?
出張サービスどころか、送迎サービスまでされる展開が簡単に予想出来て、背中が嫌な汗が止まらなくなる。
は、早く何とかしなければ!?
頭の中でガンガン鳴り響く警報に急かされるように、慌てて十字路に散らばった荷物を、鞄の中へしまっていく。
「だ、大丈夫、大丈夫! すぐ消えるから! すぐドロンする――」
から、と言いかけた俺の視線が、彼女のスカートへと注がれる。
いや正確には、彼女のふとももの間にある、俺のお守りに意識が向く。
ヤベぇ!?
アレ、どうやって取ろう!?
なんて考えていると、
「??? ……ッ!? ~~~~~~~ッッ!?!?」
俺の視線に気がついたのか、大和田ちゃんはバッ! と自分のスカートの裾を押さえて、キッ! と鋭く俺を睨みつけてきた。
「こ、この変態! どこ見てるし!?」
顔を真っ赤にしながら、お尻だけ器用に動かして、俺と距離をとろうとする彼女。
結果、スカートという名のブラックホールの中に隠されてしまう、我がお守り。
い、イカン!?
一刻も早く、アレを回収して、戦況を離脱しなければ!
しかし、自分から手を突っ込むのは、さすがに変態チックすぎるし、何より『おまわりさん』に見つかったら、1発レッドカードだ。
しょうがない、背に腹は代えられん。
心苦しいが、彼女に取って貰おう。
「な、なになに? 何でそんなにウチのスカートばっかり見るし?」
「まずは落ち着いて、俺の話を聞いて欲しい。俺はキミのスカートの中にあるモノが欲しいんだ」
「スカートの中って……ハァッ!? こ、こんな住宅街のど真ん中で、何言ってるし!?」
「ま、待ってくれ!? 勘違いしないで欲しいんだが、俺にやましい気持ちは一切ない! 純粋に、心の底から、君のスカートの中のモノが欲しいんだ!」
「曇りなき眼で、ヤベェこと言ってるコイツぅ!?」
オープンスケベじゃん!?
と、赤面しながら威嚇するように吠える、大和田ちゃん。
スケベ?
お守りを取ることが、スケベな行為なのか?
おいおい、どういう価値観してんだ彼女は?
「ただ、さすがに俺じゃ回収しようとしたら、その……ね? 場所が場所だけに、『おまわりさん』が特殊召喚されかねないからさ? YOUが取ってくれると、嬉しいな」
「ウチが!? 自分で!? ぬ、脱いで渡すの!?」
脱ぐ?
何を言ってんだ、彼女は?
言い間違いか?
コテン? と首を傾げながら、とりあえず「そうだよ」と、小さく頷いた。
途端に、何故か彼女の瞳の奥に宿る敵意が、膨れ上がったような気がした。
「そ、そんなこと、いきなり言われても困るし……」
「そんなことって、超簡単な事じゃん。こんなモン、いまどき保育園児でも出来るよ?」
「ほ、保育園児にそんな事やらせてんの!?」
まるで化け物でも見るかような、怯え切った瞳で、俺を見つめる大和田ちゃん。
その視線は、ヤベェ変態と遭遇したように冷たく、恐怖に満ち満ちていた。
えっ?
なんでそんなヤベェ奴を見る目で、俺を見るの?
高校生なら、それくらい出来るだろ、普通?
高校受験の面接の日の朝、うっかり家に忘れて来たときは、姉ちゃんに届けに来てもらったこともあるし、ウチの精神年齢幼稚園児の姉に出来るのなら、保育園児にだって出来るハズだ。
……いや、今のは保育園児に失礼だったな。
謝ろう。
「ごめん。保育園児は大げさに言い過ぎたわ」
「だ、だよね! あぁ~、ビックリしたぁ……」
「姉ちゃんに出来たから、保育園児にも出来ると思って、ついさ」
「うぇっ!? じ、実の姉にやらせてるの!? こんな事を!?」
嘘でしょっ!? と、驚いた表情を浮かべる、大和田ちゃん。
そんなに驚くようなコト言った、俺?
「い、一応確認なんだけど? コレを手に入れて、どうするつもりなの?」
「??? どうするもこうするも、そんなもん、もちろん身に着けるに決まってるけど?」
「身に着けるの!? マジで!?」
信じられない! と絶叫する、あにぃの妹。
何が信じられないのだろうか?
お守りは身に着けないと、効果は無いんだし、当たり前じゃないの?
何故か彼女の視線が俺の下半身に集まった気がしたが、俺は気にせず、ズイッ! と大和田ちゃんの方へ、右手を差し出した。
「時間も時間だし、はやく取ってくれると嬉しいな」
「さ、爽やかな笑顔でヤベぇこと言ってる、コイツ……」
完全にドン引きしている大和田ちゃん。
なぜ?
大和田ちゃんは、カァ~ッ!? と耳まで真っ赤にしながら、小さく唇を噛みしめて見せた。
数秒の静寂。
やがて大和田ちゃんは覚悟を決めたのか、羞恥に顔を歪ませながら、ゆっくりと自分のスカートの中に手を伸ばして――
「やっぱムリ! 助けてお兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
スカートの裾を摘まんだところで、大☆号☆泣。
一瞬でノブナ・オオワダのワンマンライブへと姿を変える十字路――って、ちょっとぉ!?
「えっ、嘘!? まさかのガチ泣き!? ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!?」
「こ、怖いよぉぉぉぉ!? お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」
「怖い!? お守りを取るのが怖いの!? どういうこと!?」
「うぇぇぇぇぇぇぇ――へっ? お、お守り?」
えんえん!? と、泣き腫らしていた彼女の涙が、ピタリと止まった。
そのまま、おそるおそると言った様子で、下から俺の顔を窺うように覗き見て、
「お、お守りってナニ? ぱ、パンツの隠語か何か?」
「いや、普通に『お守り』ですけど? そのスカートの中に落ちている『お守り』を、取ってほしいだけなんですが……」
「……」
大和田ちゃんはピラッ! と、スカートの裾を少しだけ持ち上げる。
と同時に、俺のお守りが『おはようございます!』と顏を覗かせてみせた。
「……あ、あぁ~っ! そういうこと」
「そういうことも何も、最初からそう言ってんじゃん。何と勘違いしたわけ?」
「そ、それは、だから……。うぅ……って、あれ?」
ぎゅぅぅぅぅぅっ! と、スカートの裾を握り締めていた大和田ちゃんが、俺の顔を見るなり、ハッ! とした表情を浮かべた。
かと思えば、次の瞬間には、邪悪に唇を歪ませた。
と思った瞬間には、今度は背後にお星さまを散らしながら、キャハ☆ と快活に微笑んだ。
すげぇ、リアル百面相だ。
芽衣以外に、こんな芸当ができる女子高生が居るとは……やっぱり世界は広いなぁ。
なんて感心している間に、大和田ちゃんは急に甘ったるい声を出しながら、スリスリと俺ににじり寄ってきた。
「あれれぇ~? もしかして大神センパイですかぁ? 森実祭のときは、お世話になりましたぁ♪」
「えっ? えっ!? お、俺のこと覚えてくれてるの!?」
「もちろんですよぉ! なんせ古羊会長の番犬……じゃなかった。右腕として、超有名じゃないですかぁ! あっ、自己紹介がまだでしたね! ウチの名前は――」
「も、もちろん知ってるよ! 大和田信菜ちゃん、だよね?」
「えぇ~っ!? うっそ~っ!? ウチの名前も覚えてくれてたんですかぁ!? メチャンコ嬉ピーですぅ!」
きゃるる~ん☆ と上目使いで俺を見上げながら、太ももに優しくフェザータッチをかましてくる大和田ちゃん。
あっ、今なんとなく理解したわ。
なんで芽衣が彼女のことを嫌っているのか。
同族嫌悪だ、コレ。
「って、喜ぶ前に謝るのが先ですよね。ごめんなさい……ケガとかしなかったですか?」
「う、うん。ちょっと擦りむいた程度で、大したケガはしてないかな」
「そうなんですか!? ……あれ、おかしいなぁ? 間違えてブレーキじゃなくて、アクセル全開で突っ込んだハズなんだけど……。どういう身体してんだ、コイツ?」
「? なんか言った?」
「いいえ~、べつにぃ~☆」
なにやらボソボソと1人呟いていたが、すぐさま再び『きゃっぴるんるん♪』な笑みを浮かべて、ポンッ! と胸の前で手を叩いた。
「そうだ! ぶつかっちゃった『お詫び』と言ってはアレなんですけど、明日のお昼、一緒にご飯でも食べませんか? ウチ、腕によりをかけて、美味しいお弁当を作ってくるので! ……ダメですか?」
うるうる!? と、潤んだ瞳で下から俺の顔を覗き見る、大和田ちゃん。
途端に俺の危機管理能力が『このお願いを聞くのはマズイ!』と、内容も聞いていないのに警報を鳴らし始める。
あぁ、分かってる。
きっとコレは、何かの罠に違いない。
今年だけで、どれだけ女の子に騙されてきたことか。
いくら俺がバカだからって、それくらい分かるわい。
きっと彼女の誘いに乗ったが最後、またヘンテコリンなトラブルに巻き込まれるのがオチだ。
シロウ・オオカミは、何度も同じ過ちは繰り返さない、クール&タフガイな男である。
故に俺は、ニヒルな笑みを顔に貼り付けながら、ほんのりと頬を染める彼女に、凛とした声音で言ってやった。
「了解! めちゃんこ楽しみにしてるわ!」
とくに学校へ登校中『ちこく、ちこくぅ~♪』と、食パンを咥えながら美少女とぶつかるシーンなんか、胸が震えるほど大好きだ。
愛していると言ってもいい。
今どきそんなオードソックスなラブコメなど流行らないことくらい、百も承知だ。
自分が懐古厨の大バカ野郎である事も、先刻承知だ
それでも、いや、それ故にっ!
男たるもの、1度は十字路でパンを咥えた美少女と、全力でぶつかって、素敵な出会いがしてみたい。
なんてことを、常日頃から思っていたからだろうか。
神様の粋な計らいとしか思えない出来事が、急に俺の身に降りかかってきたのだ。
それは古羊姉妹の家で作戦会議をした、次の日の早朝に起きた。
ぶつかったのだ。
美少女と。
十字路で。
何の前触れもなく。
本来であれば、ここで、
『ははーん? さてはとうとう俺も、二次元の世界へと異世界転生する時がキタようだな?』
と、ほくそ笑むところなのだが、ここで1つ、とんでもない大きな問題が発生した。
――そう、件の美少女が徒歩通学ではなく、バイク通学であったのだ。
まぁ単的に言ってしまえば、小鳥がさえずる爽やかな早朝、俺は原付バイクに撥ねられたのである。
……つまり、人身事故である。
◇◇
「ちょっ!? 危ない、危ない!? そこをどいてぇぇぇぇぇっ!?」
「バイクッ!?」
女の子の甲高い悲鳴と共に、俺のシロウ・オオカミボディが宙を舞った。
キラキラ☆ と朝日に照らされながら、綺麗な弧を描き吹き飛んで行く、マイボディ。
それはさながら、天空を駆けるイカロスのように、雄々しく、重力という名の鎖を置き去りして空を闊歩する。
……はい、詩的に表現してみましたけど、普通に交通事故ですね。
ありがとうございます。
通学途中の住宅街の十字路で、颯爽と走ってきた原付バイクに撥ねられる、午前7時50分。
「ゴルバチョフ!?」と、リアクション芸人顔負けの悲鳴をあげながら、自由落下スタート。
そのままアスファルトの上に、背中から着地成功。
「ブハッ!? な、なんだ? 何が起きた? 異世界転生か……?」
自分の体に何が起きたのか分からず、頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら、ムクリッ! と、気合で身体を起こす。
そのまま、ビキビキっ!? 軋む身体を優しく撫でながら、数秒前の記憶を必死に呼び覚ます。
えっと確か、「ちこく、ちこく~♪」と、遅刻でもないのに食パンを咥えて走っていたら、曲がり角から急に原付が突っ込んできて……てぇっ!?
「思い出した! テメェ、運転手この野郎!? もう少しで三途の川をバタフライするところだったじゃねぇか! あぁん!?」
俺は月に代わってオシオキするべく、俺を轢殺して異世界へ転生させようとしたライダーの方へ、勢いよく振り返った。
そこには俺の鞄と鞄の中身、他にはひっくり返った原付と食べかけの食パン、そして――
「……うわぁ」
ソレを見た瞬間、思わず変な声が唇からまろび出た。
十字路のド真ん中。
そこには見慣れた制服に身を包んだ女の子が、大の字で倒れていた。
ピクリとも動かない彼女を見て、ゴクリッ! と生唾を飲んでしまう。
事故の衝撃でスカートの裾がめくれ上がっているせいか、眩しいばかりの純白のふとももが、コンニチハ!
あと少し俺の身長が低ければ、パンツが見えてしまいそうだ。
「おっ! パンツが見えそう、ラッキー☆ ……じゃない、ヤバい!?」
ムラムラッ! している場合じゃないぞ、俺!?
アレ、たぶん異世界転生しちゃってるよね……?
きっと来世は破滅フラグしかない悪役令嬢に違いない!
なんて事を考えている場合じゃない!?
「ちょっ、大丈夫ですかぁ!? い、生きてますかぁ!?」
慌てて彼女に近づき、頬をペチペチッ! と叩いてみるが……返事が無い。ただの屍のようだ。
おぉ少女よ、死んでしまうとは情けない。
「いや、ふざけてる場合じゃないぞ、コレ!?」
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい!?
このままじゃ、俺、捕まっちゃう!?
女の子をぶっ殺した犯人として、お茶の間を騒がせちゃう!?
逮捕されちゃうフルスロットル?
「ど、どどどどどっ!? どうすれば!? どうすればぁ~~~っ!? ――ハッ!?」
まるで白雪姫のように眠っている彼女の唇を見下ろしながら、ふと閃く。
そう言えば昔、童話でコレに似た展開の物語を読んだ事があるぞ。
確かあのときは……
「王子様が、眠れるお姫様にキスをして、目を覚まさせていたっけ?」
という事は、だ。
これは俺の熱烈なキッスで、目が覚めるパターンのヤツでは?
理解した瞬間、シロウ・オオカミボディに稲妻が駆け巡った。
そうだよっ!
きっと俺の愛のキスで彼女は目を覚まし、そのまま2人は結婚。
子ども2人と孫4人に囲まれながら、騒がしくも楽しい、幸せな家庭を築きあげるに違いない!
『いや、まずは脈の確認とか、呼吸の有無なんかを調べろや?』なんて、俺の中の悪魔が囁いていた気がしたが、所詮は悪魔の囁きだ。
俺は悪には屈しない、正義のナイスガイなのだ。
よってナイスガイ士狼は、彼女を助けるために、ファーストキッスを今、捧げます!
「シロウ、いっきまぁぁぁぁぁぁすっ!」
ゆっくりと俺の唇発、彼女の唇行きの愛のロケットが、発射されて気がつく。
あれ?
この子、大和田信菜ちゃんじゃね?
我が心のあにぃの妹であり、司馬ちゃんと1年生男子の人気を二分する、森実高校1年生の期待の美少女、大和田信菜ちゃんじゃね?
「……まっ、いっか♪」
シロウオオカミは、ちっちゃいコトを気にしない、懐の大きい男なのだ。
だから彼女のふわふわ♪ ウェーブがかったピンクの髪とか、『思ったよりまつ毛長いなぁ』とか『やっぱり整った顔してるな大和田ちゃん』とか、心底どうでもいい。
大事なのは、彼女のプルプルの柔らかそうな桃色の唇に、俺の唇がパイルダーオンするという事実だけ。
そう、これは別にやましい気持ちなど一切ない。
人命救助の一環なのだ。
ゆえに迷う必要ナシ!
と、顏を近づけた瞬間。
――パチリ。
と、彼女の目蓋が見開いた。
結果、超至近距離で見つめ合う俺たち。
「……えっ?」
「おはようございます。よく眠れましたかな?」
「えっ? えっ? お、おはようございます?」
にっこり♪ と、爽やかに微笑む俺を、彼女の猫っぽい瞳が捉える。
そのまま、覆いかぶさっている俺の身体から、自分の身体に視線を落とし、
「……ひぃっ!?」
サァ! と、顏から血の気が引いていった。
はい。叫ばれますね、コレは。
「キャァァァァァァァァァッ!? れ、れれれ、レイプされるぅぅぅぅぅっ!?」
「違う違う!? レイプ違う!? 俺はただ、キミの唇に俺の唇をデジクロスさせようとしただけなんだ!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!? 確信犯ンンンンンッ!? 助けてお兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁん!?」
あ、アカン!?
何故か口を開けば開くほど、彼女との距離が離れていく気がしてならない。
くそぅ!?
本当に勘違いだというのに!
俺はただ、大和田ちゃんとキスで温かい家庭を築こうとしただけなのに、どうしてこうなった?
まるで変態に出会ったかのような叫び声をあげる彼女に、タラりッ! と、冷や汗が頬から流れ落ちる。
ま、マズイ!
このままじゃ、ポリスメンの『出張サービス』イベントが発生してしまう!?
出張サービスどころか、送迎サービスまでされる展開が簡単に予想出来て、背中が嫌な汗が止まらなくなる。
は、早く何とかしなければ!?
頭の中でガンガン鳴り響く警報に急かされるように、慌てて十字路に散らばった荷物を、鞄の中へしまっていく。
「だ、大丈夫、大丈夫! すぐ消えるから! すぐドロンする――」
から、と言いかけた俺の視線が、彼女のスカートへと注がれる。
いや正確には、彼女のふとももの間にある、俺のお守りに意識が向く。
ヤベぇ!?
アレ、どうやって取ろう!?
なんて考えていると、
「??? ……ッ!? ~~~~~~~ッッ!?!?」
俺の視線に気がついたのか、大和田ちゃんはバッ! と自分のスカートの裾を押さえて、キッ! と鋭く俺を睨みつけてきた。
「こ、この変態! どこ見てるし!?」
顔を真っ赤にしながら、お尻だけ器用に動かして、俺と距離をとろうとする彼女。
結果、スカートという名のブラックホールの中に隠されてしまう、我がお守り。
い、イカン!?
一刻も早く、アレを回収して、戦況を離脱しなければ!
しかし、自分から手を突っ込むのは、さすがに変態チックすぎるし、何より『おまわりさん』に見つかったら、1発レッドカードだ。
しょうがない、背に腹は代えられん。
心苦しいが、彼女に取って貰おう。
「な、なになに? 何でそんなにウチのスカートばっかり見るし?」
「まずは落ち着いて、俺の話を聞いて欲しい。俺はキミのスカートの中にあるモノが欲しいんだ」
「スカートの中って……ハァッ!? こ、こんな住宅街のど真ん中で、何言ってるし!?」
「ま、待ってくれ!? 勘違いしないで欲しいんだが、俺にやましい気持ちは一切ない! 純粋に、心の底から、君のスカートの中のモノが欲しいんだ!」
「曇りなき眼で、ヤベェこと言ってるコイツぅ!?」
オープンスケベじゃん!?
と、赤面しながら威嚇するように吠える、大和田ちゃん。
スケベ?
お守りを取ることが、スケベな行為なのか?
おいおい、どういう価値観してんだ彼女は?
「ただ、さすがに俺じゃ回収しようとしたら、その……ね? 場所が場所だけに、『おまわりさん』が特殊召喚されかねないからさ? YOUが取ってくれると、嬉しいな」
「ウチが!? 自分で!? ぬ、脱いで渡すの!?」
脱ぐ?
何を言ってんだ、彼女は?
言い間違いか?
コテン? と首を傾げながら、とりあえず「そうだよ」と、小さく頷いた。
途端に、何故か彼女の瞳の奥に宿る敵意が、膨れ上がったような気がした。
「そ、そんなこと、いきなり言われても困るし……」
「そんなことって、超簡単な事じゃん。こんなモン、いまどき保育園児でも出来るよ?」
「ほ、保育園児にそんな事やらせてんの!?」
まるで化け物でも見るかような、怯え切った瞳で、俺を見つめる大和田ちゃん。
その視線は、ヤベェ変態と遭遇したように冷たく、恐怖に満ち満ちていた。
えっ?
なんでそんなヤベェ奴を見る目で、俺を見るの?
高校生なら、それくらい出来るだろ、普通?
高校受験の面接の日の朝、うっかり家に忘れて来たときは、姉ちゃんに届けに来てもらったこともあるし、ウチの精神年齢幼稚園児の姉に出来るのなら、保育園児にだって出来るハズだ。
……いや、今のは保育園児に失礼だったな。
謝ろう。
「ごめん。保育園児は大げさに言い過ぎたわ」
「だ、だよね! あぁ~、ビックリしたぁ……」
「姉ちゃんに出来たから、保育園児にも出来ると思って、ついさ」
「うぇっ!? じ、実の姉にやらせてるの!? こんな事を!?」
嘘でしょっ!? と、驚いた表情を浮かべる、大和田ちゃん。
そんなに驚くようなコト言った、俺?
「い、一応確認なんだけど? コレを手に入れて、どうするつもりなの?」
「??? どうするもこうするも、そんなもん、もちろん身に着けるに決まってるけど?」
「身に着けるの!? マジで!?」
信じられない! と絶叫する、あにぃの妹。
何が信じられないのだろうか?
お守りは身に着けないと、効果は無いんだし、当たり前じゃないの?
何故か彼女の視線が俺の下半身に集まった気がしたが、俺は気にせず、ズイッ! と大和田ちゃんの方へ、右手を差し出した。
「時間も時間だし、はやく取ってくれると嬉しいな」
「さ、爽やかな笑顔でヤベぇこと言ってる、コイツ……」
完全にドン引きしている大和田ちゃん。
なぜ?
大和田ちゃんは、カァ~ッ!? と耳まで真っ赤にしながら、小さく唇を噛みしめて見せた。
数秒の静寂。
やがて大和田ちゃんは覚悟を決めたのか、羞恥に顔を歪ませながら、ゆっくりと自分のスカートの中に手を伸ばして――
「やっぱムリ! 助けてお兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
スカートの裾を摘まんだところで、大☆号☆泣。
一瞬でノブナ・オオワダのワンマンライブへと姿を変える十字路――って、ちょっとぉ!?
「えっ、嘘!? まさかのガチ泣き!? ちょっと待ってぇぇぇぇぇ!?」
「こ、怖いよぉぉぉぉ!? お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?」
「怖い!? お守りを取るのが怖いの!? どういうこと!?」
「うぇぇぇぇぇぇぇ――へっ? お、お守り?」
えんえん!? と、泣き腫らしていた彼女の涙が、ピタリと止まった。
そのまま、おそるおそると言った様子で、下から俺の顔を窺うように覗き見て、
「お、お守りってナニ? ぱ、パンツの隠語か何か?」
「いや、普通に『お守り』ですけど? そのスカートの中に落ちている『お守り』を、取ってほしいだけなんですが……」
「……」
大和田ちゃんはピラッ! と、スカートの裾を少しだけ持ち上げる。
と同時に、俺のお守りが『おはようございます!』と顏を覗かせてみせた。
「……あ、あぁ~っ! そういうこと」
「そういうことも何も、最初からそう言ってんじゃん。何と勘違いしたわけ?」
「そ、それは、だから……。うぅ……って、あれ?」
ぎゅぅぅぅぅぅっ! と、スカートの裾を握り締めていた大和田ちゃんが、俺の顔を見るなり、ハッ! とした表情を浮かべた。
かと思えば、次の瞬間には、邪悪に唇を歪ませた。
と思った瞬間には、今度は背後にお星さまを散らしながら、キャハ☆ と快活に微笑んだ。
すげぇ、リアル百面相だ。
芽衣以外に、こんな芸当ができる女子高生が居るとは……やっぱり世界は広いなぁ。
なんて感心している間に、大和田ちゃんは急に甘ったるい声を出しながら、スリスリと俺ににじり寄ってきた。
「あれれぇ~? もしかして大神センパイですかぁ? 森実祭のときは、お世話になりましたぁ♪」
「えっ? えっ!? お、俺のこと覚えてくれてるの!?」
「もちろんですよぉ! なんせ古羊会長の番犬……じゃなかった。右腕として、超有名じゃないですかぁ! あっ、自己紹介がまだでしたね! ウチの名前は――」
「も、もちろん知ってるよ! 大和田信菜ちゃん、だよね?」
「えぇ~っ!? うっそ~っ!? ウチの名前も覚えてくれてたんですかぁ!? メチャンコ嬉ピーですぅ!」
きゃるる~ん☆ と上目使いで俺を見上げながら、太ももに優しくフェザータッチをかましてくる大和田ちゃん。
あっ、今なんとなく理解したわ。
なんで芽衣が彼女のことを嫌っているのか。
同族嫌悪だ、コレ。
「って、喜ぶ前に謝るのが先ですよね。ごめんなさい……ケガとかしなかったですか?」
「う、うん。ちょっと擦りむいた程度で、大したケガはしてないかな」
「そうなんですか!? ……あれ、おかしいなぁ? 間違えてブレーキじゃなくて、アクセル全開で突っ込んだハズなんだけど……。どういう身体してんだ、コイツ?」
「? なんか言った?」
「いいえ~、べつにぃ~☆」
なにやらボソボソと1人呟いていたが、すぐさま再び『きゃっぴるんるん♪』な笑みを浮かべて、ポンッ! と胸の前で手を叩いた。
「そうだ! ぶつかっちゃった『お詫び』と言ってはアレなんですけど、明日のお昼、一緒にご飯でも食べませんか? ウチ、腕によりをかけて、美味しいお弁当を作ってくるので! ……ダメですか?」
うるうる!? と、潤んだ瞳で下から俺の顔を覗き見る、大和田ちゃん。
途端に俺の危機管理能力が『このお願いを聞くのはマズイ!』と、内容も聞いていないのに警報を鳴らし始める。
あぁ、分かってる。
きっとコレは、何かの罠に違いない。
今年だけで、どれだけ女の子に騙されてきたことか。
いくら俺がバカだからって、それくらい分かるわい。
きっと彼女の誘いに乗ったが最後、またヘンテコリンなトラブルに巻き込まれるのがオチだ。
シロウ・オオカミは、何度も同じ過ちは繰り返さない、クール&タフガイな男である。
故に俺は、ニヒルな笑みを顔に貼り付けながら、ほんのりと頬を染める彼女に、凛とした声音で言ってやった。
「了解! めちゃんこ楽しみにしてるわ!」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる