人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

槇瀬陽翔

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やっぱり一人はさみしい

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結局、菊池がいなかった1週間はずっと風紀委員たちが手を替え品を替えで俺に無茶ばっかりやらかしてきたから一人で考え込む暇を与えてもらえなかった。


だけど、今日は最終日の夜で、もう誰もいない。


そう考えると忘れていた感情が蘇ってくる



一人はさみしいと…



早く会いたいと…



不意に携帯が鳴りだして驚いて画面を見たら菊池からだった。

「もしもし、侑司?」
勢いよく出て声をかければ笑い声がする。
『そんなに慌てて出るなよ。元気にしてるか?』
笑いながら言われるけど、ムッとするよりも声を聞けたことの方が嬉しかった。

「一応は元気だ。でも…」
これを言ったらなんて思われるかなって考えて口を閉ざした。
『でも…なんだよ』
それでも菊池は言えという。

「…一人はさみしい…さみしいよ侑司…」
だから思ってることを口にした。
『そうか。もう少し我慢しろ。明日の朝一には戻るし、そのまま授業も受けるからよぉ』
笑い飛ばされるわけでもなく俺の気持ちを理解してくれる。

「ん、早く会いたい…会って顔を見て安心したいぞ侑司」
これは俺の本心。会って顔をちゃんと見たいんだ。電話越しじゃなくて、ちゃんと声が聞きたいんだ。
『わかってる。退院手続きが明日の朝一じゃねぇと出来ねぇんだ。だから我慢しろ』
俺の気持ちがわかるからそう言うし、こうやって電話してくれたんだよな。

「我慢できなかったら?」
だからわざと聞いてみた。
『諦めろ』
なんて冷たい一言。

「なんでだよ!」
あっ、受話器越しに叫んじまった。
『叫ぶなうるせぇ。その言葉が出るなら大丈夫だ。お前はちゃんと我慢して待つ男だ』
なんて、やっぱり菊池には見透かされている言葉。

「約束したからな、待ってるって…だから大人しく待っててやる」
俺と菊池との約束だ。帰るまで大人しく待ってると…
『随分と上から目線だなおい。まぁいい、明日ちゃんと帰るから待ってろ。会ったら気がすむまで甘えさせてやる』
なんて笑いながら言うお前も上から目線だけどな!

「ん、わかった。侑司、おやすみ」
今日は大人しくこのまま寝る。侑司の声も聞けたから…。
『おう、おやすみ。明日な陽葵』
その返事と共に電話は切れた。


俺は菊池の声が聞けて浮かれ気分で布団の中に入ってホクホクな気持ちのまま眠りについた。


夢の中で侑司に逢えたのはビックリだったけどな!



Fin

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